コラム

2026-01-15

ニーズ調査とは?やり方やヒアリングのコツ、注意点などをわかりやすく解説

ニーズ調査は、顧客の本当の課題を明らかにし、ヒット商品を生み出すために欠かせないプロセスです。本記事では、ニーズ調査の基本的なやり方から、本音を引き出す質問のコツまでを徹底解説します。確かなデータに基づいた企画立案をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

ニーズ調査とは

ニーズ調査とは、顧客が求める価値や抱えている課題を、実際の行動・意見から明らかにする活動です。

 

最大のポイントは、顧客の「表面的な要望(ウォンツ)」と、その裏にある「隠れた本音(ニーズ)」の違いを正しく理解することにあります。

 

まずは調査の目的や、基本的な分類について解説します。

ニーズ調査をする目的

ニーズ調査の基本として、以下の目的を押さえておきましょう。


ニーズ調査の目的

 

・新商品の開発や既存サービスの改善
・効果的なマーケティング戦略の策定


 

顧客の真のニーズを正確に把握できれば、それらを確実に満たす商品開発が可能になります。データに基づいた戦略立案は、開発のミスマッチを防ぎ、市場における成功確率を最大化させることにつながります。

ニーズの種類

顧客のニーズは、本人がすでに自覚している「顕在ニーズ」と、本人もまだ気づいていない「潜在ニーズ」の2種類に大別されます。それぞれの違いを以下にまとめました。

顕在ニーズを持つ顧客は、具体的な解決策を探しているため、購買行動に直結しやすいのが特徴です。

 

一方で潜在ニーズは、現時点では欲求が曖昧ですが、対話や行動観察を通じてうまく掘り起こすことで、新たな市場を開拓できる可能性を秘めています。

ニーズ調査の手法

ニーズ調査の手法は、大きく「定量調査」と「定性調査」の2つに分類されます。それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。

市場の全体像や傾向を客観的なデータとして収集したい場合は、定量調査が適しています。一方で、顧客の深層心理や潜在ニーズを掘り下げたい場合には、定性調査が有効です。

 

まずは定性調査で仮説を導き出し、その後に定量調査で裏付けを取るといった組み合わせも効果的な戦略の一つです。

ニーズ調査を実施するメリット

ニーズ調査を通じて顧客の行動や本音を深く理解することで、曖昧な推測ではなく、確かな根拠を持ってプロジェクトを進められるようになります。

 

主なメリットとして、以下が挙げられます。

商品開発やサービス改善の精度向上につながる

ニーズ調査で得られたデータを活用すれば、企業側の思い込みを排除し、市場が真に求めている商品やサービスを開発しやすくなります。顧客が抱える課題や要望を正確に把握することで、必要な機能や要素が明確になり、結果として顧客満足度の高い企画立案へとつながるでしょう。

 

また、事前に需要の有無を確認できるため、開発を進めるべきか否かの冷静な判断基準としても役立ちます。市場調査と併せて実施することで、失敗のリスクを抑えながら、精度の高い開発プロセスを実現できるでしょう。

データに基づく説得力のある提案ができる

ニーズ調査で得られた客観的なデータは、企画や改善案を通すための強力な武器になります。顧客の不満や要望を数値や生の声として提示することで、現状の課題や不足している点が誰の目にも明らかになるためです。

 

また、好調な商品についても、市場に受け入れられている背景を分析すれば次の一手を打つ際の判断材料となります。感覚ではなく事実に基づいた説明が可能になり、会議でのプレゼンや上司への報告においても、説得力が格段に増すでしょう。

新たな市場機会やインサイトを発見できる

ニーズ調査を行う大きな意義は、企業側が全く想定していなかった顧客の欲求を発見できる点にあります。

 

特にグループインタビューや行動観察調査では、対象者の何気ない会話や無意識の行動から、本人も自覚していない「インサイト」があぶり出されるケースも少なくありません。

 

このような顧客の深い本音や動機を捉えることができれば、競合他社がまだ着目していない未開拓の市場機会を見つけ出し、画期的な商品やサービスを生み出す貴重なきっかけとなるでしょう。

ニーズ調査の代表的な手法

ニーズ調査を成功させるためには、目的に合わせて最適な手法を選択することが不可欠です。市場を広く捉える定量的なデータ収集から、個人の深層心理に迫る定性的なアプローチまで、その手法は多岐にわたります。

 

ここでは、ニーズ調査の代表的な手法について、それぞれの特徴を解説します。

アンケート調査

アンケート調査は、あらかじめ用意した質問に対して消費者に回答してもらう、マーケティングリサーチの代表的な手法です。調査課題に対する仮説を立て、それを検証できるように設問を設計する必要があります。

