コラム

2025-12-18

相関関係と因果関係の違いとは?
混同しない方法や活用事例もご紹介

正しい意思決定を行うためには、データの関係性を正確に把握し、活用することが重要です。本記事では、ビジネスで混同されやすい「相関」と「因果」の違いについて、見極め方や注意点を交えて解説します。分析の精度を高め、成果に繋げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

相関と因果の違いとは

相関と因果の違いを正しく理解するには、まずそれぞれの言葉の定義や違いを知る必要があります。ここでは相関関係と因果関係がそれぞれ何を指すのかを解説し、比較することで両者の明確な違いを明らかにします。

相関関係と因果関係の違いを比較

相関関係と因果関係は混同されがちですが、その性質には明確な違いがあります。ビジネスで正しいデータ分析を行うためには、この2つの違いを正確に理解しておきましょう。

相関関係と因果関係の違い

表の通り、2つの最も大きな違いは、原因と結果に直接的な結びつきがあるかどうかという点です。因果関係があればそこには相関関係も存在しますが、相関関係があるからといって、因果関係があるとは限りません。

この違いを正しく判定することが、データの背景にある真の要素を見つけ出し、効果的な施策につなげるための第一歩となります。

相関関係とは

相関関係とは、2つの要素の間に見られる統計的な関連性のことです。片方のデータが増加すると、もう片方のデータも連動して増加または減少する関係を指します。

重要なのは、この時点では「片方がもう片方の直接的な原因である」という因果関係の有無を問わない点です。

例えば夏の時期、「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」には、統計的に相関関係が見られます。しかし、アイスクリームを食べることが水難事故を引き起こす原因ではありません。このデータの背景には、「気温の上昇」という隠れた共通の要素が存在しています。

つまり、気温が上がることでアイスクリームが売れると同時に、海や川へ行く人が増えて水難事故も増えるのです。このように、2つの事象の間に直接の因果関係がなくても、見かけ上の関連性が見られるのが相関関係の特徴です。

因果関係とは

因果関係とは、「原因とそれによって生じる結果」という直接的なつながりを示す関係のことです。相関関係とは違い、一方の要素が原因となってもう一方の要素である結果を引き起こすという明確な結びつきが存在します。

例えば「気温の上昇」と「アイスクリームの売上」には因果関係があると言えます。これは、気温が上がるという事象が原因となり、人々が涼を求めてアイスクリームを購入するという結果を直接的にもたらすためです。

ビジネスの現場で売上が変化した際、その背景にある真の原因を特定することが求められます。そのためには、データから見られる関係性が単なる相関なのか、それとも明確な因果なのか、その違いを正しく判定する必要があります。

相関と因果の違いを理解すべき理由

相関と因果は、データ分析において頻繁に使われる言葉ですが、その意味には大きな違いがあります。ここでは、なぜ相関と因果の違いを理解すべきなのか、2つの観点から詳しく解説します。

意思決定の質が向上する

相関と因果の違いを正しく理解することは、ビジネスにおける意思決定の質を大きく向上させます。データから真の因果関係と相関関係の違いを特定できれば、課題の根本的な原因に対して直接アプローチできるようになります。

例えば、「特定の広告施策が売上増加の原因である」という因果が明確になれば、その施策にリソースを集中投下するという的確な戦略判断が可能になり、成果が生まれます。

もしこの違いを理解せず、単なる相関関係だけを見て「広告費と売上が連動している」と判断してしまうと、効果のない施策に投資し続けるという誤った意思決定につながりかねません。

正しい方法でデータの背景にある因果を見つけ出すことで、より効果的な施策を選択でき、ビジネスの成長を加速させることができるのです。

ビジネスリスクを抑えられる

相関関係と因果関係の違いを見誤って判定してしまうことは、ビジネス上の大きなリスクにつながります。データ上で2つの要素が連動しているというだけで、そこに因果があると短絡的に結論づけてしまうと、的外れな施策を行いかねません。

例えば、「顧客満足度スコア」と「サービス解約率」に相関があるというデータから、「満足度を上げれば解約は減る」という因果があると判断したとします。

もし本当の解約原因が「サポート体制への不満」だったにもかかわらず、満足度アンケートの点数が低かった機能の改修に投資してしまった場合、どうなるでしょうか。

多額のコストと時間をかけても根本原因は解決されず、顧客離れは止まりません。相関と因果の違いを理解することは、このような投資の無駄や機会損失といったリスクを抑えるために欠かせないのです。

