コラム
2023-01-20
ここまで来た!購買データを活用した最新マーケティング事例2023
【Pontaマーケティングラボ】

目次
ロイヤリティ マーケティングでは、個人情報の安全性に配慮しながら、Ponta会員の実店舗での購買データをはじめとするファクトデータを活用し、各企業のマーケティング活動を支援しています。
なかでも購買データを活用したデジタル広告の配信・分析は、ポストCookie時代に有効なマーケティング手法として注目されています。そこで、購買データとデジタル広告を連携した最新のマーケティング事例をご紹介します。
購買データとデジタル広告の連携でできること
消費者の日々の買い物の履歴である購買データを利用すれば、精度の高い広告施策を実施できます。なかでも、購買データとデジタル広告の連携は、ポストCookie時代においても「個」を捉えたマーケティングを実現する手法のひとつです。
小売業者が提供する新たな広告媒体として話題の「リテールメディア」でも、購買データが活用されています。今後、リテールメディア市場が急拡大するという予測も出ており、購買データを利用したデジタル広告の配信のニーズは高まっていくでしょう。
ロイヤリティ マーケティングでは、個人を特定できないセキュアな環境で、Ponta会員IDをLINE・Facebook/Instagram・Twitter・Google・YouTube等のメディアと連携。リアル店舗での購買データを活用したデジタル広告配信を行っています。
購買データを活用したデジタル広告配信の特長のひとつは、消費者の買い物の傾向から精度の高いターゲティングができることです。さらに、広告配信後に広告接触者の購買行動を分析することもできます。
購買データを利用したデジタル広告配信・購買測定事例
ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員の購買データを活用したデジタル広告配信および購買分析をこれまでに2000件以上実施してきました。
実際にPontaのサービスを通じて生まれた成果について、事例を3つご紹介します。
1.オーソドックスなターゲティング配信を行った、食品メーカーの広告事例
食品メーカーの購買データを利用した事例です。Pontaと連携するID-POSデータを使ってInstagramで広告を配信し、リアル店舗での購買効果を測定しました。
ここでは、以下3つの目的でターゲティング配信を行いました。
1.自社商品における、既存購買者の購買数upと休眠顧客の復活促進
2.自社商品が含まれる同一カテゴリー商品における、競合商品の購買も含めた顕在層の獲得
3.自社商品と同時購入される併売商品における、購買可能性の高い潜在層の獲得

その結果、購買データなしの配信ユーザーのROASを1とした場合、同一カテゴリー商品購入者のROASは3倍、併売カテゴリー商品購入者のROASは4倍、自社同一商品購入者のROASは10倍と、いずれも高い結果が出ています。
この事例では、過去に「自社同一商品」を買った人だけでなく、「同一カテゴリー商品」や「併売カテゴリー商品」を買った人に対しても、販売促進効果が顕著に得られることがわかりました。
2.リアル購買データから類似拡張してターゲティングした、小売業者での広告事例
リアル購買データから類似拡張を行いターゲティングすることも可能です。小売業者のID-POSを利用し、以下のセグメントに対して広告を配信しました。
1.対象小売店の半径500メートル以内のPonta提携店の利用者データから、既存利用者データを除いたカテゴリー(商圏にいるものの、対象小売店に訪れていない潜在顧客)
2.対象小売店の既存利用者データをFacebookで類似拡張し、そこから既存利用者を除いたカテゴリー

その結果、配信料金を1とした場合の各セグメントのROASはそれぞれ7倍、9倍となり、大幅な売り上げ増加につながりました。新規顧客の獲得において、既存のデータを有効活用できた事例です。
3.複合データからターゲティングした、金融サービスの広告事例
リアル購買データに加え、会員情報やアンケート情報などを掛け合わせたターゲティングも有効です。
この事例では、Ponta経済圏の購買・行動データと会員登録情報から年収600万円以上のターゲットを推定。そこからFacebookで類似拡張を行い、金融サービスの契約獲得のための広告を配信しました。

その結果、過去施策のCPA(広告配信金額÷広告経由の契約数)と比較し、わずか38%という低コストでの契約獲得につながりました。ファクトデータを中心にデータを複合的に活用することで、精度の高いターゲティングを実現できます。
購買データから見えるデジタル広告の効果
デジタル広告配信後の購買データを検証することで、個別の広告の配信結果を知るだけではなく、デジタル広告がリアル購買に与える広告効果そのものを可視化することができます。
ロイヤリティ マーケティングでは、購買データを利用して、さまざまな検証を行っています。最新の検証事例を以下にご紹介します。
1.デジタル広告がリアル購買に与える影響
SNSなどをはじめとしたデジタル広告を配信しても、実際に店舗でのリアル購買につながっているのか疑問に思ったことはありませんか?ECサイトでのオンライン購買であれば、デジタル広告の効果は容易に測定できます。一方、実店舗でのリアル購買については広告効果の判断が難しいのが実情です。
そこで、スーパー・コンビニ・飲食店・家電量販店・書店等、日常的な消費に関わる店舗横断で実施した大規模キャンペーンを対象に、YouTube等のデジタル広告がリアル購買に与える影響を検証。広告配信対象者の中から「広告非接触群」を設定し、デジタル広告配信後に広告接触群と非接触群で対象店舗での購買率にどの程度の差が生じるか分析しました。
なお、広告効果を詳細に検証するため、過去の購買履歴から顧客を「既存」「休眠」「新規」に分けて効果を比較しています。