 

具体的には「商品を知った経路」や「購入理由」「満足度」などを尋ねることで、市場の実態を数値で把握できます。効果的なニーズ調査を行うためには、目的に合致した対象者を適切に選定することも重要です。多くの回答を一度に集められる点がメリットといえるでしょう。

 

アンケート調査の目的や方法については下記の記事でも解説しています。

インタビュー調査

インタビュー調査は、対話を通じて消費者の行動背景や深層心理を探る定性的な手法です。目的や対象者に合わせて、主に以下の3種類を使い分けます。


・グループインタビュー:4~6名の対象者による座談会形式
・デプスインタビュー:対象者と1対1で行う対話形式
・オンラインインタビュー:Web会議ツールを用いた遠隔形式


 

自由な回答を求める質問を活用すれば、数値には表れない顧客の本音や潜在ニーズを引き出せるでしょう。対象者が話しやすいリラックスした雰囲気を作ることで、より深い洞察が得られるようになります。

 

デプスインタビューとグループインタビューの詳細については、以下の記事でも解説しています。

行動観察調査

行動観察調査(エスノグラフィ)は、ターゲットの自宅訪問や買い物への同行などを通じて、実際の行動を直接観察するニーズ調査の手法です。言葉による回答だけでは捉えきれない、無意識の行動や習慣を第三者の視点から客観的に分析できます。

 

消費者のリアルな実態を可視化し、従来のアンケートやインタビューでは捉えきれない深い潜在ニーズを発掘できる点が大きなメリットです。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS上に投稿されたユーザーの日常的な発信を収集・分析する手法です。特定のキーワードがどのように語られているかや、ターゲット層の実際の行動を追うことで、最新のトレンドをリアルタイムで把握できます。

 

最大の特徴は、調査として用意された場での回答ではなく、消費者の生活に溶け込んだ「飾らない本音」が集まる点です。これにより、企業側が想定していなかった意外な利用シーンや顧客層の発見につながる、新しいニーズ調査の方法として注目されています。

ニーズ調査の具体的なやり方

ここでは、ニーズ調査の具体的なやり方を解説します。ニーズ調査を成功させるには、闇雲に情報を集めるのではなく、段階的な手順を踏むことが重要です。

 

ここでは、調査の準備から分析、活用まで、具体的なステップを解説していきます。

STEP1:調査目的と仮説を明確化する

まずはニーズ調査で「何を明らかにしたいのか」という目的を定義することから始めます。ここが曖昧なままだと、収集したデータの活用法が定まらず、プロジェクトの進行に支障をきたす恐れがあるためです。

 

目的が決まったら、現状の課題感をもとに「おそらく顧客はこう考えているだろう」という仮説を立てましょう。仮説があることで検証すべき点が絞られ、無駄のない調査設計が可能になります。

STEP2:ターゲット設定と手法を選定する

次に、ニーズ調査の対象となるターゲット層を具体的に設定します。年齢や居住地といった基本属性だけでなく、悩みや関心事など具体的な人物像まで絞り込むと効果的です。

 

ターゲットが決まったら、検証したい仮説に合わせて最適なニーズ調査の手法を選びます。市場規模を知りたいならアンケート、深い心理を探るならインタビューといったように、目的に応じて手法を使い分けることが大切です。

STEP3:調査票作成とデータ収集を行う

選定した手法に基づき、ニーズ調査の具体的な質問項目を作成します。回答者が意図を誤解しないよう、簡潔で分かりやすい表現を心がけることが重要です。本調査の前に小規模なプレテストを実施すれば、設問の不備を事前に解消できるためより確実です。

 

準備が整い次第、実査によるデータ収集へと進みます。回収後は、未記入や矛盾のある回答を精査するクリーニング作業を行い、有効なデータのみを抽出することで、その後の分析精度を大きく高めることができます。

STEP4:分析とマーケティング戦略を反映する

ニーズ調査で集めたデータを分析し、当初立てた仮説が正しかったかどうかを検証します。全体的な数値を見るだけでなく、年代別などでクロス集計を行い、顧客行動の背景にある要因を読み解くことが大切です。

 

得られた結果は、商品機能の改善やプロモーション方針の決定など、具体的なアクションプランに落とし込みます。社内で情報を共有し、次の施策に活かしてこそニーズ調査の価値が生まれます。

ニーズ調査で顧客の本音を引き出すコツ

ニーズ調査の質を高めるためには、単に質問をするだけでは不十分です。顧客の表面的な言葉の裏にある「本当の気持ち」や「無意識の行動」まで捉える工夫が求められます。ここでは、ニーズ調査でより深いインサイトを得るための実践的なポイントを解説します。

