コラム
2024-03-28
見込み顧客とは?ビジネス上の意味や潜在顧客との違いを知ってマーケティングを強化しよう
見込み顧客とはどういう意味かご存知でしょうか?顧客獲得には見込み顧客の獲得と育成が不可欠です。本記事では、見込み顧客のビジネス上の意味や間違いやすい「潜在顧客」との違いを解説します。見込み顧客を優良顧客化するまでの手順や具体的な方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ビジネスにおける「見込み顧客」とは
ビジネスにおける見込み顧客とは、企業の商品やサービスを購入する可能性が高い人のことを指します。業界によって言葉の捉え方が変わることがありますが、基本的には商品やサービスの必要性を感じていて、将来的に成約に至る可能性がある顧客を指すことが一般的です。
見込み顧客は、以下のような行動によって商品やサービスへの関心を示しています。
見込み顧客の行動例
● メールマガジンに登録している
● 資料請求をしたことがある
● セミナーに参加したことがある
見込み顧客は新規顧客に変わる可能性が高いことから、ビジネスにおいて重要な存在です。
潜在顧客・顕在顧客との意味の違いは?
見込み顧客と混同されやすい言葉として、「潜在顧客」「顕在顧客」があります。見込み顧客との違いを比較しながら、言葉の正しい定義を把握しましょう。
潜在顧客との違い
潜在顧客とは、自社の商品やサービスを知らない顧客やまだ興味を持っていない顧客を指します。見込み顧客と比較すると、まだ自社の顧客ではないという点は同じですが、企業の商品・サービスの存在を知らない点や必要性に気づいていないという点が異なります。
潜在顧客は見込み顧客の前段階であり、商品やサービスの存在を知って必要性を感じると、購入を検討する見込み顧客へ変わる可能性があります。
潜在顧客を選別する方法の1つとしておすすめしたいのが、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する弊社が開発した「Life Actionセグメント」です。あらゆる業種業態の方にご利用いただけますので、詳細が気になった方は以下の記事も併せてご覧ください。
Pontaデータから見る潜在顧客の発見!<第1回 金融業界>潜在顧客を見つけ出す“LifeActionセグメント”を活用して、「投資家」にアプローチ
顕在顧客との違い
顕在顧客とはニーズが顕在化している顧客という意味で、自分の課題を明確に認識しており課題解決のための手段を探している顧客のことを指します。
顕在顧客の具体的な解釈の仕方は意見が分かれており、見込み顧客とほぼ同じ意味で使われることもあります。他にも、既に自社商品を利用したことのある顧客も含むとする考え方、ニーズは理解していても自社商品への認識はまだないとする考え方などさまざまです。
見込み顧客との違いは解釈の仕方によって変わってきますが、自分の課題やニーズを把握しているという点は見込み顧客と共通しており、少なくとも潜在顧客とは大きく異なります。
見込み顧客にアプローチするメリット
見込み顧客へアプローチすると、マーケティング活動の効率化が期待できます。見込み顧客は既に企業の商品やサービスに興味を持っているため、全く接点のない消費者と比較するとアプローチしやすく、マーケティング活動のコスト削減につながるでしょう。
見込み顧客を優良顧客化する流れ
それでは、見込み顧客はどうすれば優良顧客になるのでしょうか。具体的な方法の前に、大まかな流れを押さえましょう。
見込み顧客を優良顧客にするまでの流れ
1. リードジェネレーション:見込み顧客を獲得する
2. リードナーチャリング:見込み顧客を育成する
3. リードクオリフィケーション:見込み顧客を絞り込み、購入の可能性が高い見込み顧客を抽出する
ステップ①リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み顧客に関する情報を獲得する活動を意味します。例えば、自社Webサイトへの資料請求や問い合わせで顧客情報を得る活動などです。
ステップ②リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、見込み顧客の育成のことです。リードジェネレーションで獲得した見込み顧客に対してアプローチを行い、購買意欲を高めることを指します。
ステップ③リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、見込み顧客の中から特に成約の可能性が高い顧客を絞り込むことです。見込み顧客の中には、すぐに購入する人もいれば、購入がまだ先の人もいます。そこで、購入の可能性の高い顧客へ優先的にアプローチして営業活動の効率化と利益最大化を目指すのです。
見込み顧客の獲得方法
