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2024-12-16

ID-POS市場分析 vol.2(後編)
「日清 どん兵衛」を徹底分析!あなたの年越しはそば派?うどん派?

いよいよ2024年もあとわずか。年末年始といえば、やはり年越しそばですね。昨年12月に行った「年末年始に関する調査」でも、年越しそばはあらゆる年代が楽しみにしているイベントでした。
(年末年始に関する調査;https://biz.loyalty.co.jp/report/105/)
ただ、年末の忙しい時期には、年越しそばを作っている余裕も無くなりがち。そんな時に便利なのはカップそばですが、特に人気なのは、本記事前編にて2023年のカップ麺市場年間売上シェア1位にもなった「日清 どん兵衛」です。昨年12月のどん兵衛全体の売上は年間平均の約2.7倍と、年末に向けた需要の高まりが伺えます。

ID-POS市場分析vol.2の後編となる今回は、「日清 どん兵衛」をテーマとし、年末のいつ頃から売れ始めるのか、ラインナップごとに購入者属性は異なるのか、などの疑問をID-POSデータから紐解いていきます。なお、前編ではカップ麺市場全体の分析も行っていますので、是非そちらもご覧ください。
https://biz.loyalty.co.jp/report/144/

※ID-POSデータとは
POS(Point Of Sales、ポス)とは、いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたのか?を記録・管理する仕組みのことです。ID-POSは「POS」に「顧客ID」がひも付いたものであり、だれが買ったのか?まで把握することができるため、より精緻な購買分析に役立てることができます。

調査結果詳細

「日清 どん兵衛」の売上ピークは年末の3日間だが、12月中頃より前週比150%の勢いで伸び始める傾向。

まずは「日清 どん兵衛」が年末のいつ頃から売れ始めるのか、2023年12月の日次売上とその前週比の推移を見ていきます(棒グラフが売上で、線グラフが前週比を表しています)。
売上が最も大きくなる期間は、やはり年末の3日間となっています。また、わずかな差ですが、最も高くなるのは大みそか前日の12月30日であり、最終日に向けた買い込みを行っている様子が伺えます。
一方、前週からの売上金額の伸び率推移を見ていくと、12月20日頃から前週比150~200%の勢いで伸び始めており、年末に向けて着実な準備を進める方はおよそ10日前より動き始めるようです。
なお、12月2日、3日も高い売上を記録していますが、前後の平日の増加は見られないため、週末セールなどの一過性のある伸びと考えられます。

年越しそば、だけでなく年越しうどんも同程度の人気。

では、「日清 どん兵衛」シリーズの中でどのような商品が年末に売れているのか、2023年12月の最終週(2023年12月25日~2023年12月31日)のカップ麺カテゴリの売上シェアランキングを見ていきます。
第1位は「日清 どん兵衛 天ぷらそば 西」でした。やはりそばが人気といったところですが、第2位は「日清 どん兵衛 きつねうどん 西」で、売上シェアの差は0.2%と、ほぼ同率となっていました。
これについては、本記事前編でも触れていますが、今回分析対象となる販売チャネルが全国展開するコンビニではなく、西日本に位置するスーパーマーケットであることが要因と考えられます。うどん勢力としては、他にも第4位に「日清 どん兵衛 肉うどん」、第6位に「日清 どん兵衛 かき揚げ天ぷらうどん」など、そば勢力よりも上位に位置しているものが多くなっています。

どん兵衛ラインナップの中でも、男性は「そば」、女性は「うどん」を選ぶ傾向があり、若年層ほどプレミアム系の「最強どん兵衛」、高年層ほどあっさり系の「おだしどん兵衛」、小さいサイズの「ミニ」シリーズを選ぶ傾向がある。

次に、どん兵衛のラインナップごとの購入者属性を把握するため、各商品購入者の男性構成比を横軸、平均年齢を縦軸、売上規模を円のサイズとした性年代ポジショニングマップを見ていきます。(2023年12月25日~2023年12月31日において300人以上が購入した商品に限定。)
まず、男女の違いとしてマップの左側(女性側)と右側(男性側)に位置している商品を見ていくと、左側には「うどん」、右側には「そば」が多く、男女によって年越しそばを選ぶのか、年越しうどんを選ぶのかが異なることが分かります。

また、年代の違いとしてマップの上側(高年層側)と下側(若年層側)に位置している商品を見ていくと、上側にはあっさり系の「おだしどん兵衛」や「ミニ」といった商品、下側にはプレミアム系の「最強どん兵衛」といった商品が多く、商品の味やボリュームによって購入者の年代層が異なることが分かります。

どん兵衛ラインナップの中で購入者層が薄い男性高年層には、あの競合商品がいた!

どん兵衛ラインナップのポジショニングマップを見ると、一見男女問わずあらゆる年代の客層をカバーしているようにも見えますが、右上の男性高年層については、若干手薄な様子も見受けられます。
そこで一度カップ麺市場全体に焦点を戻し、この男性高年層にはどのような商品が買われているのかを見たところ、特徴的な商品として現れたのが「東洋水産 赤いきつねうどん 関西」と「東洋水産 緑のたぬき天そば 関西」のいわゆる「赤いきつねと緑のたぬき」でした。
「赤いきつね」は、カップ麺業界の歴史としては業界初のカップ入り即席きつねうどん「カップきつねうどん」のリブランド商品であり、「緑のたぬき」はその姉妹品として誕生した商品です。
(ヒストリー|マルちゃん赤いきつね緑のたぬき|東洋水産株式会社 https://www.akamidori.jp/history/)
業界の先駆けとして古くから愛される「赤いきつねと緑のたぬき」が男性高年層の心を掴んで離さない一方で、どん兵衛は様々なラインナップとマーケティングにより、他の購入者層を取り込んでいった、そのような市場の変遷をこのポジショニングマップからは読み取ることができるかもしれません。

年間を通した売上のトレンドや別チャネル・別カテゴリのトレンド・商品ポジションも把握可能。

 

今回は「日清 どん兵衛」とその関連商品の年末の動向に焦点を当てた分析でしたが、年間を通したトレンドや、別の販売チャネル・別のカテゴリの分析も可能です。ID-POS分析についてご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

また、ID-POS以外にもPontaデータを活用した分析や企業データの分析代行などアナリティクスサービスもご提供しております。詳しくは弊社のアナリティクスページをご確認ください。

データについて

今回使用するデータは以下です。

・期間:2023/12/01~2023/12/31(冒頭グラフは2023/01/01~2023/12/31で作成)

・抽出元:地方スーパーマーケットにおけるカップ麺カテゴリの購買

・対象者:Ponta会員

※ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。

※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

【引用・転載の際のクレジット表記のお願い】

調査結果引用・転載の際は、“「Pontaリサーチ」調べ”とクレジットを記載していただきますようお願い申し上げます。

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    • カップ麺の年間売上シェアランキング、第1位はラーメンではなく、「日清 どん兵衛 きつねうどん 西」。5位までに各社の焼そば系商品がランクイン。

    • 男性はご当地系・プレミアム系・大盛系など、量や質が特別な商品の購入傾向が強い。

    • 女性は韓国系の辛い麺や、「ミニ」などボリュームが控えめな商品の購入傾向が強い。

    • 年代別では、若年層は韓国系・大盛系、中年層は海鮮系・アレンジ系、高年層はご当地系・控えめ系の商品の購入傾向が強い。

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