コラム

2023-07-04

「データ活用」とは?ビジネスデータの種類やメリット、身近な成功事例をご紹介

情報技術の発達により、ビジネスシーンにおいて重要性が高まっているのがデータ活用です。本記事では、データ活用の基本情報から活用のメリット、データ活用を取り巻く課題、身近な成功事例などを詳しく解説します。効率的なデータ活用を目指す方は、ぜひ参考になさってください。

データ活用とは?

データ活用とは、企業に蓄積されたデータをビジネスに役立てることです。社内にある財務や業務に関するデータ、社外にある行政のデータや調査機関によるデータなどを集め、事業の発展や業務改善に役立てます。まずは理解を深めるために、似た言葉や関連用語を押さえましょう。

データ分析とデータ活用の違いとは?

データ分析とデータ活用の違いは、その目的にあります。データ活用の目的とはデータをビジネスに役立てることですが、データ分析の目的とはデータから規則性や関係性などの情報を得ることです。つまり、データ分析で得た知識をビジネスにいかすのがデータ活用であると言えます。


データ分析とデータ活用の例

● データ分析の例…抽出したデータを加工してグラフにする、分析ツールを使ってデータから異なる事象同士の関連性を見つける

● データ活用の例…分析結果に基づいて戦略を決める、分析と活用のPDCAサイクルを繰り返す


 

押さえておきたいデータ活用の関連用語

データ活用について調べたり社内で実施したりするようになると、以下のような言葉を目にすることがあります。ここで関連用語をチェックして予め理解しておくと、データ活用に関わる際に便利です。

ビッグデータ

企業はさまざまな情報を使ってデータ活用をしており、昨今、活用が進んでいるのがビッグデータです。膨大で多種多様なデータを分析して企業のさまざまな活動にいかすと、業務効率化や新しいビジネスモデルの創出、客観的データに基づいた経営判断などが可能になります。

 

ビッグデータに関してはこちらの記事で解説していきますので、詳しく知りたい方は参考にしてみましょう。

 

ビッグデータとは?今更聞けない基本から身近な例を用いた活用メリットを解説

データドリブン

データドリブンとは、企業が勘や経験に頼らず、ビッグデータの解析を利用して意思決定することです。データ活用と似た言葉ですが、データ活用の分析対象は幅広いのに対し、データドリブンの対象データは基本的にビッグデータであるところなどが異なります。

 

【データドリブンとは?】基本的な意味から活用方法まで実現に向けた知識を詳しく紹介

IoT(アイオーティー)

IoTとは、Internet of Things(モノのインターネット)の略称で、モノがインターネットにつながって情報交換する技術のことです。モノの遠隔操作や位置把握などが実現し、データを集めると分析に使えるため、データ活用にとって重要性の高い技術と言えます。

データ活用に使われるデータの種類

データ活用で使用されるデータの種類は、社内で使われるタイプと企業の外(世の中)で使われるタイプの2つに分けられます。効果的なデータ活用を狙うなら、どちらか一方ではなく両方が必要です。

社内で使われるビジネスデータの種類

社内には、顧客や売上などに関するさまざまなデータがあります。それらを収集して企業活動に役立てることは、どの業界にも必要なことです。総務省のデータ利活用に関する調査によると、企業が利用するデータの割合はどの業界でも約7〜8割前後が社内データとなっています。

総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状

総務省(2020)「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」


マーケティングでよく使われるビジネスデータの種類

● 顧客データ

● 広告データ

● アンケートデータ


 


営業でよく使われるビジネスデータの種類

● 売上データ

● 顧客データ

● 商談データ


 

世の中で使われるその他のデータの種類

企業の外にあるデータは外部データとも呼ばれ、政府の統計や地図情報、気象情報などさまざまです。外部データは社内データだけでは得られない内容を含んでおり、組み合わせて活用することで新しい価値が生まれます。例えば、過去の売上と気象情報を組み合わせると需要予測も可能です。


