コラム

2024-02-28

ここまで来た!購買データを活用した最新マーケティング事例2024
【Pontaマーケティングラボ】

ロイヤリティ マーケティングは、個人情報の安全性に配慮しながら、Ponta会員の実店舗での購買データをはじめとするファクトデータを活用し、各企業のマーケティング活動を支援しています。

なかでも購買データを活用したデジタル広告の配信・分析は、ポストCookie時代においても「個」を捉えられる有効なマーケティング手法として注目されています。そこで、購買データとデジタル広告を連携した最新のマーケティング事例をご紹介します。

 

購買データとデジタル広告の連携でできること

消費者の日々の買い物の履歴である購買データを活用すれば、精度の高い広告施策の実施が可能です。

小売業者が提供する新たな広告媒体として話題の「リテールメディア」でも、購買データが活用されています。今後、リテールメディア市場が急拡大するという予測も出ており、購買データを活用したデジタル広告配信のニーズは高まっていくでしょう。

ロイヤリティ マーケティングは、個人を特定できないセキュアな環境で、Ponta会員IDをLINE・Facebook/Instagram・X(旧Twitter)・Google・YouTube等のメディアと連携。リアル店舗での購買データを活用したデジタル広告配信を行っています。

購買データを活用したデジタル広告配信の特長のひとつは、消費者の買い物傾向から精度の高いターゲティングができることです。さらに、広告配信後には、広告接触者のリアル店舗での購買行動まで分析できます。

 

購買データを利用したデジタル広告配信・購買測定事例

ロイヤリティ マーケティングは、Ponta会員の購買データを活用したデジタル広告配信および購買分析をこれまでに2,000件以上実施してきました。

実際にPontaのサービスを通じて生まれた成果について、事例を3つご紹介します。

1.オーソドックスなターゲティング配信を行った、食品メーカーの広告事例

食品メーカーの購買データを利用した事例です。Pontaと連携するID-POSデータを使ってInstagramで広告を配信し、リアル店舗での購買効果を分析しました。

ここでは、以下3つの目的でターゲティング配信を行いました。
1.自社商品における、既存購買者の購買数upと休眠顧客の復活促進
2.自社商品が含まれる同一カテゴリー商品における、競合商品の購買も含めた顕在層の獲得
3.自社商品と同時購入される併売商品における、購買可能性の高い潜在層の獲得

オーソドックスなターゲティング配信を行った、食品メーカーの広告事例

その結果、購買データなしの配信ユーザーのROASを1とした場合、同一カテゴリー商品購入者のROASは3倍、併売カテゴリー商品購入者のROASは4倍、自社同一商品購入者のROASは10倍と、いずれも高い結果が出ています。

この事例では、過去に「自社同一商品」を買った人だけでなく、「同一カテゴリー商品」や「併売カテゴリー商品」を買った人に対しても、販売促進効果が顕著に得られることがわかりました。

2.リアル購買データから類似拡張してターゲティングした、小売業者での広告事例

リアル購買データから類似拡張を行いターゲティングすることも可能です。小売業者のID-POSを利用し、以下のセグメントに対して広告を配信しました。

1.対象小売店の半径500メートル以内のPonta提携店の利用者データから、既存利用者データを除いたカテゴリー(商圏にいるものの、対象小売店に訪れていない潜在顧客)

2.対象小売店の既存利用者データをFacebookで類似拡張し、そこから既存利用者を除いたカテゴリー

リアル購買データから類似拡張してターゲティングした、小売業者での広告事例

その結果、配信料金を1とした場合の各セグメントのROASはそれぞれ7倍、9倍となり、大幅な売り上げ増加につながりました。新規顧客の獲得において、既存のデータを有効活用できた事例です。

3.複合データからターゲティングした、金融サービスの広告事例

リアル購買データに加え、会員情報やアンケート情報などを掛け合わせたターゲティングも有効です。

この事例では、Ponta経済圏の購買・行動データと会員登録情報から年収600万円以上のターゲットを推定。そこからFacebookで類似拡張を行い、金融サービスの契約獲得のための広告を配信しました。

複合データからターゲティングした、金融サービスの広告事例

その結果、過去施策のCPA(広告配信金額÷広告経由の契約数)と比較し、わずか38%という低コストでの契約獲得につながりました。ファクトデータを中心にデータを複合的に活用することで、精度の高いターゲティングを実現できます。

 

