コラム
2024-01-31
マーケティングコミュニケーションの種類とは?具体的な戦略手順も解説
マーケティングコミュニケーションは、近年、企業のマーケティング施策の中で重視されている手法です。具体的にどのような種類があり、どういった戦略手順で実施されるのでしょうか。本コラムでは、マーケティングコミュニケーションの基本について事例とともに詳しく解説します。
目次
マーケティングコミュニケーションとは
マーケティングコミュニケーションとは、従来の企業から顧客へ一方的に売り込むマーケティング政策とは違い、企業と顧客が双方向で交流しながら進める販売戦略のことです。実際、マーケティングの成功に重要だといわれている「4C」にもコミュニケーションが含まれています。
マーケティングで重要な4C
●Customer Value(顧客価値)
●Customer Cost(顧客コスト)
●Communication(コミュニケーション)
●Convenience(利便性)
マーケティングコミュニケーションの重要性が増した背景
現代のマーケティングでは、売り込みで販路を広げる従来のアウトバウンド営業とは違い、消費者とのコミュニケーションを通じて関係を構築することの重要性が強調されています。ではなぜ、マーケティングコミュニケーションの重要性が増しているのでしょうか。
SNSの普及
総務省の『令和4年通信利用動向調査』によると、SNSを利用する個人は8割に達しています。新商品の口コミを拡散して認知度向上を図ったり利用者の声を拾ったりするなど、企業と消費者間でやりとりする機会が増え、双方のコミュニケーションの重要性が高まっているのです。
購買行動の変化
インターネットの普及で消費者が情報収集できるようようになり、売り込みによる一方的な営業ではなく、消費者自らが欲しい商品を探す購買行動に変化しています。購入の選択肢に入れてもらうには、自社製品の存在を思い出してもらえるように定期的なコミュニケーションが必要です。
マーケティングコミュニケーションの役割
マーケティングコミュニケーションはIT技術の向上によって重要性が高まっている手法ですが、実施することにどんな意味があるのでしょうか。マーケティングコミュニケーションの3つの大きな役割を見ていきましょう。
製品・サービスの認知獲得
製品やサービスの購入に至るには、まず知ってもらわなければなりません。単に製品の名前を聞いたことがあるだけでなく、製品の内容や企業についてもある程度知っている状態が必要です。そこでマーケティングコミュニケーションを活用し、製品の概要を理解してもらいます。
見込み客の購買行動を後押しする
資料請求や問い合わせをした見込み顧客はすぐに購入せず、他社と比較検討しながら決めていきます。製品購入の検討時にコミュニケーションをとりながらアプローチすることで、購入の後押しになるのです。
既存顧客との良好な関係を構築する
マーケティング施策を考える上で、リピーターを増やすことの重要性は高いといえます。継続的に製品を購入する既存客が増えると、売上が安定するからです。そこで役立つのがマーケティング・コミュニケーションで、既存顧客と定期的にやりとりすることで良好な関係を構築できます。
マーケティングコミュニケーションの種類と事例
マーケティングコミュニケーションは企業と消費者間のやりとり全般を意味するため、その範囲は多岐に渡ります。さまざまなコミュニケーション方法がありますが、ここでは特に重要性の高い種類に焦点を当て、事例とともに詳しく解説します。
種類(1)広告
広告には、テレビCMや交通広告などのオフライン広告とインターネット上のオンライン広告があります。発信が一方的な前者に対し、後者は双方向のコミュニケーションが可能です。双方向のコミュニケーションができる広告として、動画広告やSNSなどがあります。
オンライン広告の事例
●利用者の行動や興味関心に合わせて表示されるSNS広告
●動画サイトのコンテンツの間に表示されるインフィード広告
種類(2)プレスリリース
プレスリリースとは、製品情報や企業の活動をメディアに向けて発信する取り組みを意味します。メディアがプレスリリースの内容をニュースとして届けるため、広告と比較すると売り込み感が少なく、自然と認知度向上につながるのがメリットです。
プレスリリースの事例
●プレスリリース配信サービスを通じて新商品などの発表
●自社のアンケート結果をプレスリリースにまとめて発表
種類(3)イベントマーケティング
イベントのような顧客と直接コミュニケーションをとれる施策には、実物に触れる機会を提供でき、悩みや不明点を質問してもらえるメリットがあります。コストと手間がかかるデメリットもありますので、イベントを開催する目的や意味を確認した上で、計画的な実施が必要です。
イベントマーケティングの事例
●セミナーの開催
●ワークショップの実施
種類(4)販売促進活動
販売促進活動とは、顧客の購入意欲を刺激する取り組みを意味します。従来は、試食やタイムセールといった店頭での取り組みが一般的でした。近年はこれに加え、SNSのフォローでクーポンを配布するなど、顧客と双方向のコミュニケーションで販売を促進する施策も増えています。
販売促進活動の事例
●特定の製品を買い物にした顧客に対してノベルティを配布
●自社のSNSアカウントをフォローしてくれた顧客に対してサービス券を配布
種類(5)ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、メール・電話・DMなどを通じて顧客へ直接アプローチし、反応を測定しながら顧客との関係性を構築して販売につなげる手法です。ターゲットを絞り込んで顧客に適したコミュニケーション方法をとれるため、成果につながりやすいメリットがあります。
ダイレクトマーケティングの事例
●購入のお礼状と一緒に新商品のサンプル同封
●ダイレクトメールでリピーター限定セールを案内