その結果、すべてのセグメントの顧客において広告接触群が非接触群に比べて購買率が高く、デジタル広告がリアル購買において効果があると可視化されました。さらに、新規顧客の購買率は既存・休眠顧客に比べて低いものの、広告接触群の購買率は非接触群の3.49倍と大きな差が出ていることがわかります。
つまり一見すると広告効果の低い新規顧客において、広告接触によるリフト率が高いことがデータとして見えたのです。
検証内容の詳細については、デジタル広告⇒リアル購買 本当に広告効果?【Pontaマーケティングラボ vol.1】をご覧ください。
2.デジタル広告におけるユーザーインセンティブ有無での購買傾向
広告の訴求のためにインセンティブをつけるのは一般的な手法です。インセンティブがあればそれだけ広告効果が高いことは想定できます。では、デジタル広告にインセンティブをつけると、リアル購買にどの程度影響するのでしょうか?
当社で実施したデジタル広告キャンペーンの中から比較に適切な案件を抽出し、インセンティブ(Pontaポイント加算)の有り無しによって、どの程度の広告効果差があるかを検証しました。ここでは、過去の購買履歴から、百貨店・家電量販店等の高価格帯と、スーパー・飲食店・書店等の低価格帯に分けて、比較しています。

その結果、高価格帯・低価格帯ともに購買率はインセンティブがあったほうが高くなり、インセンティブの効果が可視化されました。特に高価格帯では、インセンティブをつけると購買率は11.6倍と大きくリフトしており、インセンティブがユーザーの購買行動に大きな影響を与えていると推察できます。
検証内容の詳細については、ユーザーインセンティブ有無でデジタル広告の効果はどれくらい差が出る?【Pontaマーケティングラボ vol.2】をご覧ください。
3.デジタル広告の評価指標とリアル購買の関係性
SNSをはじめとしたデジタル広告では、一般的に広告の表示単価(CPM)やクリック率(CTR)などを評価指標に用います。では、実店舗でのリアル購買を促進するためのデジタル広告において、CPMやCTRは広告効果の参考になるのでしょうか?
その疑問を解消するため、Facebook/Instagram・GDNでの広告配信後に実購買状況を分析した案件を対象に、CMPやCTRなどのデジタル広告の評価指標とリアル店舗での購買率の関連性について検証しました。
1案件1セグメントごとの「デジタル広告評価指標」×「リアル購買評価指標」を散布図にプロットしたものが下の図です。

検証の結果、CTR(広告表示のうちユーザーがクリックした割合)のみリアル購買と多少の相関が見られたものの、CPM(広告の表示単価)、CPC(クリック単価)とリアル購買の購買率には相関がないことがわかりました。

また同様に、動画再生率、SNSのエンゲージ率についても、リアル購買の購買率には相関は見られませんでした。
これらの検証内容から、デジタル広告の評価指標はリアル購買の参考にはなり難いとわかります。デジタル広告のリアル購買への効果を測るためには、購買データを用いた配信後の分析をあわせて行う必要があるといえるでしょう。
検証内容の詳細については、デジタル広告の評価指標はリアル購買の参考になる?【Pontaマーケティングラボ vol.3】をご覧ください。
購買データから見える生活者インサイト
購買データとデジタル広告をはじめとしたデータを連携することで、消費者のインサイトを見つけることも可能です。具体的な例をご紹介します。
イエナカデータ×イエソト購買で見える生活者インサイト
ロイヤリティ マーケティングでは、精度の高いマーケティングで生活者により良い体験価値を提供するため、データマーケティングのリーディングカンパニーでもある株式会社電通と協業しています。
その一環として、電通の提供するIoT家電データを活用した統合マーケティングソリューション「domus optima」に、Pontaの購買データをIDごとに連携。家の中での家電の利用データ(=イエナカデータ)と実店舗でのリアル購買データ(=イエソト購買データ)を掛け合わせることで、生活者の家の中での生活スタイルによる買い物の傾向の違いについて分析しました。

分析の結果、たとえば、エアコンの冷房機能をよく使う層ほど、ソフトドリンクの購買率が高いということがわかりました。この結果に、さらにアンケート調査の結果を掛け合わせたところ、冷房をよく使う層はリモートワークを活用している傾向にあることがわかっています。そこから浮かび上がったのが、自宅で仕事をする際にソフトドリンクをよく飲んでいるという生活者の状況です。
このように、IoT家電データと購買データを掛け合わせることで、ユーザーの生活スタイル全体をログデータとして取得できます。これは、ユーザーインサイト発掘の有効な手段と言えるでしょう。
検証内容の詳細については、イエナカデータ×イエソト購買で見える生活者インサイトとは?【Pontaマーケティングラボ vol.4】をご覧ください。
購買データを利用して効果の高いデジタル広告・分析を実現!
ロイヤリティ マーケティングのPonta Adsでは、個人情報の安全性に配慮しながら、1億を超えるPonta会員の購買データを活用した広告配信・分析を行っています。
具体的にはPonta DMPというプラットフォームと各種のメディアを連携し、個人を特定できない形でIDを掛け合わせることで、ターゲティング広告の配信や分析を実現。たとえばGoogleやFacebookのようなメガプラットフォーマーにおいても、分析専用のセキュアな環境を構築することで、広告接触データとPonta会員の購買データを掛け合わせたターゲティング配信、広告接触・購買測定が可能です。
購買データを活用したデジタル広告の配信・効果測定をご希望の方は、ぜひお問い合わせください。
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