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2026-01-19
ID-POS市場分析 vol.7
激動のビール市場を分析!購入者・商品カテゴリ・商品成分の3面から読み解く
新年が始まる1月は1年間で特にアルコール飲料の購買が少なく、最も購買の多い12月との対比が際立つタイミングです。2025年は4月1日に価格改定があり、9月末には大規模なシステム障害がありました。これら事象は2025年12月の購買に影響を与えたのでしょうか。
2023年以降のアルコール飲料全体の売り上げ推移は昨年と同様の傾向でしたが、価格改定のあった4月は一時的に売上が減少しました。
また、システム障害は10月の購買傾向に影響を与え、ビールカテゴリは昨年以上のシェアを維持していました。欠品の懸念から10月に買いだめが発生したことが考えられます。なお、12月の年末需要ではビールのシェアは昨年と同程度でした。
そこでID-POS市場分析vol.7では、年末需要で毎年12月に売上が高まる「ビール」やビールテイストの「発泡酒」、「新ジャンル」をまとめたビール類の市場を、購入者・商品カテゴリ・商品成分の3面から分析していきます。
※ID-POSデータとは
POS(Point Of Sales、ポス)とは、いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたのか?を記録・管理する仕組みのことです。ID-POSは「POS」に「顧客ID」がひも付いたものであり、だれが買ったのか?まで把握することができるため、より精緻な購買分析に役立てることができます。


ビール類の2025年12月売上金額シェアランキング、第1位は「アサヒ スーパードライ」。対昨年比では「サントリー 金麦」が第1位。
まずはビール類の市場全体を通して何が売れているのか、2025年12月の購買状況を見ていきます。

売上の第1位となったのは「アサヒ スーパードライ」でした。売上金額のシェアでは12%を上回り、2024年の12月と比較して1.07倍の売上を記録していました。また、「サントリー 金麦」は対昨年比が1.44倍となっており、売上1位のシェアに大きく近づいてきていました。上記ランキング記載の商品を中心とした売上本数や購入者数の多い下記16ブランドに絞って分析していきます。(五十音順)
アサヒ :アサヒ生ビール|クリアアサヒ|スーパードライ|スタイルフリー
キリン :グッドエール|のどごし<生>|一番搾り|淡麗|晴れ風|本麒麟
サッポロ :GOLDSTAR|ヱビス|黒ラベル
サントリー :ザ・プレミアム・モルツ|サントリー生ビール|金麦
購入者面|人気ブランドは性年代での偏りが少ない。「のどごし<生>」は高齢層・「晴れ風」、「スタイルフリー」は女性・「GOLDSTAR」は男性からの人気を確立。
次に、購入者の特徴を把握するため、直近2年間のデータを男性構成比と平均年齢の2軸でマッピングしてみます。(円の大きさは購入者のUU数を表しています。)

ポイントカードの特徴として男性構成比の値自体は小さいですが、ビール類の中で売上の多いブランドは比較的男女両方から支持されていることが分かります。同時に年齢層も平均に近く、中間的なポジションをとっています。一方、「のどごし<生>」は突出して平均年齢が高く、UU数が売上に対して少ないことから ”高齢層のリピーター” を獲得していることが推察されます。また、サッポロのブランドは比較的年齢層が低く、若年層・中年層をターゲットにしてブランディングしていることが分かります。
「GOLDSTAR」が男性から人気があるのに対して、糖質オフの商品である「スタイルフリー」や発売から2年未満である「晴れ風」は他ブランドと比較して女性からの支持が高いという結果でした。「晴れ風」に関しては過去の分析レポートから継続して新しいポジションを確立しているという結果でした。
カテゴリ面|ノンアルコール→発泡酒・新ジャンル→ビールの順に平均年齢が高く、サッポロとサントリーは分布傾向が類似。
続いて、ビール類の中での ”カテゴリ” による購買傾向を把握するため、カテゴリとメーカーの組み合わせにて直近2年間のデータを男性構成比と平均年齢の2軸でマッピングしてみます。ここではブランドを絞ることなく、アサヒ・キリン・サッポロ・サントリーの4社で展開しているブランドをまとめて比較しております。

全体では ”ノンアルコール”、”発泡酒・新ジャンル”、”ビール” の順に平均年齢が高いという結果でした。
メーカーの特徴として、アサヒは「スーパードライ」の値に吊り上げられた結果、発泡酒・新ジャンルとビールの平均年齢に逆転が起きています。また、キリンはノンアルコールが4社の中で最も平均年齢が若いことが分かりました。「ラガーゼロ」は発売して間もないため、長年の愛飲者がいないことが理由と考えられます。
サッポロとサントリーは平均年齢が全体と同じ位置関係をしていますが、カテゴリ間においてサッポロは性別、サントリーは平均年齢での差分が大きく、根本的なターゲティングは同じであるが様々な手法の違いによって特徴が異なっている可能性があります。
成分面|糖質よりもプリン体の含有量の方がブランド間の違いを創出。いずれも中間的な商品の売上本数が多い。
最後に、商品の成分面からビール類を分析します。アルコール度数はほぼ全ての商品が4%~6%であり0.5%単位の変動のため、特徴がみられませんでした。一方、糖質・プリン体に着目している商品の方も多く、差別化戦略となっている印象です。そこで直近2年間のデータを”糖質” および ”プリン体” の含有量からマッピングしてみます。(円の大きさは売上本数を表しています。なお、糖質・プリン体の数値は各社HPから参照した ”100mlあたり” の数値になります。また、同一ブランドにて含有量が異なる場合はそれぞれ独立してプロットをしております。)

マッピングの結果、「ヱビス」や「金麦」など同じブランドでも商品によって配分を調整していることが可視化されました。
糖質に関しては2.0~3.0gの商品が多く、「ザ・プレミアム・モルツ」や「金麦」の一部商品が豊富に含む形で特徴を示していました。メーカーごとの特徴としてサントリーは全体的に糖質が高く、アサヒはブランド間の違いが小さいという結果でした。
一方、プリン体に関してはまばらに分布していますが、サッポロのブランドは全体的にプリン体を豊富に含んでいることが分かりました。「のどごし<生>」に関してはプリン体が少ないことで他ブランドとの違いを生み出し、売上を伸ばしています。
糖質・プリン体のいずれも控えめのブランドにおいても一定の売上が確認され、需要に合わせた開発がされていることが分かります。しかし、これらのブランドでは ”糖質は控えめだが、プリン体を豊富に含む” 第二象限における特徴的な商品が少ないという状況です。ビールの味わいはこだわりたいが、健康の観点から糖質は押さえたいという需要に適した商品は発売されるのでしょうか。
毎月のランキングや別チャネル・別カテゴリのランキングも把握可能。
今回は「ビール類」市場に焦点を当てた分析でしたが、毎月のランキングや、異なる販売チャネル・カテゴリの分析も可能です。ID-POS分析についてご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
また、ID-POS以外にもPontaデータを活用した分析や企業データの分析代行などアナリティクスサービスもご提供しております。詳しくは弊社のアナリティクスページをご確認ください。
■データについて
今回使用するデータは以下です。
・期間:2024/01/01~2025/12/31
・抽出元:地方スーパーマーケットにおけるアルコールカテゴリの購買
・対象者:Ponta会員
・分析対象データ:300ml~399mlのビールテイスト飲料。6缶パックは「6缶の購入」として単品の購買と合計して集計。
※ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
【引用・転載の際のクレジット表記のお願い】
調査結果引用・転載の際は、“「Pontaリサーチ」調べ”とクレジットを記載していただきますようお願い申し上げます。
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