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2025-01-23
ID-POS市場分析 vol.3(後編)
バレンタイン直前!
「板チョコ」を徹底分析!メーカー・フレーバーによる違いは?
2025年も半月が過ぎ、来月に控えるバレンタインが近づいています。様々なブランドからバレンタインに向けたチョコレート商品が発売され、大切な人への贈り物に悩む方も多いかと思います。
一方、バレンタインといえば ”手作り” のチョコレートを渡す方もいらっしゃるのではないでしょうか。手作りチョコに欠かせない「板チョコ」の売上はやはり2月に集中していました。昨年2月の板チョコの売上は年間平均の約4.0倍と、需要の高まりが伺えます。
ID-POS市場分析vol.3の後編となる今回は、「板チョコ」をテーマとし、いつ頃から売れ始めるのか、メーカーやフレーバーごとに購入者属性は異なるのか、などの疑問をID-POSデータから紐解いていきます。なお、前編ではチョコレート市場全体の分析も行っていますので、是非そちらもご覧ください。
※ID-POSデータとは
POS(Point Of Sales、ポス)とは、いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたのか?を記録・管理する仕組みのことです。ID-POSは「POS」に「顧客ID」がひも付いたものであり、だれが買ったのか?まで把握することができるため、より精緻な購買分析に役立てることができます。
※板チョコ
今回「板チョコ」として以下18商品を分析対象としております。
「ロッテ ガーナピンクチョコレート 45g」、「ロッテ ガーナブラック 50g」、「ロッテ ガーナホワイト 45g」、「ロッテ ガーナミルク 50g」、「ロッテ ガーナローストミルク 50g」、「明治 アグロフォレストリーミルクチョコ 45g」、「明治 ハイミルクチョコレート 50g」、「明治 ブラックチョコレート 50g」、「明治 ホワイトチョコレート 40g」、「明治 ミルクチョコレート 50g」、「明治 リッチストロベリーチョコレート 46g」、「明治 リッチ黒糖チョコレート 46g」、「明治 濃いちょこれえと抹茶 46g」、「明治 濃いちょこれえと黒糖 46g」、「明治 ザ・チョコレートドミニカ70 42g」、「明治 ザ・チョコレートブラジル70 42g」、「明治 ザ・チョコレートベネズエラ70 42g」、「明治 ザ・チョコレートペルー70 42g」
「板チョコ」の売上ピークはバレンタイン前5日間程度。前週の土日にも伸びる傾向あり。
まずは「板チョコ」のピークはバレンタインに合わせて2月になるのでしょうか。2月における「板チョコ」の売上は年間平均の約4.0倍となっており、チョコレート市場全体以上に2月に売り上げが集中していました。それでは、2月のいつ頃から「板チョコ」の売上が増加するのか、2024年2月の日次売上とその前週比の推移を見ていきます(棒グラフが売上で、線グラフが前週比を表しています)。
売上が最も伸びる期間は、やはりバレンタイン直前の5日間となっていました。また、わずかな差ですが、最も高くなるのはバレンタイン前の日曜日であり、その後もバレンタイン当日まで平均を大きく上回る売り上げがみられます。一方、前週からの売上金額の伸び率推移を見ていくと、バレンタイン直前に2日間が4.0倍を上回る勢いで伸びておりました。


最も売れるのは「ロッテのミルクチョコレート」。リピート率では「明治のミルクチョコレート」に軍配。
それでは、「板チョコ」の中でどのような商品が売れているのか、2024年2月のチョコレート市場の売上シェアランキングを見ていきます。
第1位は「ロッテ ガーナミルク 50g」でした。続いて第3位に「ロッテ ガーナピンクチョコレート 45g」がランクインしておりますが、売上シェアは約2.9倍と「ロッテ ガーナミルク 50g」が圧倒的な売上を記録していました。
一方、過去に購買があるかを見る”リピート率”では「明治 ミルクチョコレート 50g」が第1位となっており、こちらは明治の板チョコに軍配が上がりました。他にも第4位「明治 ハイミルクチョコレート 50g」、第6位「明治 ブラックチョコレート 50g」と明治商品にリピート率の高さが現れています。


ロッテと明治の購入層を比較。ロッテは「女性」「若年層」、明治は「男性」「高年層」に好まれる傾向がある。
次に、ロッテの板チョコと明治の板チョコはどのような層に好まれているのかを比較するため、各商品購入者の男性構成比を横軸、平均年齢を縦軸、売上規模を円のサイズとした性年代ポジショニングマップを見ていきます。(2024年2月1日~2024年2月29日において300人以上が購入した商品に限定。)
まず、男女の違いとしてマップの左側(女性側)と右側(男性側)に位置している商品を見ていくと、左側には「ロッテ」の板チョコ、右側には「明治」の板チョコが多く、ロッテの板チョコは比較的「女性」に好まれ、明治の板チョコは比較的「男性」に好まれていることが分かります。
また、年代の違いとしてマップの上側(高年層側)と下側(若年層側)に位置している商品を見ていくと、同一フレーバー間において上側には「明治」の板チョコ、下側には「ロッテ」の板チョコが多く、ロッテの板チョコは比較的「若年層」に好まれ、明治の板チョコは比較的「高年層」に好まれていることが分かります。

板チョコのフレーバー好みは年代で分かれる結果に。ブラックチョコレートは「高年層」、ミルクチョコレートは「全年齢層」、ホワイトチョコレートは「若年層」に好まれる傾向がある。
最後に板チョコのフレーバー間で違いがあるのかを比較していきます。”□”で表現されている「ブラックチョコレート」はマップ上側に位置しており、他フレーバーよりも高年層に好まれていることが分かります。続いて売上第1位、リピート率第一位が属する「ミルクチョコレート」(”〇”)は中央に固まっており、「偏りなく様々な年齢層」から好まれているのではないでしょうか。”◇”で表現されている「ホワイトチョコレート」は下側に位置しており、「ブラックチョコレート」や「ミルクチョコレート」と比較して「若年層」に好まれていることが見受けられました。

年間を通した売上のトレンドや別チャネル・別カテゴリのトレンド・商品ポジションも把握可能。
今回は「板チョコ」に関する2月の動向に焦点を当てた分析でしたが、年間を通したトレンドや、別の販売チャネル・別のカテゴリの分析も可能です。ID-POS分析についてご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
また、ID-POS以外にもPontaデータを活用した分析や企業データの分析代行などアナリティクスサービスもご提供しております。詳しくは弊社のアナリティクスページをご確認ください。
※ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
■データについて
今回の使用データは以下です。
・期間:2023/12/01~2024/11/30
・抽出元:地方スーパーマーケットにおけるチョコレートカテゴリの購買
・対象者:Ponta会員
【引用・転載の際のクレジット表記のお願い】
調査結果引用・転載の際は、“「Pontaリサーチ」調べ”とクレジットを記載していただきますようお願い申し上げます。
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