コラム

2024-06-03

市場分析では何をするの?調査手法の種類や活用法、フレームワークも徹底解説

ビジネスで成果を上げるために欠かせないのが市場分析です。市場規模や市場動向を把握し、顧客ニーズの理解や自社・他社の強みを理解するのに役立ちます。本記事では、市場分析の基本情報から分析に役立つフレームワークまで詳しく紹介していきます。

市場分析の基本情報

まずは市場分析の目的や活用方法などの基本情報から、市場分析の全体像を解説していきます。

市場分析とは?

市場分析とは、市場の現状や自社が属する業界の動向を明らかにするための分析です。市場分析はマーケティング活動の一環で、あらゆる企業が実施しています。ビジネスで成果を上げるために欠かせない重要な施策が市場分析です。

市場分析の目的

マーケティングの最終的な目的は顧客のニーズを満たす商品を生み出して収益を拡大するという大きなものですが、市場分析はもっと限定的です。ここでは市場分析の2つの目的を紹介します。

過去〜現在の正確な市場情報を得る

市場分析は、過去から現在までの市場の状況を正確に把握するために実施されます。マーケティング分析の土台となる重要な役割を担っており、読み間違えるとマーケティング施策全体がうまくいかなくなることがあります。


車を開発する場合

 ● 【開発全体の大きな目的】顧客ニーズを満たす車を開発したい

 ● 【市場分析の目的】過去に売上を伸ばした車の傾向を知りたい


 

施策を効率化する

市場分析の目的をもう1つ挙げるなら、マーケティング施策の効率化です。安易な判断で利益を期待できない市場に参入すると、時間やコストが無駄になります。市場分析を使って市場の動向や市場における自社の状況を把握することで、適切なコスト配分が進むのです。

市場分析で得たデータの具体的な活用方法

企業は市場分析によってさまざまな情報を手に入れますが、その情報はどのようにして活用されるのでしょうか。ここでは、3つの具体的な活用方法を紹介します。

消費者ニーズの傾向を掴む

消費者が求めるものを適切な価格と販売経路で提供することがビジネスで成果を上げる基本ですが、そのためには消費者ニーズの理解が重要です。市場分析で得たデータを活用すれば、消費者が欲しい製品や市場で不足する商品を把握できます。

自社の現在の立ち位置を明確にする

市場分析は企業の強み・弱みや業界での立ち位置を明確化し、参入すべき市場を理解する時に活用されます。消費者ニーズの傾向を掴んだ上で、どうすれば競合と差別化できるかを分析し、自社の強みを活かしてシェアを獲得できる分野を市場分析によって明らかにしていくのです。

マーケティングや経営戦略の資料にする

マーケティング戦略を成功に導くためには市場の正しい把握が重要で、市場分析はそのための資料となります。また、経営戦略や事業戦略は仮説・調査・予測といったプロセスを経て構築されますが、経営者が仮説を立てて予測するためには市場分析のレポートが必要です。

マーケティング分析との違いとは?

市場分析とよく似た言葉として、マーケティング分析があります。どちらも市場の動向を把握するものですが、市場分析が過去から現在までの市場の動向を数値で把握するのに対し、マーケティング分析は将来を予測するために顧客の言葉などを収集して実施されるものです。

マーケティング分析は以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい場合はこちらの記事をご確認ください。

「マーケティング分析」とは?押さえたい3つの手法やフレームワークを徹底解説

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市場分析にあたって把握するべきデータ

市場分析で集めるべきデータは、市場分析での調査目的や調査手法によってさまざまです。ただ、どんな市場分析においても、共通して最低限明確にしておくべきデータがあります。それが以下の2つです。

市場規模

市場規模とは業界での年間の取引総額のことで、企業の立ち位置や目指すポジションの把握に欠かせないものです。例えば年間売上が1億円の場合、10億円の市場規模と100億円の市場規模ではシェアに大きな差が出ます。適切な需給予測を立てるために市場規模の把握が必要です。


市場規模に関するデータの具体的な取得方法

 ● 【既存の製品】官公庁や業界団体が発行する資料のデータを使う

 ● 【新しい製品】競合他社の売上データなど、現在入手できるデータを使って推計する


 

市場動向

市場動向とは、市場規模を時系列のグラフにした時に見えてくる一定の傾向のことです。具体的には、市場の拡大・縮小・寡占化といった傾向がわかり、ビジネス戦略を進める際の基本情報となります。つまり、市場分析の手法が違っても市場動向の把握は必要です。

