コラム

2023-07-05

ビッグデータとは?今更聞けない基本から身近な例を用いた活用メリットを解説

昨今、ビジネスシーンだけでなく日常生活でも「ビッグデータ」が注目されていますが、そもそもビッグデータとはどのようなものなのでしょうか。本記事では、ビッグデータの基本を理解したい方に向けて、定義や構成要素、活用メリットに加え、イメージしやすい身近な例も紹介します。

ビッグデータとは?

ビッグデータとは、端的に言うと人間が全てを把握することが難しい巨大で多様なデータのことですが、実は明確な定義が決まっておらず、さまざまな解釈の仕方があります。そこでビッグデータの特徴や構成要素などをもとに、具体的にどのようなものなのかをイメージしてみましょう。

ビッグデータを構成する3種類のデータとは

ビッグデータは、表形式から成るExcelなどの「構造化データ」。データに規則性はあるが、表形式ではないXMLなどの「半構造化データ」。規則性がなく、表形式に変換できない音声などの「非構造化データ」の3種類で構成されます。構成要素の多くは非構造化データと半構造化データです。


3種類のデータの例

● 構造化データ…ExcelやCSVなど

● 半構造化データ…JSON、XMLなど

● 非構造化データ…テキスト、画像、音声、動画、センサーログなど


 

ビッグデータを特徴づける5つのVとは

かつては、米国IT調査会社ガートナー社による3V、Volume(量)・Velocity(速さ)・Variety(多様性)が、ビッグデータの特徴とされていました。近年は、Veracity(正確性)・Value(価値)を加えた5Vがビッグデータの特徴と言われています。


ビッグデータの5V

● Volume(データの量)…膨大な容量があり、数テラバイト〜数ペタバイトになることもある

● Velocity(速さ)…リアルタイムでの収集や蓄積が求められる

● Variety(多様性)…データ内容はJSON、テキスト、音声、動画、位置情報などさまざま

● Value(価値)…データの活用により、課題を解決し経済的価値をもたらすことが必要

● Veracity(正確性)…量が多いと虚偽の内容も紛れ込むことから信憑性が求められる


 

総務省が発表したビッグデータの構成要素とは

総務省は『平成24年版 情報通信白書』の中で「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」というビッグデータの定義を紹介しました。『平成29年版 情報通信白書』の中でビッグデータの構成要素を以下の4つに分けています。

ビッグデータが普及した背景

国勢調査などの大量のデータはコンピュータ普及以前から世界に存在していましたが、IT技術の発展で蓄積される大量のデータをビッグデータと定義するなら、本格的に普及し始めたのは2000年以降です。では、ビッグデータ普及の具体的な背景や要因は何なのでしょうか。

情報爆発

ビッグデータが浸透してきた背景には、インターネットやSNSの普及が要因となった情報爆発が挙げられます。膨大なデジタルデータが常に発生して日々やりとりされるようになり、インターネットやSNSを通して集まるビッグデータは世界的に膨大な量となっているのです。

コンピュータの高速化・高度化

情報爆発に伴い、それらを処理するマシンスペックの機能が高速で高度になったこともビッグデータ普及に一役買っています。情報技術の高度化や低コスト化が進み、単にデータを処理するだけでなく、集計・分析して事業や日常生活に役立てようとする動きに変わってきています。

ビッグデータの活用メリットと身近な例

ビッグデータを活用すると、どのようなメリットが生まれ、社会の中でどのように機能するのでしょうか。また、ビッグデータは具体的にどのような目的で使われているのでしょう。ここでは活用メリットと身近な例を紹介します。

メリット①精度の高い予測が可能となる

膨大な情報量から成るビッグデータがうまく機能すると、今まで以上に精度の高い予測ができるようになります。データに裏付けされた論理的で説得力のある意思決定をもたらし、データの分析や検証によって競合優位性の確立につながることもあります。

【身近な例】小売業の需要予測

小売業では需要の変化に伴う在庫管理がしばしば課題となりますが、ビッグデータを活用すると、過去の売上や天候などをもとにした需要予測が可能です。在庫の過不足解消によってコストが削減され、生産量の計画が立てやすくなることで、業務効率化にもつながります。

メリット②リアルタイムでデータを解析・可視化できる

ビッグデータを活用すれば、リアルタイムで正確に現状を把握できます。明確に可視化されることで、従来は経験や感覚に頼っていた業務や作業が効率化されます。分析や集計によってビッグデータの活用範囲が広がれば、新しい価値やビジネスが生まれていくでしょう。

