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2025-10-01
ID-POS市場分析 vol.6
健康志向ブーム、あなたは“脂肪燃焼派”?それとも“高たんぱく質派”?
近年、ウェルビーイング(心身ともに良好な状態)という考え方が社会に徐々に浸透し、暮らしや働き方だけでなく日々の食生活にも影響を与えています。ウェルビーイング発想の新しいマーケティング指標「TOTONOID(ととのい度)」では「食への充足感」「バランスよい食事」「リラックスした時間」「十分な睡眠」といった項目が、重視度(縦軸)・実感度(横軸)ともに高い位置にあることが示されています。特に「バランスよい食事」や「食への充足感」は「重要ニーズ」ゾーンに位置しており、日常生活で“健康的な食事を意識すること”が多くの人にとって重要かつ実感されている価値であることがわかります。
そこでID-POS市場分析vol.6は、近年高まる健康志向を背景に、手軽に身体的ケアを実践できる「健康食品」に着目しました。特に、ダイエット食品の代表格である「脂肪燃焼系飲料」と「高たんぱく質系食品」を対象に、購買データから購入者の年代や性別といった属性を比較し、どの層がどのような商品を支持しているのかを分析していきます。
※ID-POSデータとは
POS(Point Of Sales、ポス)とは、いつ・どの商品が・どんな価格で・いくつ売れたのか?を記録・管理する仕組みのことです。ID-POSは「POS」に「顧客ID」がひも付いたものであり、だれが買ったのか?まで把握することができるため、より精緻な購買分析に役立てることができます。
脂肪燃焼系飲料は堅調に、高たんぱく質系食品は急成長を見せている。
まずは、2025年以降の脂肪燃焼系飲料と高たんぱく質系食品の購入者数を月次推移で表しました。

脂肪燃焼系飲料(緑線)の購入者数と高たんぱく質系食品(青線)の購入者数は年初から同様の推移で伸長しており、8月時点では脂肪燃焼系飲料は1月比で約1.3倍、高たんぱく質系食品は1.7倍と成長を見せていました。新年度や夏に向けたボディメイク需要、アウトドアイベントへ向けてダイエット食品の需要が高まったことが伺えます。
脂肪燃焼系の購入率第1位は「お~いお茶濃い茶」、高たんぱく質系では「森永 inゼリー プロテイン」。
続いて、それぞれのカテゴリごとの人気商品を購入率から見ていきます。 購入率は期間中の健康食品カテゴリ購入者を母数として各商品の購入者数から算出しています。

脂肪燃焼系飲料では、「お〜いお茶 濃い茶」(47.1%)が圧倒的な購入率を示し第1位に。2位の「サントリー 伊右衛門 特茶」(10.2%)、3位の「からだすこやか茶W」(8.2%)と続き、特定保健用食品の緑茶系が上位を独占しています。さらに「コカ・コーラプラス」などのトクホ系コーラもランクインし、体脂肪対策といえば“お茶&トクホ飲料”が定番となっていることがうかがえます。
高たんぱく質カテゴリは、「森永 inゼリー プロテイン」(5.4%)がトップ。次いで「明治 ザバス ミルクプロテイン」各フレーバーや「森永 inバー プロテイン」など、手軽にたんぱく質を補給できるドリンクやバーがランクインしていました。
女性から支持を得たのは「ヨーグルト系商品」 男性では「炭酸飲料やプロテイン飲料」が支持されていた。
続いて、各商品の男女別人気をリフト値を用いて可視化してみました。
リフト値とは、ある商品が特定のグループ(ここでは男女別)で全体平均と比べてどれだけ購入されやすいかを示す指標で、1.0が「全体平均並み」を意味します。たとえばリフト1.3なら「そのグループで全体平均より30%多く購入されている」ということになります。

女性に支持されている商品として、ダノン オイコス 脂肪0 プレーン(加糖/砂糖不使用)がともにリフト1.3でトップに。続く「からだすこやか茶W」「森永 inゼリー プロテイン」「おーいお茶 濃い茶 プレミアムティーバック」もリフト1.1と高く、ヨーグルト系や高カテキン茶、プロテインゼリーなど、美容や日常的な体調管理を意識したラインナップが目立ちます。
一方、男性ではサントリー ペプシ スペシャル ゼロが1.47Lでリフト1.4、490mlでも1.3と強い支持を得ていました。「明治 ザバス ミルクプロテイン」各フレーバーも上位にランクインしており、キリン メッツコーラもリフト1.2を示していました。脂肪対策系コーラとプロテイン飲料の二本柱が男性から支持されていることが分かります。
若年層は「筋トレ・美容志向」で高たんぱく質派、高年層は「体脂肪ケア志向」で脂肪燃焼派と世代で健康食品の選び方がくっきり分かれる結果に。
最後に、「脂肪燃焼系飲料」と「高たんぱく質系食品」それぞれの購入率を、性別×年代別に比較しました。 横軸を高たんぱく質系食品の購入率、縦軸を脂肪燃焼系飲料の購入率とした散布図を作成し、性年代ごとの健康志向タイプを視覚的に表しています。