購買データを活用した最新の広告配信&分析事例

ラジオ広告番組の聴取データと購買データを活用した広告効果分析

購買データと連携すれば、ラジオ広告の効果を可視化できます。

下の図は株式会社エフエム東京が保有する広告聴取データとPontaの購買データを連携し、ラジオ広告がリアル店舗での購買にどの程度つながったのかを分析したものです。具体的には、株式会社湖池屋の提供コーナー「湖池屋 歌エーール!」をradikoで聴いたリスナーが、30日以内にPonta提携店で湖池屋の商品をどの程度購入したか、購買率を比較しました。

「湖池屋 歌エーール!」聴取者の湖池屋商品の購買率

その結果、湖池屋の商品全般において番組リスナーの購買率が上昇。特に番組のヘビーリスナーの購買率が大きく伸びており、番組視聴を重ねることで購買行動が促進される、つまりラジオ広告がリアル店舗での購買に大きく寄与することがデータとして実証されました。

Amazon広告接触によるオフライン購買への波及効果分析

ロイヤリティ マーケティングは、株式会社電通との協業により、Amazon広告(Amazon Ads)とPonta購買データセットを連携した配信分析を行っています。この手法を用いることで、Amazon広告に接触したユーザーのリアル店舗での購買を分析することが可能です。

下の図は、飲料ブランドのAmazon広告を見たユーザーについて、Amazon内でのショッピング(オンライン購買)とリアル店舗での購買(オフライン購買)の状況を比較したものです。

広告接触者のオンライン(Amazon)・オフライン購買比較(拡大推計値あり)

Pontaカードの提示率とPonta提携社だけでは実計測できない販路も考慮して拡大推計すると、Amazonでのオンライン購買よりもオフライン購買の購買転換率が高くなり、デジタル広告がリアル購買へ大きく波及することがわかりました。

購買データから見えるデジタル広告の効果

デジタル広告配信後の購買データを検証することで、個別の広告の配信結果を知るだけではなく、デジタル広告がリアル購買に与える広告効果そのものを可視化することができます。ロイヤリティ マーケティングが実施した、最新の検証事例を以下にご紹介します。

1.デジタル広告がリアル購買に与える影響

SNSなどをはじめとしたデジタル広告を配信しても、ECサイトでのオンライン購買とは異なり、実店舗でのリアル購買へどの程度寄与しているのか、広告効果を判断しづらいものです。

そこで、Pontaの複数提携社横断で実施した大規模キャンペーンを対象に、YouTube等のデジタル広告がリアル購買に与える影響を検証。広告配信対象者の中から「広告非接触群」を設定し、デジタル広告配信後に広告接触群と非接触群で対象店舗での購買率にどの程度の差が生じるか分析しました。

デジタル広告がリアル購買に与える影響

その結果、広告接触群は非接触群に比べて購買率が高く、デジタル広告がリアル購買において効果があることが可視化されました。

さらに、新規顧客の購買率は既存・休眠顧客に比べて低いものの、広告接触群の購買率は非接触群の3.49倍と大きな差が出ていることがわかります。つまり一見すると広告効果の低い新規顧客において、広告接触によるリフト率が高いことがデータとして見えたのです。

2.デジタル広告におけるユーザーインセンティブ有無での購買傾向

広告の訴求のためにインセンティブをつけるのは一般的な手法です。では、デジタル広告にインセンティブをつけると、リアル購買にどの程度影響するのでしょうか?

当社で実施したデジタル広告キャンペーンの中から比較に適切な案件を抽出し、インセンティブ(Pontaポイント加算)の有り無しによって、どの程度の広告効果差があるかを検証しました。

デジタル広告におけるユーザーインセンティブ有無での購買傾向

その結果、高価格帯・低価格帯ともに購買率はインセンティブがあったほうが高くなり、インセンティブの効果が可視化されました。特に高価格帯では、インセンティブをつけると購買率は11.6倍と大きくリフトしており、インセンティブがユーザーの購買行動に大きな影響を与えていると推察できます。

3.デジタル広告の評価指標とリアル購買の関係性

SNSをはじめとしたデジタル広告では、一般的に広告の表示単価(CPM)やクリック率(CTR)、クリック単価(CPC)などを評価指標に用います。では、実店舗でのリアル購買を促進するためのデジタル広告において、CPMやCTRは効果検証の参考になるのでしょうか?