世の中で使われるデータの種類の例

● オープンデータ(誰でも自由に利用できるデータのこと)

● 地図データ

● 気象データ

● SNSデータ


 

データ活用のメリット

近年、データ活用の重要性が高まっており、多くの企業が直面している人材不足や生産性ダウンなどの課題を解決する手段の1つだと言われています。その理由は、データ活用ならではのメリットがあるからです。ここでは、データ活用の3つのメリットについて詳しく紹介しましょう。

メリット①正確に現状把握できる

データ活用の大きなメリットは、正確に現状把握できることです。データ活用しなくとも現状把握は可能ですが、主観的な判断に陥り、現状把握し終わるまでに時間がかかる可能性があります。データ活用で課題が可視化されると、客観的事実に基づいて対策に乗り出せるのです。

メリット②意思決定がスピーディーに進む

データ活用によって、ビジネス上の意思決定がスピーディーになるのもメリットです。担当者の主観よりも、客観的事実に基づいて現状把握や問題解決を進める方法のほうが、根拠が可視化されて判断が素早くなります。チームでも情報共有しやすく、共通認識が作れるのもポイントです。

メリット③新たなビジネスチャンスにつながる

データ活用で、新しいビジネスチャンスにつながる可能性があります。客観的データを基にした現状把握によって、従来の方法では気付かなかったデータのパターンや関連性の発見も可能です。そこから顧客ニーズや新しい知識を獲得すると、ビジネスのヒントになることもあります。

データ活用を取り巻く課題

企業において重要性の高まっているデータ活用ですが、現実では大きな課題が残っています。ここでは、特に知っておきたい3つの課題について紹介します。

課題①プライバシー侵害の可能性がある

企業が扱うデータには個人情報が含まれている場合もあり、扱い方によっては個人が特定されてプライバシー侵害になる可能性があります。特定されない形式でデータを保存・管理するなど、万全のセキュリティ対策が必要です。

課題②データを扱える人材が不足している

データ活用に欠かせない分析作業には専門性が必要であり、人材確保にはコストや手間がかかるため、日本国内では人材不足気味です。総務省の「令和2年 情報通信白書」によると、データ分析専門でない人が担当する割合は全体で47.3%、中小企業では50.6%にも上っています。

総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状

課題③データ活用自体が目的化している

データ活用の重要性が叫ばれるようにはなりましたが、人材確保やセキュリティ対策の難しさから分析で手一杯になり、データ活用自体が目的化するケースもあります。例えば「データ活用人材を◯人育成する」「クラウド型のデータ基盤を作る」は手段であって、目的ではありません。

【業種別】データ活用の身近な成功事例

データ活用にはメリットも課題もあることがわかりましたが、実際はどのように活用されているのでしょうか。身近な成功例を業種別に紹介していきましょう。

銀行でのデータ活用事例

信頼関係で成り立つ銀行はデータの重要性が高く、早くからデータ活用が進められてきました。その結果、リアルタイムでの株式市場の把握や顧客ニーズに合った商品提案、融資審査時の返済滞納リスク把握、AIによる銀行業務効率化など、さまざまなことを実現しています。

製造業でのデータ活用事例

製造業ではIoTによるデータ活用が進んでおり、集積されたデータを活用して生産力向上や業務効率化が進んでいます。例えば工場内の稼働状況を一元化して可視化すると生産性アップにつながり、不良品の発生率の解析によってエラーを予測するとコスト削減や業務効率化が可能です。

小売業界でのデータ活用事例

小売業では在庫をデータを元にした需要に基づいて管理することに活用されており、過去の売り上げや顧客情報、その他の販売につながる要素をデータとして管理しています。

それらのデータを元に在庫の保有量や販売量を計画することが可能です。管理する在庫が増えることや不動在庫を抱えるリスクを低減することにデータが活用されています。

【職種別】データ活用の身近な事例

データ活用は客観的な意思決定に欠かせないことから経営判断に活用され、あらゆるビジネスシーンで利用されています。ここでは職種別のデータ活用事例をチェックしていきます。