見込み顧客が優良顧客になるまでの大まかな流れを掴んだら、具体的な内容に入っていきましょう。まず、見込み顧客の獲得方法です。企業の商品やサービスに必要性を感じていても購買には至っていない見込み顧客を獲得するには、大きく分けて以下の3つの方法があります。
アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングとは、企業が見込み顧客に対して発信するビジネスマーケティングの手法です。別名「プッシュ型マーケティング」とも呼ばれ、企業が伝えたい情報を消費者に対して一方的に届けるという特徴があります。
広告
アウトバウンドマーケティングの定番の手法といえば、テレビCMや新聞の折込チラシ、Webバナーといった広告です。近年は、不特定多数に向けた新聞やテレビなどの広告から、細かいターゲティングが可能なWeb広告へとシフトしつつあります。
展示会
展示会もアウトバウンドマーケティングに含まれます。展示会は決まったテーマに沿って開催されることが多いため、商品の対象となる見込み顧客が来場する可能性が高いことや、顧客と直接コミュニケーションすることで印象に残りやすいことがメリットです。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、価値のある情報を発信して消費者に興味を持たせ、見込み顧客として育成していく手法です。こちらは別名「プル型のマーケティング」と呼ばれており、見込み顧客の意思で自社と接点ができるようにします。
近年は、アウトバウンドマーケティングよりもインバウンドマーケティングの重要性が高まっており、その背景にあるのがインターネットの普及です。企業から一方的に押し付けられるよりも、消費者が自分で情報を得て商品を比較検討する購入の仕方へと変化しています。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業自身が保有・管理するメディアのことです。例えば、商品の使い方を紹介するスタッフブログや、公式サイト内に設けた商品開発者へのインタビュー記事などがあります。
オウンドメディアの目的は、企業の思いや商品の魅力を見込み顧客に伝え、企業やブランドのファンになってもらうことです。成果が上がるまでに時間がかかりますが、見込み顧客に受け入れられやすく、信頼獲得にも有効です。
ソーシャルメディア
ソーシャルメディアは、見込み顧客に自社の商品やオウンドメディアのコンテンツを知らせるための有効な手段です。近年では、SNSを活用して情報や口コミを検索する消費者が大多数を占めます。見込み顧客の獲得に加え、潜在顧客に自社を認知してもらうのにも役立ちます。
獲得した見込み顧客をリスト化する
見込み顧客を獲得したらすぐアプローチするのではなく、リスト化する作業が必要です。効率よく営業活動を進められるように、以下のような情報を見込み顧客リストにまとめましょう。
見込み顧客のリストの項目例
● 名前(個人名や企業名)
● 連絡先(電話番号や住所、メールアドレス)
● 興味関心
● 接触経路(ブログからの問い合わせなど)
● コミュニケーションの内容(◯月△日DM送付など)
見込み顧客の育成(ナーチャリング)方法
見込み顧客を獲得したら、次は見込み顧客を育成する段階へと移ります。
見込み顧客の情報を整理する
まずはリスト化された見込み顧客の情報を整理し、一元管理できる状態にしましょう。既にリストの状態になっていたとしても、データの重複や情報漏れなどの可能性もあります。特に部署が多い企業の場合、同一人物の情報が違う場所に管理されていることも少なくありません。このような情報を一元管理することで、マーケティング活動の効率化にもつながります。
セグメンテーション
セグメンテーションとは、顧客の属性や特性、ニーズに合わせて細かく分類することで、細分化されたグループのことをセグメントと呼びます。セグメンテーションの目的は、商品やサービスの対象となる顧客像を明確にすることです。
リードナーチャリングのコンテンツを準備・実行する
セグメントの属性に沿ったコンテンツを作り、見込み顧客に向けて提供しましょう。例えば以下のような方法があります。
リードナーチャリングの例
● メルマガ:購読者別に最適な情報をお知らせする
● SNS:親近感や共感性を喚起する配信を行い、見込み顧客とコミュニケーションをとる
● セミナー:個別の相談会やフォローを実施し、商談につなげる
ここでのポイントは、見込み顧客を育成するという目的を忘れないことです。既に自社の商品に興味を持っている見込み顧客を次の段階へ押し上げるための施策ですので、全ての見込み顧客を一律に扱ったり、無関係なコンテンツを配信したりしても意味はありません。
例えばメルマガを配信する場合、全員に一律で同じ内容を送るのは適切とはいえないでしょう。誕生日の見込み顧客にはクーポン付きのお祝いメールを送ったり、地域限定のセール情報をお知らせしたりするなど、企業との関係性を向上させるような取り組みが重要です。
