コラム

2024-04-18

デジタル広告の効果はキャンペーン期間後の購買にも寄与する?【Pontaマーケティングラボ vol.9】

デジタル広告を配信すると、通常、広告効果は短期的な視点で評価されます。例えば、広告配信期間中の売上や購入客数を見たり、SNSやネット上の評判を確認したりすることで、どれだけ広告効果があったのかを見るのが一般的です。

では、デジタル広告配信の効果は短期的なものなのでしょうか?それとも、中長期的な購買促進にも効果があるのでしょうか?

ロイヤリティ マーケティングは、個人を特定しない形でPontaの購買データと大手プラットフォーマーをIDごとに連携。Pontaデータを活用したデジタル広告のターゲティング配信と広告配信後のリアル店舗での購買分析を提供しています。

そこで今回のマーケティングラボでは、インセンティブキャンペーンのデジタル広告がキャンペーン期間後の購買へも寄与するのか、具体的に検証した事例について、ご紹介します。

Pontaコネクティッドメディア

広告IDに依存せず大手広告プラットフォーマーとPontaデータを連携。Facebook/Instagram広告、X(旧Twitter)広告、LINE広告などのSNS広告や、YouTube広告といった動画広告、Googleディスプレイネットワーク(GDN)、YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)などのディスプレイ広告で、Pontaデータを活用したターゲティングや購買分析を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

[検証テーマ]インセンティブキャンペーンのデジタル広告の効果はキャンペーン期間後の購買にも寄与する?

ユーザーインセンティブのあるキャンペーンについてデジタル広告を配信すると、短期的には広告接触者の購買を促すなどの広告効果を見込めます。それは、広告接触者がインセンティブ目当てに来店・購買するためのものです。例えばPonta購買データを活用した過去の分析では、インセンティブキャンペーンのデジタル広告を配信した場合、特に高価格帯の商品を扱うリアル店舗での購買率が高まるという結果が出ています。

では、インセンティブキャンペーンの広告をデジタルで配信した場合、その効果はキャペーン期間中の短期的な購買促進に留まるのでしょうか?それともキャンペーン期間後の中長期的な購買にも寄与しているのでしょうか?

インセンティブキャンペーンのデジタル広告の効果はキャンペーン期間後の購買にも寄与する?

この疑問を解消するため、Pontaポイントをインセンティブとしたキャンペーンで、広告の中長期的な影響を検証しました。

[検証手法]広告キャンペーン期間中・期間後で広告接触有無による購買率の差を確認

ロイヤリティ マーケティングは、2社以上のPonta提携社を利用した方にPontaポイントをプレゼントする大型買い回りキャンペーンを実施。YouTube、LINE、Instagram、Google ディスプレイネットワーク(GDN)で広告を配信しました。

本キャンペーンにおいて、広告配信対象のリストの中から広告を配信するグループ(広告接触者/全国 約68万人)と敢えて広告を配信しないグループ(広告非接触者/全国 約150万人)を設定。広告接触有無で対象提携社での購買率を比較することで、広告効果を分析しました。

具体的には、広告接触者と非接触者のキャンペーン期間中の購買率の差から、広告効果を確認。さらに、キャンペーン中に購買した顧客がキャンペーン期間後にどの程度購買したのかを広告接触有無で比較することで、中長期的なの広告効果を検証しました。

[検証手法]広告キャンペーン期間中・期間後で広告接触有無による購買率の差を確認

[検証結果レビュー1]キャンペーン期間後も広告効果は持続

一般的にユーザーインセンティブのあるキャンペーンに関する広告を配信すると、短期的には広告接触者の購買率は増加する傾向にあります。それは、ユーザーがインセンティブを目当てに来店・購買するからだと考えられます。ではインセンティブにより引き起こされる広告効果は一過性のものなのでしょうか?

もしインセンティブキャンペーンに一過性の効果しかないのであれば、キャンペーン期間後の広告接触者・非接触者の購買率に差は出ないはずです。逆に、もしインセンティブとは関係のないキャンペーン期間後でも広告接触者の購買率のほうが高ければ、広告が中長期的な購買に寄与しているといえます。

下の図は本キャンペーンにおけるドラッグストアAの購買率をまとめたものです。本施策の結果、キャンペーン期間中1カ月の広告接触者の購買率は広告非接触者の1.31倍、キャンペーン期間後3カ月でも1.30倍となりました。ここから、広告に接触しインセンティブキャンペーン中に購買した層は、キャンペーン終了後においても購買する傾向にあり、広告配信後も広告効果が持続していると考察できます。

ドラッグストアAにおけるキャンペーン期間後の購買率の持続状況

さらに、ほかの業種の購買率も検証したところ、同様の結果が出ました。

コンビニエンスストアB・スーパーCにおけるキャンペーン期間後の購買率の持続状況

本キャンペーンでは、業種に関わらず、キャンペーン期間中に購買のあった広告接触者が購買を続けており、広告配信後も中長期的に広告効果が持続しているとわかりました。つまりインセンティブキャンペーンの広告効果は、一過性に留まらず、中長期の購買にも寄与するといえるでしょう。

 

[検証結果レビュー2]新規顧客もキャンペーン期間後に購買を継続

インセンティブキャンペーンでは、広告に接触した新規顧客がインセンティブ目当てに初めてその企業を利用していることが想像できます。では、キャンペーンの広告をきっかけに新規で購買した顧客は、一時的にその企業を利用しただけなのでしょうか?それとも、キャンペーン期間後もその企業を利用するのでしょうか?

本キャンペーンの対象者のうち、過去2年間にドラッグストアAでの購買が一度もない顧客を「新規顧客」と定義。キャンペーン期間中に購買があった人に絞って、期間中1カ月と期間後3カ月の購買率を検証しました。

ドラッグストアAの新規顧客のキャンペーン期間後の購買率持続状況

まずキャンペーン期間中の購買率を確認すると、広告接触者全体の購買率が広告非接触者の1.31倍であるのに対し、新規顧客では広告接触により購買率が1.40倍となりました。ここから、広告を見てインセンティブ目当てに初めて買い物をした顧客が、キャンペーン期間中の購買率を引き上げていることがわかります。

さらにキャンペーン期間中に購買した新規顧客のキャンペーン後3カ月の購買率を広告接触有無で比較すると、広告接触者が広告非接触者の1.45倍となりました。広告を見てインセンティブ目当てに新規で来店・購買をした顧客は、その後も購買を継続する傾向にあるといえるでしょう。

つまり、インセンティブキャンペーンの広告効果は、一時的な新規顧客獲得にとどまらず、中長期での顧客定着にも寄与していると読み取れます。

 

購買データを活用すれば広告効果を中長期で検証できる

本事例では、インセンティブキャンペーンが短期的な顧客獲得はもちろん中長期的な顧客定着にも寄与しており、広告効果が中長期で持続している状況が浮かび上がりました。ここから、デジタル広告の配信効果を検証する際には、短期的な購買促進効果だけでなく、新規顧客獲得および顧客定着への寄与という中長期での効果も考慮することが必要だとわかります。

Pontaデータを活用すれば、短期だけでなく中長期での広告効果を可視化することが可能です。さらにリアル購買データを活用することで、ブランドや商品単位での分析もできます。分析内容から、より効果的な広告配信を計画するなど、中長期的なプロモーションのPDCAを実現します。

Pontaデータを活用したプロモーションの最適化にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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