コラム

2024-06-04

アンケートの集計方法は何がある?結果のまとめ方や分析方法も解説

アンケートを実施する際は内容だけでなく、正しい集計方法を把握することも重要です。誤った方法で集計すると適切に分析できず、その後の意思決定に悪影響を及ぼしかねません。本記事でアンケートの手順や集計方法について理解を深め、精度の高いアンケートの実施に役立てましょう。

アンケートの集計とは

アンケート集計とは、アンケートの回答を質問項目ごとに計算し、回答数全体に対してどのような回答がどのくらいの割合で含まれているのかを知ることを指します。

 

では、アンケート集計は何を目的に行われ、なぜ企業のマーケティング活動等で重視されるのでしょうか。

アンケート集計の主な目的

アンケート集計の目的は、現状を正確に把握することです。 アンケート調査を行うと、購入者の年齢層や購入理由、満足度などマーケティング施策の裏付けとなるさまざまデータを得られます。客観的データを集めて整理しまとめることで、全体像を把握することにつながるでしょう。

 

ここで注意したいのが、「アンケート集計」と「アンケート分析」の目的を区別することです。分析の目的はビジネスにおいてよりよい意思決定を行うことであり、集計の目的はあくまで現状を理解することに留まります。

 

したがって、何らかの知見を得るためにデータの因果関係を探るのは「分析」の役割であり、集計の役割には含まれません。集計しているつもりが実は分析だったということもあるため、注意しましょう。

アンケート集計の重要性

アンケート集計をマーケティング活動全体の中のひとつとして考えると、集計作業は「結果を分析して意思決定に役立てるための手段」として重要です。

 

アンケートをただ集計するだけでは無意味で、集計・分析を通じて得られる示唆にこそ価値があります。例えば、アンケート結果を集計して現状把握できても、何のための現状把握なのか目的が決まっておらず、データが活用されなければアンケートの意味がないのです。

 

だからといって、集計は分析に比べて重要度が低いというわけではありません。アンケートの集計が適切に行われなければ、誤ったデータを使って分析してしまい、意思決定に悪影響を及ぼすこともあります。つまり、集計はアンケートの一連の流れの中で重要な役割を担っているのです。

アンケート作成から分析までの手順

アンケートの集計について理解を深めるためには、集計そのものだけでなく、集計前の準備から集計後の分析まで一連の流れを把握する必要があります。

①アンケートの実施目的を明確にする

まずは、何のためにアンケートをとるのかをはっきりさせることが大切です。アンケートの実施目的は企業によってさまざまで、目的によって集計方法や設問内容が異なります。目的が明確になっていない状態でアンケートを実施すると、適切な設問を設定できないこともあるでしょう。

②アンケートの実施方法を決める

目的が明確になったら、アンケートの内容を検討し、実施方法を決めましょう。アンケートには選択回答や自由回答などさまざまな形式がありますので、目的を果たすためにどのような設問をどのように実施したらよいのかを吟味する必要があります。

③アンケートを作成・実施する

アンケートを作成する際は、回答者のことを考えた工夫を施しましょう。回答者が短時間で回答できるようにアンケートの設問の数を絞ったり、設問を時系列に並べてわかりやすくしたりするといった工夫です。

 

工夫を施したアンケートが作成できたら、いよいよアンケートを実施します。

④回答を回収して結果をまとめる

アンケート実施後は回収した回答を集計し、結果をまとめます。自由回答形式の場合は書き方が人によって異なるため、結果として使えるようにするためには体裁を整える必要があります。

 

アンケートの結果はグラフにまとめるなどして、分析しやすい見た目に調整するとよいでしょう。

⑤結果を分析する

集計してデータが抽出されたら、結果を分析して意思決定に役立てます。下記のようにさまざまな分析方法がありますので、事前にそれぞれの特徴を確認し、アンケート実施の目的に適した方法を選びましょう。


アンケートの分析方法の例

  • ・クラスター分析
  • ・アソシエーション分析
  • ・決定木分析
  • ・主成分分析

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アンケートの主な集計方法

アンケートの集計方法を大きく分けると、以下の3つに分類されます。

Excelなどの表計算ソフトを利用する

Excelなどの表計算ソフトを使った集計は、アンケート集計の基本となる方法です。既に通常の業務で表計算ソフトを利用している場合、大きなコストをかけずに集計できます。 また、関数やピポットテーブルなど集計に便利な機能を活用できるのもメリットです。