【身近な例】運送業における効率的な配送管理

ビッグデータのリアルタイムでのデータ解析は、運送業の業務効率化において機能しています。リアルタイムの渋滞情報や他の車両の現在地などをデータ化し、AIで分析すると配送業務量を予測可能です。AIが学習を繰り返すことで予測精度が向上し、効率的な配送を実現できます。

メリット③各分野を最適化する

ビッグデータの情報を組み合わせて多角的に分析すると、顧客のニーズに合ったサービス提供や在庫の適正数確保などさまざまな分野が最適化します。例えば、購入履歴に基づいた最適な商品がおすすめに表示されると購買行動の促進につながるのも、ビッグデータの活用メリットです。

【身近な例】学校での最適な学習コンテンツの提案

学習履歴や行動履歴など学習者のビッグデータを活用すると、学習時間や自主学習の頻度、成績だけでなく、学習者に合った最適な学習方法の提案も可能です。また、ビッグデータを通じて学習者の苦手分野や得意分野、学習傾向がわかると、指導者も授業計画を立てやすくなります。

ビッグデータの課題とは?

テクノロジーの進化により、ビッグデータは私たちの暮らしの質を向上させ、企業に利益をもたらすように機能していますが、解決すべき課題も発生しています。

データが増えるほどコストと手間がかかる

ビッグデータのデメリットは、管理と維持にコストがかかることです。集計・分析すべきデータが増えるほどストレージが必要になり、処理の負荷も増大します。また、きちんと管理しなければ、集計・分析作業の効率や精度を落とすことになりかねません。

プライバシーの侵害になる可能性がある

ビッグデータの中でも利用価値が高いパーソナルデータは、情報悪用が懸念されています。一見関連性のないデータでも、複数を組み合わせると簡単に個人を特定できる要因となります。プライバシー侵害の発生を防ぐために、データを加工して利用するなどの配慮が必要です。

VolumeはあってもValueを見いだせていない

ビッグデータには集計や分析ができず、活用できていないデータが膨大にあるのも事実です。量が多くても価値付けされなければ意味がありません。しかし、それらを可視化・分析することで新たな事業を生み出し、市場での優位性を手に入れられるチャンスにもなります。

ビッグデータを活用する3つの方法

実際にビジネスでビッグデータを扱うことになった場合、具体的にはどのように活用するのでしょうか。ここでは、ビッグデータを活用する3つの方法と活用の際のポイントを紹介していきます。

方法①データを管理する

ビッグデータを扱うためにはストレージが必要で、管理者や保存場所も決めておかなければなりません。また、ビッグデータには顧客の個人情報が含まれることも多いため、セキュリティ対策もしっかりとおこないましょう。

【ポイント】ビッグデータの保管場所は一元化する

ビッグデータを部門ごとに保管すると情報共有に時間がかかり、スムーズに作業できなくなる可能性があります。社内全体で共有できるシステムを準備するなど、効率的な運用方法を考えましょう。一元化することで、異なるデータ同士の関連性など有益な発見が得られることもあります。

方法②データを収集する

管理していたビッグデータを活用する機会が訪れたら、これまでの事業活動を通して得た顧客データやWebサイトのログデータなどから、必要な情報を収集していきます。自社のデータだけでは不十分な場合は、政府機関のデータやマーティング事業専門企業のデータを活用しましょう。

【ポイント】収集前にビッグデータの活用目的を明確にする

膨大なビッグデータを使いこなすためには、活用の目的を明確にすることが重要です。目的がはっきりしていると、必要なデータを集めやすくなります。ビッグデータの活用は目的に沿ってデータ収集し、それらを整理・蓄積して、分析する流れですので、目的ありきで考えましょう。

【ポイント】収集後のデータはクレンジングする

データクレンジングとは、破損データや重複データなどを特定し、正確なデータとして活用できるように修正することです。低品質のデータを使うと、作業が非効率になり、信頼性の低い分析結果になることがあります。クレンジングをおこなって、データの精度を高めましょう。

方法③データを分析する

ビッグデータの分析方法はさまざまで、顧客のニーズを読み取る手法やデータの関連性を調べる手法などがあります。分析の手順や分析から得られるものはそれぞれ異なりますので、ビッグデータの活用目的に応じた使い分けが必要です。

 

データの分析方法については以下の記事で解説していきます。詳しく知りたい方はこちらもチェックしてみましょう。

 

ビッグデータを活用した解析方法とは?それぞれの定義や分析手法から理解しよう

【ポイント】データ分析できる人材や手段を確保しておく

ビッグデータを活用するためには、データを分析して課題や解決策を提示できる担当者が必要です。そのような人材を確保したり、社内で育成したりするには時間とコストがかかるため、難しい場合は分析ツールの導入や専門企業への依頼を検討してみましょう。

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