営業におけるデータ活用事例

顧客データを使って年齢や性別、住居などの属性を分類すれば顧客のニーズがわかり、新規顧客獲得に向けた効果的なアプローチが可能です。また、商談データを活用すると、成功事例と失敗事例の両方から現在の改善策がわかることもあり、実際に業績を大きく伸ばす企業もあります。

マーケティングにおけるデータ活用事例

例えばECサイトでは、購買履歴や閲覧履歴などから行動パターンを予測し、ユーザーの嗜好に合わせた広告表示やおすすめ商品の表示が可能です。また、過去の気象データと売上データを集めて分析すると、季節ごとの需要が予測でき、最適なタイミングでアプローチを開始できます。

人事におけるデータ活用事例

人員や労働状況に関するデータを分析すると人事管理の品質向上につながり、離職率の改善に役立つことがあります。また、業務データや各部署の売上データを分析すると、今後の採用や現在在籍する社員の人材育成について検討する際に便利です。

データ活用を実行する際のポイント

最後に、社内でデータ活用する際のポイントをチェックしておきましょう。データを実際に活用する際は知っておくべき事柄が数多くあります。ここでは特に押さえたいポイントを4つに絞っています。

ポイント①活用可能なデータを把握する

データ収集や分析などの具体的な行動を起こす前に、まずは利用できるデータにはどのようなものがあるかを知っておきましょう。また、データの存在を知るだけでなく、それらが具体的にどのように活用されるかを把握することも必要です。


例:POSデータを理解する

● POSデータとは?…販売実績データのこと

● POSデータからわかること…何が・いつ・いくらで売れたかなど

● POSデータの活用場面…売れ筋商品の把握、在庫の最適化、マーケティング施策の立案など


 

企業がよく活用するデータを把握する方法

企業が具体的にどのようなデータを使ってデータ活用しているかを知りたい場合は、総務省の「令和2年 情報通信白書」をチェックしてみましょう。2020年時点と5年前の比較グラフもあり、さまざまな種類のデータ活用の割合が増えていることがわかります。

総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状

ポイント②データ活用できる領域を知る

どの分野でもデータ活用は可能ですが、活用しやすい領域は業種や企業によって異なり、それを知ることで自社に合う方法で活用できます。例えば先述した総務省の情報通信白書によると、データ活用の割合が多い領域は、大企業で商材の企画開発、中小企業は経営企画・組織改革です。

総務省|令和2年版 情報通信白書|日本企業におけるデータ活用の現状

ポイント③目的に応じてデータを選ぶ

データ分析の前にデータの収集や整理が必要となりますが、社内や外部にあるデータは膨大なため、むやみにデータ収集しても非効率です。データ活用の目的を決め、それに合ったデータを選択しましょう。目的に合ったデータの選び方として、以下に例を挙げます。


業務効率化が目的の場合に集めるデータの例

● 業務データ

● 人事データ

● 同業他社の事例やデータ


 


売上向上が目的の場合に集めるデータの例

● 売上データ

● 広告データ

● 顧客データ

● 競合他社の類似商材のデータ


 

ポイント④データ分析できる人材を確保する

データ活用するにはデータ分析が必要で、そのためには分析のための知識やスキルを持った人材が必要です。しかし、データ活用の課題で解説したように、日本ではデータ分析できる人材が不足しています。社内での確保が難しい場合は、外部委託や分析ツールの導入を検討しましょう。

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データ活用の重要性はさらなる加速が予測されます。弊社のサービスであれば、社内データとPontaビッグデータを掛け合わせて分析を実施し、新たな価値を生み出すことが可能です。

データ活用の重要性はわかっていても運用が難しいと考えていると課題感をお持ちの方はぜひ、一度お問い合わせください。

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