コンテンツ提供後は、SNSへのアクセス数の比較やメルマガ開封の有無などを継続的に検証し、改善しながら施策の質を高めていきます。
見込み顧客を選別する方法
見込み客を育成したら、最終段階は選別(リードクオリフィケーション)を行います。ビジネスで成果を上げるには、育成した見込み顧客を絞り込んで効果的なアプローチを実行する必要があります。
セグメンテーション
リードクオリフィケーションにおいても、セグメンテーションを実行します。育成した見込み客を分類し、成約する可能性が高い見込み顧客とそうでない顧客の基準を比較しながら決めていきましょう。
リードクオリフィケーションにおけるセグメンテーションでは、属性や興味関心に加えて、購買意欲の強さでセグメントするのもおすすめです。例えば、Webサイトのページ閲覧回数などの行動履歴で分類すると、次の手順のカスタマージャーニーマップを作成しやすくなります。
カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が商品やサービスを知ってから購入するまでのプロセスを可視化した図のことで、さまざまなマーケティング施策に使われます。セグメントごとにカスタマージャーニーマップを作成し、見込み顧客の行動の流れを分析しましょう。
シナリオ設計・スコアリング設計を行う
マーケティングにおけるシナリオ設計とは、見込み顧客が成約するまでの行動を予測し、それに対してどのような施策を実行するのかを計画することです。スコアリング設計とは、アプローチすべき顧客の優先順位の付け方を決めることを意味します。
作成したカスタマージャーニーマップに基づいて、見込み顧客の具体的な行動を予測したり、どのような行動をしたときにどのくらいのスコアを付与するのか決めていきましょう。
スコアリングを実施する
設計が完成したら、見込み顧客を最終的に絞り込むためにスコアリングを実施しましょう。マーケティングオートメーションツール(MAツール)は、設定したシナリオに沿って効率よくスコアリングするのに有効でおすすめです。
設定スコアに達した見込み客は定期的にデータへ抽出し、営業担当へ渡す流れを作ります。データを扱う部署と営業部署で連携し、予めデータ化するタイミングを決めておくとよいでしょう。
シナリオを検証する
シナリオは最初に設計したものを使い回すのではなく、施策を継続する中で検証する必要があります。たとえ過去のデータに基づいて合理的にシナリオを設計しても、設定段階では仮説に過ぎず適切である保証はないからです。
予想していたような成果が出ない場合だけでなく、定期的にシナリオを見直す仕組みも用意しておきましょう。シナリオを改善してもうまく行かない場合、カスタマージャーニーマップやセグメンテーションまで遡って検証する必要性があるかどうかも検討してください。
見込み顧客の管理・育成におけるポイント
ここまで紹介してきたような方法で見込み顧客へアプローチする際、ビジネスの成果につなげるために以下の2つのポイントを意識しておきましょう。
目的・ターゲットを明確にする
見込み顧客を管理・育成して成約につなげるためには、実施される施策のターゲットが誰で、何を目的に行われているのかを常に明確にしておきましょう。
例えば、施策のターゲットやデータの収集目的を忘れてしまうと、単に不特定多数の情報を集めているだけになりかねません。ターゲットは顧客になりうる消費者で、目的は見込み顧客の獲得ですので、予め自社商品の対象となる顧客像を決めておく必要性があります。
常に目的やターゲットから逸れないために、KGIの設定や各施策を評価するためのKPIを設定しておきましょう。
施策の分析と改善を繰り返す
マーケティング施策は実行後に分析や評価を行い、改善を加えて質を高めていく作業が必要です。時代の変化や顧客のニーズの変化に対応しながら、成果を出せるマーケティング施策へとブラッシュアップさせましょう。
見込み顧客へ的確にアプローチするならロイヤリティ マーケティングへ
見込み顧客への的確なアプローチは、ビジネスで成果を出すために欠かせないことです。そのためには見込み顧客を獲得した上で育成し、精度の高いオリジナルのシナリオやスコアリアングを設定していくなどの長いプロセスが必要となります。
見込み客を優良顧客化したいが具体的な始め方がわからない方や、現在のセグメントが適切かどうか不安がある方など、マーケティング施策に関するお困りごとがございましたら、ぜひ弊社へお気軽にお問い合わせください。既に見込み顧客施策を実施しているものの、その先の分析や改善にお困りの場合は、弊社のアナリティクスサービスをご検討してみてはいかがでしょうか。
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