市場分析の調査手法の種類

ここでは市場分析で用いられる調査手法の概要を紹介します。調査手法の理解を進めると、市場分析で使用するデータの特徴や市場分析によってどんなものが得られるかがイメージできます。

時系列分析

時系列分析とは、時間の経過に応じて変化していくデータを分析する手法です。毎月の売上など時間経過に伴って変化するデータを時系列データと呼び、時系列データがどのような要因で変化するのかを分析して今後の予測に役立てます。


時系列分析のデータ例

 ● 店舗の毎月の来客数

 ● Webサイトへの毎日のアクセス数

 ● 日々変わっていく株価


 

トライアルリピート分析

トライアルリピート分析とは、一定の期間中における1回目の商品購入客数(トライアル客)と2回目以上の購入客(リピート客)の推移を分析する手法です。新商品の定着度や固定客の特徴などを把握することで、商品展開や販売戦略に役立ちます。

属性分析

属性とは誕生日や性別など個人の特徴をカテゴリー化したもので、それを分析する手法が属性分析です。会員情報などから属性データを収集してグループ化すると、ターゲットへの効率的なアプローチに役立ちます。属性データは、変わらない静的属性と変化する動的属性の2種類です。


属性データの例

 ● 【静的属性】出身地、誕生日、初回購入日など

 ● 【動的属性】住所、職業、年齢、ライフスタイル、趣味など


 

ペルソナ分析

ペルソナとは自社の商材を購入する可能性のある架空の顧客像で、市場調査をもとに年齢・趣味・家族構成などの詳細を設定して顧客視点でのマーケティングを実現する手法です。一見するとターゲットに似ていますが、ペルソナはより詳しい人物像を設定するところが異なります。


ターゲットとペルソナの例

 ● 【ターゲット】30代・女性・会社員

 ● 【ペルソナ】30代・女性・大手広告代理店勤務・夫と2人暮らし・趣味は映画鑑賞・マンション住まい


マーケティングにおけるペルソナについては以下の記事で解説していますので、詳しくはこちらの記事でご確認ください。

「マーケティング分析」とは?押さえたい3つの手法やフレームワークを徹底解説

併買分析

併買分析とは、ある商品を購入した顧客が同時にどんな商品を購入しているのかを分析する手法です。併せて購入している商品を分析することで、店舗のレイアウトや顧客へのアプローチ方法の改善に役立ちます。併買分析で活用するデータは、ID-POSから得られる購買データです。

POSとID-POSの違いとは

POSとは商品購入日時や個数などの購買情報を記録するシステムのことですが、ID-POSになると購買情報だけでなく、誰がどの商品を何回購入したかまでわかります。つまり、POSとID-POSの違いは顧客の属性情報・購買行動を分析できるかどうかです。

流入流出分析

流入流出分析とは、顧客がどこから流入してどこへ流出したのかを分析する手法です。例えば商品Aが売上不振に陥った場合、商品Aや他のブランドの商品の過去の売上を調査して流出先を分析し、客数の増減の要因を探ります。この分析で使われるデータはID-POSデータです。

ロイヤルティ分析

ロイヤルティは「忠誠心」を意味し、顧客が企業や商品に信頼や愛着を持つことを顧客ロイヤルティと呼びます。分析すると、ロイヤルティの高い顧客と低い顧客の違いや、ロイヤルティの低いユーザーの原因などがわかり、解約率低下やリピート率の向上などに役立つのがメリットです。


ロイヤルティ分析に活用するデータ

 ● 顧客ロイヤルティの分布(ロイヤルティが高い顧客とロイヤルティが低い顧客の違い)

 ● 顧客ロイヤルティが高い顧客の特徴や傾向(属性や購入プロセスなど)

 ● 顧客ロイヤルティが低い顧客の特徴や傾向(属性や購入プロセスなど)


 

エリア分析(商圏分析)

エリア分析とは、国勢調査や顧客のデータなどを分析し、販売戦略や出店計画などビジネスに役立てる手法です。例えば、国勢調査のデータからは特定エリア内の人口や世帯数がわかります。これに自社の顧客データを組み合わせると、アプローチすべき顧客の生活エリアが絞り込めます。


エリア分析で活用されるデータ例

 ● エリアの特性(人口や世帯の特徴)

 ● 競合店の数や場所

 ● 来店を阻む要素(河川や大型商業施設)


 

リサーチデータ分析

リサーチデータ分析とは、特定の商品やテーマに関するモニターを集めてアンケートを実施し、その結果を集計して分析する手法です。実施には手間やコストがかかりますが、対象者のリアルな意見からデータを作成できるメリットがあり、商品の改善や顧客満足度に活かせます。