相関と因果の違いを見極める方法

データから相関関係を見つけ出すのは比較的容易ですが、それが本当に因果関係なのか、その違いを慎重に見極める必要があります。ここでは、データの背景にある関係性を正しく理解するための具体的な分析方法を解説します。

因果関係を判定する条件を理解する

データから相関関係を見つけられても、それが因果関係であるとすぐに結論づけることはできません。相関と因果の違いを判定するには、因果関係が成立するための基本的な考え方を理解しておくことが重要です。

また、その結果を引き起こした可能性のある他の要素の影響がないことも確認する必要があります。これらの点を総合的に見て初めて、2つの要素間に因果関係がある可能性が高いと判断できます。

時間の前後関係を確認する

因果関係を判定するうえで、もっとも基本的で重要なのが時間の前後関係です。原因は必ず結果よりも先に発生するという、当たり前ですが見落としがちな原則を確認する方法です。この違いを確認するだけでも、多くの誤った因果の推測を排除できます。


確認の3ステップ

 

● 原因と疑われる事象が発生した日時を確認する

● 結果とされる事象が発生した日時を確認する

● 必ず「原因→結果」の順になっているか検証する


 

例えば、売上が伸びたデータを見て、その原因が広告施策だと考えたとします。その際、売上が伸び始めた時間よりも後に広告を配信していた場合、その広告が売上増加の原因であるという因果関係は成立しません。

データを時系列で整理し、事象の発生順序に矛盾がないかを確認することは、相関と因果の違いを正しく見極めるための基本的な方法です。

第三の要素がないか疑う

2つの要素に強い相関が見られても、その背景に隠れた別の要素が影響している可能性があります。相関と因果の違いを見極めるには、交絡因子ともいわれる「第三の要素」の存在を疑う視点が重要です。


分析時に持つべき3つの視点

 

● 2つの要素の両方に影響を与えそうな外部要因を洗い出す

● 季節や天候、市場トレンドなどの影響を考慮する

● 第三の要素を除外しても相関が残るか検証する


 

例えば、「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」には強い相関があります。しかし、この2つに直接的な因果関係はありません。両方に影響を与えているのは「気温の上昇」という第三の要素です。

このように、見かけ上の相関(疑似相関)を生み出す共通の原因がないかを探ることは、因果関係との違いを正しく判定するための重要な方法です。

ABテストで検証する

相関関係の背景にある因果関係を、より科学的に検証する方法が「ABテスト」です。このテストでは、特定の要素だけを変更したパターン(B)と、元のパターン(A)を用意し、ユーザーをランダムに分けてどちらの成果が高いかを比較します。

例えば、Webサイトのボタンの色を変える際、他のデザイン要素は変えずに、色という「1つの要素だけ」を比較します。このように、検証したい要因以外を完全に揃えることで、他の要因の影響を最小限に抑えられます。

その結果、変更した点が原因となって成果に違いが生まれたという、明確な因果関係を証明できるのです。相関の段階で立てた仮説を、実際のデータで判定するための強力な方法と言えるでしょう。

相関と因果の違いを分析する際の注意点

相関と因果の違いを正しく分析するには、よくある誤解を知っておくことが重要です。これから解説する注意点を押さえることで、データを見誤るリスクを減らし、分析の精度を高めましょう。

「疑似相関」に注意する

相関と因果の違いを分析する際、特に注意が必要なのが「疑似相関」です。これは、直接的な因果関係がない2つの要素の間に、あたかも関係があるように見えてしまう現象を指します。

ここでも、「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」を例にとって考えてみましょう。夏になるとこの2つのデータは共に増加するため、そこには強い相関関係が見られます。しかし、アイスが売れること自体は水難事故の原因ではありません。

この疑似相関の背景には、「気温の上昇」という第三の要素が存在します。気温が上がることでアイスが売れ、同時に海に行く人が増えるため水難事故も増えるのです。

このように、見せかけの相関関係と因果関係の違いに惑わされないためには、常に第三の要素が隠れていないかという視点を持つことが重要です。

逆の因果関係の可能性を疑う

相関関係が見られた2つの要素について因果関係を考える際、「逆の因果関係」の可能性を常に疑うことが重要です。これは、「Aが原因でBが起こった」と考えるだけでなく、「Bが原因でAが起こった」のではないかと視点を変えてみることです。