アンケート集計ソフトを活用する

アンケート集計は、専用ソフトを使う方法もあります。ソフトによって機能に違いがありますが、基本的には回答の自動集計や結果のグラフ作成などが可能です。関数の知識がなくても簡単に操作でき、手作業でのミスを減らせるメリットもあります。

データリサーチのプロに依頼する

アンケート調査を含むマーケティング施策について相談したいときは、専門家に依頼するという方法もあります。Excelや集計ソフトを使えば基本的な集計はできますが、より効果的なマーケティング活動を目的とした企画や分析には専門性の高い知識が欠かせません。

アンケート集計をプロに依頼するメリット

調査のノウハウを有するプロに依頼することで、アンケート作成から集計までが効率化され、迅速かつ正確に調査・分析を進められます。また、有効回答者を独自に抱えている会社の場合、大規模なアンケートを実施できるのもメリットです。

 

共通ポイントサービスPontaを運営する弊社は、約220万人のPontaリサーチ会員(※)を保有しています。一度に複数のアンケートが届くことが少ないため、精度の高いアンケートの実施とスムーズな調査設計が可能です。リサーチに関する詳細は以下をご覧ください。

Pontaリサーチ | 株式会社 ロイヤリティ マーケティング

※Pontaリサーチ会員とは、アンケートに回答してPontaポイントがもらえる「Pontaリサーチ」にご登録いただいている会員のことです。

表計算ソフトを使ったアンケートの集計方法

表計算ソフトを使用した集計方法は下記の3種類です。

単純集計

単純集計とは、アンケートの設問ごとに回答数や割合を集計する方法です。例えば、「サービスAに関心がありますか」という質問をした場合、単純集計では次のようにまとめます。

 

表計算ソフトのCOUNTIF関数を使って初心者でも簡単に集計できることや、全体像を把握しやすいことがメリットです。一方で、全体的な傾向しかつかめないのがデメリットで、年代別や地域別といった細かな傾向を把握するのには適していません。

クロス集計

クロス集計とは、アンケート結果を2つ以上の設問項目で掛け合わせて比較する集計方法です。例えば、「商品Aにどれくらい満足していますか」という設問において年代・性別・回答で掛け合わせて集計すると、次のような表を作成できます。

集計手順は簡単で、単純集計の後にExcelのピボットテーブルなどを用いて「男女別」「年代別」といったグループ分けをすると集計可能です。また、集計結果はグラフで表現されるため、データの傾向をひと目で把握できるメリットもあります。

 

デメリットは、集計の仕方によって意味のないデータに陥る可能性があることです。例えば「男女別」「年齢別」「年収別」など、どんどん分類項目を増やして細分化しすぎると、1項目あたりの人数が少なくなりすぎる場合があります。グラフの作り方も複雑になり、可視化も困難です。

自由記述

アンケートが自由記述の場合、数値回答と文章での回答では集計方法が変わります。

回答が数値データの場合

まず回答が数値データのときは、表計算ソフトで平均値・中央値・最小値・最大値をそれぞれ求めましょう。いずれか1つにすると、偏ったデータで分析してしまう恐れがあるためです。

 

例えば下記のように最大値と最小値に大きな差があると、平均値と中央値にかなりの差が生まれることがあります。回答のばらつきが大きい状態で平均値だけ出して分析すると見立てを誤ってしまうため、自由記述の集計には複数の値を求めてさまざまな角度から数値を把握しましょう。

回答が文章の場合

続いて回答が文章の場合、方法の1つとして挙げられるのが「アフターコーディング」です。回答の内容やキーワードをカテゴリーごとに仕分けし、定量的にまとめて集計を容易にします。

 

例えば飲食店が顧客満足度に関するアンケートをとった場合、そのままの状態では数値的な判断ができません。しかし、「綺麗、キレイ→清潔」「うまい、おいしい、やみつき→美味しい」など、共通項目でまとめることで数値として可視化できます。

 