複数の調査手法を組み合わせる

ニーズ調査においては、一つの調査手法だけに頼るのではなく、定性調査と定量調査を掛け合わせることで、より立体的なニーズ把握が可能になります。

 

たとえば、まずはグループインタビューを実施して大まかな意見や新たな視点を洗い出し、そこで見つかった仮説をアンケート調査で数値的に検証するといった流れが効果的です。

 

また、自社ユーザーだけでなく競合他社のユーザーも調査対象に含めることで、客観的な比較分析が可能になり、自社の強みや改善点がより明確になります。

 

このように、手法や対象をうまく組み合わせることが、調査精度を高める大きなコツです。

質問テクニックを駆使して深掘りする

ニーズ調査で顧客の本音を引き出すには、質問の仕方に工夫が必要です。「はい・いいえ」で答えられる質問ばかりでは、表面的な事実確認にしかなりません。

 

「なぜそう思ったのですか?」「具体的にどのような場面でそう感じましたか?」といったオープンクエスチョンを活用し、回答の背景にある感情や状況を深掘りしましょう。

 

また、1つの設問に複数の要素を詰め込むと回答者が混乱するため、質問はシンプルかつ具体的に設定し、誤解を生まないよう配慮することもニーズ調査のコツです。

調査対象への先入観を捨てる

ニーズ調査に挑む際、「顧客はこう考えているはずだ」という思い込みを持ったまま調査に臨むと、無意識のうちに自分に都合の良い回答ばかりを集めてしまう恐れがあります。

 

特に新商品開発や潜在ニーズの発掘を目指す場合は、フラットな視点で相手の話に耳を傾けることが重要です。想定外の意見が出たときこそ、新しい発見のチャンスと捉えましょう。

 

先入観を排除し、ありのままの声を収集することで、これまで見落としていた市場機会やインサイトに気づけるようになります。フラットな視点を持つことが、成功のコツです。

ニーズ調査をする際の注意点

ニーズ調査はマーケティングにおいて強力な手段ですが、進め方を間違うと誤った判断をしてしまう恐れがあります。ここでは、質の高い調査を行うために押さえておきたい主な注意点を解説します。

目的があやふやなまま開始しない

ニーズ調査において最も避けるべきなのは、調査目的が曖昧な状態でスタートしてしまうことです。何のために調べるのかが定まっていないと、適切な対象者や設問を選定できず、最終的に得られたデータも活用しきれないものになってしまいます。

 

最終的にどのような意思決定を行いたいのか、どのような課題を解決したいのかというゴールから逆算して設計することが大切です。明確な目的意識を持つことで、はじめて意味のある調査結果が得られます。

誘導尋問やバイアスを避ける

ニーズ調査において対象者の本音を引き出すためには、企業側にとって都合の良い回答を促すような質問を避けなければなりません。例えば「この商品は使いやすいですか」といった聞き方は、暗黙のうちに肯定的な回答を期待するバイアスがかかる恐れがあります。

 

また、一つの設問に複数の要素を詰め込むと回答者が判断に迷い、データの正確性が損なわれてしまいます。先入観を排除し、対象者が自由かつフラットな立場で回答できる設問設計を心がけることが、質の高いデータを収集するための鍵となります。

データ収集自体を目的にしない

ニーズ調査を実施してデータを集めることだけで満足してしまい、肝心の活用がおろそかになってしまうケースも少なくありません。集めたデータは分析し、具体的なマーケティング戦略や商品改善のアクションにつなげてこそ価値が生まれます。

 

また、得られた結果はグラフ化や数値化を行い、組織全体で共有しやすい形にまとめることが大切です。関係者全員が共通認識を持ち、スムーズな意思決定を行えるよう、事後の活用フローまで想定しておきましょう。

顧客データを深く分析し、マーケティング成果を最大化するならロイヤリティ マーケティングへ

ニーズ調査のやり方やコツを実践し、顧客の本音をつかんで成果につなげるには、質の高いデータと高度な分析力が求められます。しかし、自社のみで正確なターゲット層へアプローチし、深層心理まで探ることは容易ではありません。

 

ロイヤリティ マーケティングでは、1億人超のPonta会員基盤と約260万人のリサーチパネルを活用し、貴社の調査を強力にサポートします。実購買データとアンケート結果を掛け合わせることで、行動事実に裏打ちされたリアルなインサイトの発掘が可能です。

 

データに基づく確かな意思決定を目指すなら、ぜひ一度ご相談ください。

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