例えば、「顧客満足度が高い店舗は売上も高い」というデータがあったとします。この相関から「満足度が高いから売上が伸びる」という因果を考えがちです。

しかし、実際には「売上が好調で利益が出ているから、店舗改装や人材育成に投資でき、結果として満足度が上がっている」という逆の因果関係も十分に考えられます。

相関と因果の違いを正しく分析するには、因果の矢印が一方向だけでなく、逆向きの可能性もあるという多角的な視点を持つことが重要です。

隠れた因子の存在を考慮する

相関と因果の違いを分析するうえで、「疑似相関」や「逆の因果関係」と並んで常に考慮すべきなのが、「隠れた因子」の存在です。これは、分析対象の2つの要素の背景で、両方に影響を与えている原因のことを指します。

この隠れた因子を見落としてしまうと、本来は関係のない2つの事象の間に、見せかけの相関や因果があるように見えてしまいます。

例えば、「スマートフォンの利用時間」と「学力の低下」に相関が見られたとしても、その背景に「家庭環境」や「自己管理能力」といった隠れた因子が影響している可能性も考えなくてはなりません。

データ分析を行う際は、目の前の数値だけにとらわれず、常に背景にある第三の原因の存在を疑う視点を持つことが、真の因果を見つけ出すことにつながります。

【事例】因果関係と相関関係のケーススタディ

相関と因果の違いを確実に見分けるには、具体的な事例を通して学ぶことが効果的です。ビジネスにおける成功や失敗のケースなどを確認することで、実践的な方法が見えてきます。ここでは、具体的な状況下でどのように判断し、行動すべきかをケーススタディで学んでいきましょう。

【成功事例】Web広告の分析で売上を伸ばしたケース

Web広告の運用において、相関と因果の違いを明確に区別して成功した事例を紹介します。

あるECサイトでは、広告の表示回数と売上の間に強い相関が見られましたが、それが直接的な広告効果によるものかは不透明でした。そこで、広告を見たユーザーと見なかったユーザーの違いを比較する検証を行い、広告接触が購買行動に与える純粋な影響度を測定しました。

その結果、既存顧客においては広告の因果効果が薄いことが判明し、より影響を受けやすい新規顧客への配信に予算を集中させました。データの背後にある因果関係を正しく捉えることで、広告費の無駄を省きつつ、売上を最大化する成果につながりました。

【失敗事例】相関と因果を混同してしまったケース

相関と因果の違いを正しく認識せずに施策を行い、失敗してしまった事例について解説します。

ある小売チェーンでは、割引クーポンの利用枚数と当日の売上高に正の相関があることを発見しました。担当者はこれを因果関係と捉え、クーポンを大量配布すれば売上が伸びると判断し、大規模なキャンペーンを実施します。

しかし、実際には「来店意欲の高い顧客がついでにクーポンを利用していた」だけであり、クーポンが来店を促したわけではありませんでした。結果として、本来定価で購入してくれるはずの層にまで安売りをしてしまい、利益率を大きく悪化させる事態を招きました。

このケースは、データ上のつながりだけで判断を下すことの危険性を示しています。

【身近な事例】日常生活に潜む相関と因果の関係

身近な話題として、「朝食を毎日食べる子どもは学力が高い」というデータがよく取り上げられます。

これを聞くと、朝食が直接的に成績を押し上げているような因果関係を想像しがちです。しかし実際には、規則正しい生活習慣や家庭の教育環境といった別の要素が、朝食の摂取と学力の両方に影響している可能性が高いと考えられます。

単に食事を与えるだけでは成績が向上するとは限らず、相関と因果の違いを冷静に見極める視点が求められます。表面的な情報に惑わされず、背景にある本当の要因を考えることが大切です。

相関から真の因果を見抜き顧客との関係を深めるならロイヤリティ マーケティングへ

相関関係と因果関係の違いを正しく見極めることは、的確な意思決定を行ううえで重要です。しかし、自社で保有するデータだけでは真の要因を特定しきれず、分析に限界を感じるケースも少なくありません。

ロイヤリティ マーケティングでは、1億人超のPonta会員基盤から得られる実利用データや属性データを活用し、貴社のマーケティングを支援します。

約260万人のリサーチ会員への調査結果と実際の購買データを掛け合わせることで、精度の高い仮説検証や顧客インサイトの発見が可能です。データに基づいた顧客理解を深め、効果的なアクションにつなげたいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

コラム記事一覧

お気軽にお問い合わせください

詳しくお知りになりたい方は
お問い合わせ