コラム

2022-04-18

成功するペルソナマーケティングのポイント

マーケティングに携わっていると一度は聞いたことのある「ペルソナ」。言葉は知っているけど、正直よくわからない、実際に作ったことはない‥という人は多いかもしれません。「ペルソナは古い!使えない!」といった意見もありますが、最近そのペルソナマーケティングが再注目されているのをご存じですか?

多様化が進む現代こそ「ペルソナ」が大事

ペルソナとは?

ペルソナ(Persona)は心理学の用語で、「仮面」「人格」という意味があります。スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが「人間の外的側面・自分の内面に潜む自分」とペルソナを定義しました。
マーケティングにおいては、「仮面の自分」という考え方を発展させて「自社の製品・サービスの典型的なユーザー像」をペルソナと呼びます。自社のターゲットが具体的にどんな人物なのか、年代や性別だけでなく、ライフスタイルや趣味嗜好まで細かく設定することが特徴です。

ペルソナで顧客のインサイトに迫る

生活者のライフスタイルや嗜好性が多様化している現代において、顧客を正しく理解することの重要性はますます高まっています。同じ性年代でも全く異なる価値観を持っているため、いわゆるデモグラフィック属性に頼った表層的なターゲティングは通用しにくくなっています。
そのような背景もあって、嗜好や意識、価値観など、生活者のインサイトに近いところまで迫って、顧客像を捉えていく「ペルソナ」に、あらためて注目が集まっているのです。

ペルソナを設定するメリット

実際にペルソナを活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?いくつかの観点で見てみましょう。

効果的なプロモーション実行

ペルソナを用いることで、狙うべきターゲットの解像度が飛躍的に高まります。よりリアリティのあるカスタマージャーニーが描けるので、いつ、どこで、どのようにリーチし、アクションさせるか?‥といった一連のプロモーションを深い顧客理解に立脚したかたちで検討することが可能となります。

スムーズな意思決定

ペルソナは、社内での意思決定を円滑にする効果も期待できます。自社の重点顧客の「像」が明確に定まっていることで、部門を越えた共通認識が形成されるため、商品企画・開発から販売、アフターサービスまで、各担当者の思惑に左右されることなく、芯の通った判断をスピーディに行うことにつながります。

コスト削減

狙うべきターゲットが明確になることで、予算をどこに集中させるか?も自ずと見えてきます。前述のとおり、社内の関与者の目線も揃いやすいので、無用な議論に費やす時間も減るかもしれません。つまり、ペルソナはお金だけでなく時間も含めて、限りある資源を有効に活用するという側面にも寄与できます。

ペルソナマーケティングでありがちな失敗例

メリットの多いペルソナですが、誤った設定の仕方をしてしまうと思うような成果が得られません。失敗に陥らないためにも、よくあるNGパターンをまとめてみました。

ペルソナを思い付きレベルで設定してしまう‥

つ目は、ペルソナを主観や理想だけで都合よく設定してしまい失敗するケースです。担当者の勝手な想いで塗り固められたペルソナは、実際のユーザーと乖離していたり、市場にいない人物像であったり‥と、場合によってはまったく使いものにならないことも。ペルソナを設定する際には、客観的データに基づいた検討プロセスをしっかりと踏むことが肝要です。

納得感の薄いペルソナになってしまう‥

仮にデータに基づいて作られたとしても、そこで扱われているデータが適切かどうか?という観点も忘れてはいけません。たとえば、母数の少ないインタビューや都合のいい偏ったデータを使用してしまうと、関与者がいまひとつ信用できない、疑念の残るペルソナが出来上がってしまうというのもよくある失敗例の1つです。

ペルソナを施策に利用できない‥

せっかく労力をかけて作ったペルソナが、そのまま放置されてしまうという残念なケースもあります。納得感のあるペルソナができても、そのペルソナの近似顧客にリーチ(ターゲティング)する方法がなく、マーケティングの次の打ち手につながらないというパターンです。このような「絵に描いた餅」の状態に陥らないためにも、そのペルソナをどう活用するか?という視点も抜け落ちないように並行して議論を進めることも大切です。

ペルソナマーケティング成功例と要因

ペルソナマーケティングの成否をわける要因は何でしょうか?
いくつか成功例から、上手くいくためのヒントを探ってみましょう。

複合的データに基づくペルソナ設定・活用

たとえば小売業の場合、膨大なPOSデータは日々蓄積されていますが、あくまでも購買データですので、顧客を深く理解するところまでは至りません。そこで、ある小売店では購買データに加えて、顧客の価値観データを外部から調達しあわせて分析をかけることで、各店舗の重要顧客をペルソナとして策定し、店舗に合った商品の棚割りや店舗の顧客特性に特化したキャンペーンの施策を打ち出しができるようになりました。

手元のデータだけに固執するのではなく、顧客理解のためのデータを新たに入手し、複合的データから客観的にペルソナを設定できたことが成功要因と言えます。

自社と競合のペルソナ比較によるスイッチプロモーション

ペルソナは自社の顧客に限った話ではありません。競合他社のペルソナも想定することで、狙うべきターゲットがよりクリアになり、マーケティングに活かしやすくなると思いませんか?
実際に、自社と競合のターゲットがどのくらい同じなのか?違うのか?をペルソナレベルで把握し、有効なブランドスイッチ施策を講じたという例もあります。市場に出ている各種メーカーの購買データと購入者の価値観データを入手し、分析をかけたことで実現できました。

マーケティングの基本原則である3C(自社・競合・顧客)の考え方を、ペルソナマーケティングでも実践・応用したことが、効果的な施策につながったと言えるでしょう。

ペルソナの近似客をターゲティング

ペルソナをどんなに正確に描けても、そのターゲットにリーチできなければ意味がありません。
結果的に、性年代などの基本属性や推測される関心カテゴリなどの一般的なセグメントで広告配信するのであれば、ペルソナ設定に費やした労力も水の泡です。
ペルソナを活かしたプロモーションの例として、とある金融サービス事業者では顧客の「お金に対する価値観」でセグメントを切って、広告配信することで成果を上げることができました。

どのようにペルソナに近い生活者にリーチできるか?といった仕組みや仕掛けまで含めて、一体的に検討をすすめることがポイントになりそうです。

ペルソナマーケティングを実践するなら「PERSONA+」

Pontaポイントを運営しているロイヤリティ マーケティングでは、ペルソナマーケティング支援サービス「「PERSONA+」」を提供しています。
約1億ものPonta会員IDに対して、基本属性や購買属性だけでなく、独自の価値観判定・推定モデルを適用した「価値観クラスター属性」を付与。スピーディにデータに基づくペルソナを策定することが可能です。
さらに、ペルソナの近似客をターゲティングし、PontaアプリやメルマガなどPontaがもつ多様なチャネルでプロモーションを実行することもできます。

「PERSONA+」についてもっと詳しく知りたい方はこちら!

コラム記事一覧

お気軽にお問い合わせください

詳しくお知りになりたい方は
お問い合わせ