コラム

2025-11-13

リテールデータを活用したデジタル広告のターゲティングでリアル店舗の購買率はどう変わる?
【Pontaマーケティングラボ vol.13】

ロイヤリティ マーケティングは、Ponta会員にひも付くファクトデータを、個人を特定しない形で活用し、各企業のマーケティング活動を支援しています。プロモーション施策において特にニーズが高いのが、リアル店舗のリテールデータ(オフライン購買データ)です。そこで、Pontaのリテールデータを活用したデジタル広告の配信・分析の例をご紹介します。

リアル店舗のリテールデータ(購買データ)を活用する意義

企業と消費者の接点は、リアル店舗やデジタルチャネルなど多様化・複層化しており、オフラインとオンラインを横断した統合的なマーケティング戦略が求められています。その中でも近年注目されているのが、購買データ(リテールデータ)の活用です。企業は「実際に何が売れたか」「どんな人が購入したか」を把握することで、より効果的なマーケティング施策を展開しています。

ECサイトでは、購買履歴から嗜好に合った商品をレコメンドしたり、再購入を促すキャンペーンを行ったりと、データ活用が比較的進んでいます。一方で、リアル店舗のリテールデータ活用はまだ限定的です。

日本国内のEC市場は拡大を続けていますが、2024年のBtoC物販分野のEC化率は9.78%にとどまり、依然として購買の約9割はリアル店舗で行われています(※1)。そのため、消費者の購買行動を正確に捉えるには、リアル店舗の購買データ(オフラインデータ)活用が不可欠です。

リアル店舗での購買履歴や行動データを分析することで、消費者のニーズや購買傾向を把握し、より精度の高いターゲティング広告が可能になります。さらに、広告接触者の購買行動をもとに効果を検証することで、ターゲティング精度の向上やROI最大化にもつなげることができます。

Pontaデータによるマーケティング支援

Ponta IDを基軸としたPonta DMPには、提携企業で利用される1億ID超のデータが、広告やマーケティングに活用できる形式で日々リアルタイムに蓄積されています。コンビニエンスストア・ドラッグストア・スーパーマーケットなどのオフライン購買データをはじめ、消費行動・アンケート回答から推計したライフスタイルデータ、性年代などの基本属性、位置情報、WEB閲覧履歴など、多様なデータが1つのIDに連携されているのです。

Ponta DMP

リテールデータの広告活用においては、データソースの量も重要です。Pontaでは、約30万店舗におよぶ多様な企業から、「いつ・どこで・いくら買った」というリアルな購買データを取得しており、これらがPonta IDをキーに統合管理されています。個人を特定しない形で、1つのIDにひも付いたリテールデータを活用することで、ターゲティングや配信精度を担保しているのです。

Ponta DMPはさまざまなメディアと接続。Ponta自社メディア内での活用にとどまらず、主要SNSやメガプラットフォーマーや各種DSPとも連携しており、より範囲の広いデジタル広告配信を可能にしています。(Ponta Ads)

ロイヤリティ マーケティングは、Ponta IDに連携された膨大なデータをもとに分析・プランニングを行い、ターゲットを抽出することで、オンライン・オフライン双方における施策効果の可視化を実現。「Ponta DMP」内で分析、プランニング、ターゲティング、広告配信、効果検証までを一気通貫で行えることが、Pontaデータマーケティングの特長です。

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Pontaのリテールデータを活用した広告配信と効果分析の事例

飲料メーカーの商品Aのプロモーションにおいて、Pontaデータを活用してデジタル広告(Instagram広告・TVer広告)のターゲティング配信を行い、広告効果を検証した事例をご紹介します。

リテールデータを活用してターゲティング

Ponta会員の過去1年間の購買履歴を活用し、3つのセグメントを作成。それぞれのセグメントに対し、InstagramおよびTVerでインストリーム動画広告を配信しました。

施策内容および配信セグメント

ロイヤリティ マーケティングは、提携するコンビニエンスストア・ドラッグストア・スーパーマーケットなどのID-POSを活用することで、レシート単位で購買を把握しています。そのため、特定商品の過去購入者、同一カテゴリー商品購入者を特定してターゲティングすることが可能です。また購買予測スコア「AItem∞(アイテムインフィニティ)」 を活用することで、購買実績のない人に対してのターゲティングも実現しました。

各セグメントの広告効果をリテールデータで検証

これら3つのセグメントに動画広告を配信し、配信期間中および配信後における広告接触者・非接触者のリアル購買実績を比較した結果は以下の通りです。

各セグメントの購買率

全てのセグメントで飲料Aの購買率は、広告非接触群より接触群の方が高い傾向を示しました。購買率は「休眠層」が最も高く、購買率の上昇は「同一カテゴリー層」が1.7倍と最も高くなっています。なお、「同一カテゴリー層」と「購買予測スコア上位層」は「休眠層」よりも購買率は低いものの、ターゲットの母数が多く、購買件数は多いという結果となりました。

上記の結果のように、デジタル広告のターゲティングにおいて、リアル店舗のリテールデータの活用は明確に有効です。

 

リテールデータを活用した購買予測スコア

デジタル広告のターゲティング配信においてリアル店舗でのリテールデータを活用する際、課題となるのがデータボリュームです。対象商品の購買履歴が十分に蓄積されていれば、ターゲットボリュームも確保できます。しかし新商品やターゲットが限定されている商品においては、十分なターゲティングボリュームが確保できない場合も少なくありません。また新規顧客を獲得したい場合は、その商品の購買履歴だけではターゲットを見つけられません。

そこでロイヤリティ マーケティングで活用しているのが、購買予測スコア「AItem∞(アイテムインフィニティ)」です。対象商品の既存購買者データをAIが学習し、約1.2億人のPonta会員全てにスコアリングを行います。既存購買者に近い属性や購買行動を持つほどスコアが高くなります。

Pontaのリアル購買データを活用した購買予測モデル

「AItem∞(アイテムインフィニティ)」はAIによる拡大推計でありながら、実際の購買データを基にしているため予測精度が高いのが特長です。大規模な会員基盤に対してスコアリングを行うことで、広告配信時に「量」と「質」の両立を実現できます。

購買予測スコアと食品Xの購買率

上記は、「AItem∞(アイテムインフィニティ)」を活用し、食品Xの過去の購買者のデータから潜在顧客を推計し、実際の購買状況を検証したものです。3カ月後に食品Xを購買したかを確認したところ、スコアが高い会員ほど購買率も高くなることが確認できました。

このように購買予測スコアを活用すれば、潜在顧客を見つけ、ターゲティングすることが可能です。

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リテールデータを活用できるプロモーション「Ponta Ads」

ロイヤリティ マーケティングのPonta Adsでは、個人を特定しない形で、1億を超えるPonta会員のリテールデータを活用した広告配信・分析を行っています。例えばLINE、Facebook/Instagram、Googleのようなメガプラットフォーマーにおいても、分析専用のセキュアな環境を構築することで、広告接触データとPonta会員のリテールデータを掛け合わせたターゲティング配信、広告接触・購買測定が可能です。

Ponta Adsにご興味のある方は、ぜひ詳細資料をダウンロードしてください。


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