Facebook/Instagram・GDNでの広告配信後に実購買状況を分析した案件を対象に、CMPやCTRなどのデジタル広告の評価指標とリアル店舗での購買率の関連性について検証しました。

デジタル広告指標⇔リアル購買 相関分析結果

1案件1セグメントごとの「デジタル広告評価指標」×「リアル購買評価指標」を散布図にプロットしたところ、CTRのみリアル購買と多少の相関が見られたものの、CPM、CPCとリアル購買の購買率には相関がないことがわかりました。

ここから、デジタル広告の評価指標はリアル購買の参考にはなり難いとわかります。デジタル広告のリアル購買への効果を測るためには、購買データを用いた配信後の分析をあわせて行う必要があるといえるでしょう。

4.デジタル広告配信後の購買率から有効セグメントを発掘

広告配信で高い効果を得るためには、ターゲティングが重要です。では広告配信後に、より効果の高いセグメントを見つけ出すことはできないのでしょうか?

Ponta提携社横断キャンペーンにおいて、購買店舗を業種別で分けたうえで、広告配信後に配信時とは異なるセグメントで広告接触後の購買率を確認。反応の良かったユーザー像を後から見つけ出せないか検証しました。

以下は、広告接触後にリアル書店で買い物をしたユーザーについて分析したものです。

リアル書店のデジタル広告で購買効果の高かったユーザー

まず、過去に電子書籍を購買している層(電子書籍購買層)は非購買層に比べて、リアル書店での購買率が高くなっていることがわかります。またPonta会員へのアンケートデータを購買データ等で拡張したPonta ASKデータで分析したところ、語学やビジネス資格など「習い事」への興味関心が高い層はリアル書店での購買率が高いという結果が出ました。

このように、過去の購買データやアンケートデータなど、さまざまなデータを掛け合わせることで、ターゲットユーザー像を後から見つけ出せるのです。

購買データから見える生活者像

ロイヤリティ マーケティングと電通は、電通の保有するIoT家電データ(=イエナカデータ)とPontaのリアル購買データ(=イエソト購買データ)を掛け合わせることで、これまでは見えていなかった消費者の姿を深掘りしています。

イエナカデータ×イエソト購買で見える生活者インサイト

IoT家電の利用データとPontaの購買データとを掛け合わせれば、家の中でどのような生活スタイルを持つユーザーが、家の外でどのような購買活動を行っているのか、明らかにすることができます。

イエナカデータ×イエソト購買で見える生活者インサイト

分析の結果、例えばエアコンの冷房機能をよく使う層ほど、ソフトドリンクの購買率が高いということがわかりました。この結果に、さらにアンケート調査の結果を掛け合わせたところ、冷房をよく使う層はリモートワークを活用している傾向にあることがわかっています。そこから浮かび上がったのが、自宅で仕事をする際にソフトドリンクをよく飲んでいるという生活者の状況です。

このように、IoT家電データと購買データを掛け合わせることで、ユーザーの生活スタイル全体をログデータとして取得できます。

イエナカ×イエソトデータでわかるユーザーの生活習慣・感情・購買行動

イエナカデータとイエソトデータを活用することで、ユーザーの生活習慣や感情、購買行動の傾向を深掘りすることも可能です。

下の図は、家電データと購買データ、アンケートデータを掛け合わせて自動調理鍋利用者の「生活習慣」「感情・欲求」「購買・消費」を分析し、まとめたものです。

自動調理鍋利用者の顧客像

この分析から、忙しく合理的な生活習慣を持つ自動調理鍋利用者が、栄養補助食品なども活用しながら無理なく家族の健康に気遣った生活を送っている、といった顧客像が浮かび上がりました。

購買データを利用して効果の高いデジタル広告・分析を実現!

ロイヤリティ マーケティングのPonta Adsでは、個人情報の安全性に配慮しながら、1億を超えるPonta会員の購買データを活用した広告配信・分析を行っています。

Ponta Ads

具体的にはPonta DMPというプラットフォームと各種のメディアを連携し、個人を特定できない形でIDを掛け合わせることで、ターゲティング広告の配信や分析を実現。たとえばGoogleやFacebookのようなメガプラットフォーマーにおいても、分析専用のセキュアな環境を構築することで、広告接触データとPonta会員の購買データを掛け合わせたターゲティング配信、広告接触・購買測定が可能です。

購買データを活用したデジタル広告の配信・効果測定をご希望の方は、ぜひお問い合わせください。

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