種類(6)コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、価値あるコンテンツを提供することでユーザーを引き寄せて関係性を構築し、最終的に利益を生み出す施策を意味します。ユーザーを楽しませることで嫌われないマーケティングになり、コメントなどでコミュニケーションをとれるのがメリットです。
コンテンツマーケティングの事例
●自社HPでコラムを公開
●動画チャンネルの立ち上げ
●インスタライブの実施
マーケティングコミュニケーションの具体的戦略手順
マーケティングコミュニケーションを成功に導くには、ターゲットや目標を定めて計画的に実施することが必須です。ここではマーケティングコミュニケーションの具体的な戦略手順について解説しますので、大まかな流れを掴みましょう。
(1)ペルソナを設定する
ペルソナとは、属性や趣味、価値観など細かく設定する架空の顧客像のことです。似た言葉に「ターゲット」がありますが、ペルソナほど設定が細かくありません。ここでの目的は誰に・どんな製品を・どうやって届けるかを決めることですので、より詳しいペルソナを設定しましょう。
ターゲットの例とペルソナの例の違い
●【ターゲット】20代、男性、独身
●【ペルソナ】24歳、男性、独身、メーカーの営業職、年収400万円、神奈川県の実家暮らし、趣味はサーフィン、最近の悩みは営業成績の停滞
マーケティングにおけるペルソナについてもっと詳しく知りたい方は、下記のコラムをご覧ください。
(2)マーケティングコミュニケーションの目標・予算を設定する
ペルソナが明確になったら、マーケティングコミュニケーションの目標を決めましょう。目標は、売上金額・エンゲージメント数など数値で示せるものを設定し、最終的に効果検証できるようにします。予算は売上の中からどのくらいを充てられるかを踏まえて決めましょう。
(3)コミュニケーションの手段・内容を決定する
マーケティングコミュニケーションの目標に対して、どのコミュニケーション手法の費用対効果が高いのかを検討しながら選びます。手法を決めた後は、コミュニケーションを通じてどのような価値を顧客に伝えるかといった具体的な内容を決めていきましょう。
マーケティングコミュニケーションの手法と目標の例
●【広告】新製品をたくさんの人に知ってもらう
●【プレスリリース】新製品を口コミで広めてもらう
●【イベントマーケティング】実物に触れてもらい、商談機会を獲得する
●【販売促進活動】リニューアルした製品の魅力を知ってもらい、売上拡大につなげる
●【ダイレクトマーケティング】既存顧客との良好な関係を維持する
●【コンテンツマーケティング】顧客ロイヤリティを高めて自社ブランドのファンを増やす
(4)コミュニケーションメッセージを作成する
目標達成のためにペルソナへ伝えたい内容を明確にして、コミュニケーションメッセージを作成します。ペルソナの目線で行動や価値観を理解し、ペルソナにとって大切なことや解決したい課題を考えることで、伝えるべきメッセージの内容が自然と浮かんで来るでしょう。
(5)マーケティングコミュニケーションを実施して効果検証を行う
マーケティングコミュニケーションの終了後は効果検証を行い、目標が達成できたかどうかを判断します。達成できた場合は今後ビジネスでさらに成長するための改善策を考え、失敗した場合は原因を分析して達成するための方法を考えましょう。
マーケティングコミュニケーションの注意点
マーケティングコミュニケーションを実行する場合、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。ここでは4つの注意点について解説します。
①他社との差別化を意識して取り組む
マーケティングコミュニケーションは、市場規模が大きくなるほど競合が増え、マーケティングの難易度も高くなります。規模が大きい場合、特に注力したいのが他社との差別化です。競合を分析して他社にはないアピールポイントを認識し、アピール方法を工夫しましょう。
②予算を決めずに実行しない
マーケティングコミュニケーションの手法はさまざまで、場合によってはかなりの予算が必要となります。資金を投入しすぎると、売上が著しく伸びても赤字に陥ることがあり、本末転倒です。どんなマーケティングコミュニケーションでも、予め予算を決めて計画的に実行しましょう。
③ペルソナに合ったメディアを選ぶ
どんなに魅力的なメッセージを作って発信しても、ターゲットに見てもらえなければ無意味です。例えば、テレビを見ない層にCMを流しても見てもらえません。イベントやSNSなどさまざまなチャネルから、ペルソナを意識してターゲットに届きやすいメディアを選びましょう。
④顧客目線で日々情報を収集し続ける
SNSの普及で顧客の興味関心やマーケティングチャネルが変化し続けるようになり、それに伴ってマーケティングコミュニケーションの変化も早くなりました。適切なマーケティングコミュニケーションを実施するには、顧客が何をどのように見ているのか考え続けることが大切です。
顧客目線の情報収集のために日々できること
●ブログ・SNS・配信サービスなどの媒体でどんな層が何を見ているのかを知る
●SNSで拡散されている話題をチェックし、ターゲットに関わる話題は特に詳しく把握する
マーケティングコミュニケーションのためのペルソナ設定ならロイヤリティ マーケティングへ
マーケティングコミュニケーションを成功に導くには、まずペルソナを設定する必要があります。
社内でペルソナを設定するのが難しい、分析を継続的に自社で行なっていくリソースがない、といった場合は、ノウハウを持つ専門機関へ依頼するのもおすすめです。
ロイヤリティ マーケティングのPERSONA+は顧客ニーズを的確に捉え、効果的なマーケティングプロモーションの実施をサポートします。マーケティングにおけるペルソナの設定・分析にお困りの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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