集計したアンケート結果のまとめ方

集計したデータは視覚的に把握しやすいようにグラフ化されますが、グラフにはさまざまなタイプがあり、それぞれに特徴があります。

円グラフ

円グラフは全体を100%とし、集計結果の構成比を示すグラフです。選択肢から1つ選んで回答するアンケートに向いており、項目ごとの比率を視覚的に把握しやすいメリットがあります。

 

一方で、質問項目が多いとグラフの数が多くなり、データを比較しにくい点がデメリットです。

棒グラフ

棒グラフは、データの大小を棒の高さで示すグラフです。全体を100%とするわけではないため、複数回答のアンケート集計に向いています。データの大小を比較するときには便利ですが、データの推移を知りたいときは棒グラフよりも折れ線グラフの方が最適です。

折れ線グラフ

折れ線グラフは数字を線で結んだグラフのことで、データの変化を示します。伸び率を視覚的にわかりやすく示せるため、時系列ごとの推移を把握するときに便利です。ただし、各データが似たような数値ばかりの場合、折れ線が重なって視認性が低くなる可能性があるため注意しましょう。

散布図

散布図は、2つのデータの相関関係を確認するグラフです。例えば顧客満足度に関するアンケートにおいて、価格と満足度が比例するかを調べるときなどに使われます。あくまで2つのデータの相関関係を調べるものであり、因果関係(一方が原因でもう一方が起こること)を示すわけではありません。

レーダーチャート

レーダーチャートは複数の項目を一見して比較するための、不規則な多角形のグラフです。データの大小やバランスが可視化され、アンケートで得たデータの傾向をつかむのに役立ちます。ただし、尺度の異なるデータをそのまま使うといびつな形になり、傾向を把握するのが困難になる点がデメリットです。

アンケートを集計するときのポイント

最後にアンケート集計時の4つのポイントを紹介します。ポイントを押さえて、過不足なくアンケートを集計しましょう。

回答データの保存シートと集計用のシートを分ける

Excelなどの表計算ソフトで集計する場合、アンケート回答のシートを保存用と集計用に分けると、同一シートにするよりも結果が見やすくなります。また、保存用と集計用のシートを別にすることで、管理が楽になるのもメリットです。

 

支社や店舗ごとにアンケートを実施するときは、支社・店舗ごとにシートを分けましょう。いずれかの店舗のアンケート結果の入力にミスがあった場合、店舗ごとに分かれているとデータを探しやすくなります。

集計前に回答漏れをチェックする

アンケートの回答の漏れがあると、回答者の意見が集計に反映されず、マーケティング施策の方向性が変わってしまう可能性があります。チェックリストを用意し、アンケートの集計前に回答漏れがないか確認しましょう。

 

webでアンケート集計を行う場合は、必ず答えて欲しい設問は必須回答に設定することがおすすめです。

集計単位に注意する

数値で回答するアンケート作成するとき、単位の設定に注意しましょう。回答者の混乱を招く回答形式にすると単位が揃わず、集計が困難になるためです。

 

例えば「1ヶ月の食費」を数値で答えてもらうアンケートにおいて、回答者の手間を省くために回答欄の後に「◯◯千円」とつけることがあるでしょう。この場合「30000円」と答えるときは「30」と入力すべきですが、勘違いして「30000」と入力する回答者もいます。

 

入力ミスを防ぐためには、「※千円単位で回答(例えば30000円の場合は30)」などと注釈を入れ、誤解を与えない工夫が必要です。

集計後にデータクレンジングを行う

データクレンジングとは、不正確なデータを発見して修正する作業のことです。入力ミスなどで不完全なデータが含まれていると集計に反映されず、正確に分析ができない可能性があります。そこで、集計前にデータクレンジングすることでデータの品質を向上させる必要があるのです。

精度の高いアンケートを実施するならPontaを運営するロイヤリティ マーケティングへ

効果的なマーケティング活動を実現するためには、目的に合致したアンケートを準備して適切に集計し、結果を分析して示唆を得るという一連の流れが必要です。弊社は約220万人に紐づいた購買データを分析に活用することで、より精度の高いアンケートの実施をサポートしています。

 

リサーチだけでなく、分析結果に基づくプロモーションの実行まで支援いたしますので、アンケートの実施や結果活用にお困りの方はお気軽にご相談ください。

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