統計解析

統計解析とは、統計学で使われる理論に基づいてデータを多方面から検証することです。作業内容としては、統計学のパターンに当てはめてデータを処理し、データの規則性を発見します。単純集計する方法や、得られた数値を使って仮設を立てる方法などがあります。

市場分析の流れ

ここからは市場分析を効率的に進めるための大まかなプロセスを解説していきます。

ステップ①調査の目的を明確にする

まずは、どのような問題を解決するために調査を実施するのかを明確にします。目的がわからなければ調査方法も決まりません。調べたい項目を精査して目的が明確になると、市場分析の作業内容やスケジュールをまとめやすくなります。

ステップ②調査の作業計画を立てる

次に、目的が明確になったら、調査の作業計画を立てます。調査を実施する時期や予算などを含めた市場分析のプランを考えます。この時のポイントは具体的な計画にすることです。いつ誰がどのように動くのかがはっきりすると、組織での行動が円滑になり、社内に共通認識が生まれます。

ステップ③データを収集する

そのあとは市場分析の作業日程を踏まえて、調査に必要なデータを収集していきます。この時に重要なのは、目的に応じたデータを集めることや、古いデータより最新データを選ぶことです。時間がかかりますが、普段からデータの保管場所を明確に決めて整理しておくと効率よく作業できます。

ステップ④データを分析する

必要なデータが収集されたら、市場分析を開始します。市場分析では客観的な数値でビジネスの市場規模や競合企業の強み、顧客のニーズなどを明らかにしていきますが、結果を得た後はなぜそうなったのかを検証することも重要です。

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市場分析に役立つフレームワーク

フレームワークとは、考え方をパターン化したフォーマットや枠組みのことです。市場分析で収集したデータを当てはめて考えることで、課題や必要なことを論理的に理解できるようにします。ここでは、市場分析に役立つフレームワークをいくつか紹介していきます。


市場分析にフレームワークを使うメリット

 ● 情報を整理できる

 ● 効率化されて作業時間を短縮できる


 

現状分析を目的としたフレームワーク

市場分析で集めたデータを以下のようなフレームワークに当てはめると、自社の現状を把握して課題を抽出するのに役立ちます。

3C分析

3CとはCustomer(顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)を指し、3つの環境要因を分析して事業を評価するのが3C分析です。市場分析で得たデータを当てはめて、市場規模や自社・他社の強みなどを分析し、現在の自社の立ち位置を認識します。


3Cの具体的な中身

 ● 【Customer(顧客)】購買人口、購入決定者

 ● 【Competitor(競合)】競合他社の現在の強み・弱み

 ● 【Company(自社)】自社の現在の強み・弱み


 

SWOT分析

SWOTとはStrength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)のことで、強み・弱みを内部環境、機会・脅威を外部環境に分け、対比しながら分析します。市場分析で得たデータを当てはめて事業の課題を明らかにします。

 

競合分析を目的としたフレームワーク

競合分析のためのフレームワークでは、主に外部要因を対象として分析します。市場分析で得たデータを以下のフレームワークを通して観察すると、他社の自社への影響や新規参入の際に必要なことなどを把握できます。

PEST分析

PESTとは以下に挙げる4つの外部要因を意味し、これらの共通点は自社で制御できないことです。市場分析で得たデータやPEST分析の結果を踏まえて世の中の動向に合った戦略に変えていくと、潜在的ニーズやそれによる市場優位性の確立にもつながります。


PESTの内容

 ● Politics(政治的要因)

 ● Economy(経済的要因)

 ● Society(社会的要因)

 ● Technology(技術的要因)


 

ファイブフォース

ファイブフォース分析は、以下の5つの力(フォース)を分析し、自社に対する脅威の現状を明確にするフレームワークです。例えば、市場分析で手に入れたデータを当てはめると、競合他社の現在の影響力や競合のシェア拡大率などが見えてきます。


5つのフォース

 ● 競合他社

 ● 買い手の交渉力

 ● 売り手の交渉力

 ● 代替品の脅威

 ● 新規参入の脅威


 

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市場分析の実施は、ビジネスの成果を左右するマーケティング施策のひとつで、ビジネスで成果を上げるためには欠かせないものです。ただ、今回ご紹介してきた分析も部署や会社全体を巻き込んだ規模で進める必要があり、一筋縄では実現できません。

 

そのようなリソースや人材が社内にない場合も、弊社のPontaDMPに基づいたサービスを活用すればリアルな分析とマーケティング施策の実施が可能です。市場調査やマーケティング施策にお困りの場合はぜひお問合せください。

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