左上(第1領域)には50代以上の男女が集中。脂肪燃焼系飲料の購入率が高く、高たんぱく質系食品の購入率は平均より低いことが特徴です。体脂肪ケアや生活習慣病対策を重視するシニア層らしい購買傾向が明確に表れています。
右下(第4領域)には20〜40代の男女がまとまり、高たんぱく質系食品の購入率が高く、脂肪燃焼系飲料は低い傾向。筋トレや美容、ボディメイクといった「体をつくる」志向が強く、若年層特有の健康ニーズが反映されていました。
近年のトレンドを「いつ」「誰が」「何を」までID-POSから分析する
今回はウェルビーイングに関する調査データからヒントを得て、健康意識の高まりというテーマから健康志向商品の購買データを分析してみましたが、同じ手法はお菓子・生活用品などあらゆるカテゴリにも応用可能です。
ID-POSを用いた購買分析にご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
また、ID-POS以外にもPontaデータを活用した分析や企業データの分析代行などアナリティクスサービスもご提供しております。詳しくは弊社のアナリティクスページをご確認ください。
■データについて
今回使用したデータは以下のとおりです。
〇購買データ
・抽出元:地方スーパーマーケットにおける機能性健康食品の購買
・期間:2025/01/01~2025/8/31
・対象者:Ponta会員
・対象商品:商品名やパッケージ、届出表示などに「脂肪を減らす」「脂肪燃焼」「脂肪の吸収を抑える」などのキーワードを含む商品を脂肪燃焼系商品とし、「高たんぱく」「プロテイン」などのキーワードを含む商品を高たんぱく質系食品と定義
〇ウェルビーイングに関する調査
・出典:TOTONOID dashboard by Loyalty Marketing Inc.
(https://www.loyalty.co.jp/news/20250731_3)
※ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、セキュリティ上厳重に管理された環境のもと、個人を特定できない状態でマーケティング分析を行っております。
※本コラムに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
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1月 26, 2026
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推し活をしていると回答した人は全体の36.1%。男女とも30代以下の約半数は推し活をしている。
推しのジャンルは、「日本のアイドル」の回答が24.4%と最も多く、次いで、「歌手・ミュージシャン」が23.6%、「スポーツ選手」が22.3%だった。
推し活で感じたポジティブなことは「癒される・安心」の回答が35.6%と最も多く、幸福度を高める出来事として最も重視されているのは「毎日が楽しい」。
推し活で感じたネガティブな出来事は「お金の浪費」の回答が17.1%と最も多く、幸福度が下がる出来事として「推しの言動に対する不満」が最も重視されている。
「テーマパーク・エンタメ施設」推しが最も幸福度の指数が高く、51.5点となった。「スポーツ選手」「乗り物」推しは身体的な幸福度の指数が高い傾向が見られた。
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1月 26, 2026
2026年は使う?守る?「お金と投資」に関する調査 ラジオ番...
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2026年、お金に関して「引き続き我慢の年」が約4割でトップ。節約・防衛モードで、お金の使い方に慎重さがうかがえる
後悔しない支出は「旅行・エンタメ」「健康・美容」など、経験や自己投資が上位
約6割が大きな買い物は控える
減税・給付金があっても、すぐに消費するより「備え」と「投資」へ
投資は慎重姿勢が主流。新NISAを認知しつつも未利用の人は36.0%
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1月 19, 2026
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ビール類の2025年12月売上金額シェアランキング、第1位は「アサヒ スーパードライ」。対昨年比では「サントリー 金麦」が第1位。
購入者面|人気ブランドは性年代での偏りが少ない。「のどごし<生>」は高齢層・「晴れ風」、「スタイルフリー」は女性・「GOLDSTAR」は男性からの人気を確立。
カテゴリ面|ノンアルコール→発泡酒・新ジャンル→ビールの順に平均年齢が高く、サッポロとサントリーは分布傾向が類似。
成分面|糖質よりもプリン体の含有量の方がブランド間の違いを創出。いずれも中間的な商品の売上本数が多い。