コラム
2023-12-05
イエナカ×イエソトデータでわかるユーザーの生活習慣・感情・購買行動とは?
【Pontaマーケティングラボ vol.8】
目次
購買データなどの実行動データを活用すれば、ファクトデータに基づいた顧客分析が可能です。しかし商品を購入したユーザーが、実際にどのような生活を送っているかは、これまで可視化できていませんでした。
ロイヤリティ マーケティングと電通は、事前にユーザーからデータの利用許諾を得たうえで、家庭内のIoT家電データとPontaのリアル購買・行動データを活用し、生活者の家の中での生活スタイルと家の外での購買活動を関連付けて、個人を特定しない形で分析しています。
2023年10月20日(金)に開催された「CEATEC2023」データ利活用トークステージDay4では、電通の前川氏とロイヤリティ マーケティングの小河・佐久間が、IoT家電データとPontaのリアル購買・行動データを連携することで見えてきた、ユーザーの本質的なインサイトについてお話ししました。
今回の「Pontaマーケティングラボ」では、「CEATEC2023」トークステージの内容をもとに、イエナカ×イエソトデータから分析した、ユーザーの生活習慣・感情・購買行動についてご紹介します。
電通とロイヤリティ マーケティングの協業について
ロイヤリティ マーケティングは、データマーケティングのリーディングカンパニーである電通と協業。Ponta会員の購買データと電通の持つさまざまなマーケティングデータを掛け合わせた分析や、大手プラットフォームでの分析基盤構築に取り組んでいます。
イエナカ×イエソトデータから検証!自動調理鍋利用者の顧客像とは?
電通が保有する「IoT家電データ」とPonta会員の「リアル購買・行動データ」をIDごとに連携することで、ファクトデータを用いて、生活者の家の中での生活スタイルと家の外での購買活動を関連付けて分析することが可能です。電通とロイヤリティ マーケティングは、これまでイエナカとイエソトのデータを活用して、生活者のインサイトを深掘りしてきました。
ユーザーが商品を購買・消費する際には、生活の中で何かしらのきっかけから感情や欲求が発生し、これが購買意欲となって実際の購買・消費につながります。この流れを「生活習慣」、「感情・欲求」、「購買・消費」という3段階に分けて分析することで、顧客像を可視化できるのです。
今回は、キッチンを起点に、IoT家電データ、アンケートデータ、Pontaデータを使って「生活習慣」、「感情・欲求」、「購買・消費」を分析し、自動調理鍋利用者の顧客像を明らかにしました。
IoT家電データと購買データから見える生活習慣
自動調理鍋を利用すれば、調理の時間をほかの用事に充てたり、予約調理で意図した時間に食事したりできるため、時間効率良く生活を送れます。そのため自動調理鍋を購入・使用しているユーザーは、忙しい日々の中で手間をかけずに食事を用意したいという傾向があると推察できます。
では、自動調理鍋利用者は、どのような生活習慣を持っているのでしょうか。
自動調理鍋利用者のスーパーでの購買状況をPonta会員全体と比較。すると自動調理鍋利用者は、全体的にスーパーの利用率が高く、中でも「休日のみスーパーを利用する」という割合が高いことがわかりました。そこから、休日にまとめ買いした食材を使って、平日に効率良く調理していると判断できます。
このように、IoT家電データと購買データの分析から、献立の検討や調理に手間をかけず、休日にまとめ買いした食材を使って時間効率良く調理するといった、合理的な生活を送る顧客像が浮かび上がりました。
アンケートデータから見える感情
上の図は、料理に関する意識・価値観アンケートに対する回答をまとめたものです。自動調理鍋利用者は「合理的に家事をこなす」傾向があり、「無理してでも料理は手作りする」意識は低いという結果が出ました。このことから、自動調理鍋利用者は、手料理にはこだわらず、ときにはレトルト食品や購入した総菜を活用する、合理的な価値観を持っていることが見て取れます。
一方で「健康的な食事を考える」「心身ともに健康である」といった回答のポイントが低く、健康的な食事を用意できていないことを自覚し、健康に課題意識を持っていることも推察できます。
これらの感情から、健康に対するある種の罪悪感を抱きながらも、無理なく健康的な食生活を送りたいという顧客像が浮かび上がります。
Ponta購買データとアンケートデータから見える購買・消費
上の図は、Ponta購買データとIoT家電データを掛け合わせて、自動調理鍋利用者と非利用者の商品カテゴリ別購買率を分析したものです。自動調理鍋利用者は非利用者に比べて、健康志向が低いイメージの強いエナジードリンク類の購買率が低く、一方で栄養補助食品の購買率は高いことが確認できました。自動調理鍋利用者は、健康的な食品を好んで購買していることがわかります。
では栄養補助食品はどのような方が購入しているのでしょうか。下の図は、栄養補助食品の購入に関するアンケート調査の結果を、世帯の状況ごとにまとめたものです。
単身世帯では過半数の人が自分のために栄養補助食品を購入しているのに対し、2人以上の世帯では自分以外の家族が買ったものを消費していることがわかりました。
これらの購買行動とアンケート調査の結果をあわせると、自動調理鍋利用者が家族の健康のために健康志向の食品を積極的に購入する様子がうかがえます。栄養補助食品などの手軽に購入・消費できる食品を活用し、家族の健康をサポートしたいという顧客像が浮かび上がりました。
見えてきた自動調理鍋利用者の顧客像
自動調理鍋利用者の「生活習慣」「感情・欲求」「購買・消費」の分析結果をまとめたものが、上の図です。
毎日が忙しく合理的な生活を意識しており、凝った料理で栄養をとることにこだわらないものの、手軽に摂取できる栄養補助食品なども利用しながら無理をせずに家族の健康を気遣っている。そのような顧客像が浮かび上がってきます。
イエナカ×イエソトデータでユーザーの本質的なインサイトを捉えられる!
これまでの顧客分析でも、購買データなどの実行動データを活用することで、ユーザーのインサイトをある程度までは推測できていました。例えば、栄養補助食品をよく買う方であれば、健康意識が高いユーザーであろうといった判断できます。
しかしそれだけでなく、イエナカデータとの連携により自動調理鍋利用者の意識を深掘りすると、「調理の時短などにより効率的な生活を求める一方で、健康的な食事ができていないことへ多少罪悪感を持っており、それを少しでも補うために栄養補助食品を利用している」というユーザーシナリオまで可視化されるのです。
このようにイエナカとイエソトのデータを連携し、家庭内の生活と店頭購買まで見えるようになれば、ユーザーのライフスタイルとそこから発生する本質的なニーズ・インサイトを発掘できます。これは、効果的なマーケティング計画の一助となるでしょう。
購買データを活用したマーケティングにご興味があればご相談ください
ロイヤリティ マーケティングは、生活者のリアルな購買行動をデータとして活用することで、精度の高い広告配信や分析を実現し、企業のマーケティング活動を支援しています。さらに今後は、IoT家電データをはじめ、さまざまなデータと購買データとを掛け合わせて、新たな価値を生み出す取り組みを推進する予定です。
購買データを活用したマーケティングにご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
※ Ponta 会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、個人を特定しないセキュアな環境でデータ分析・利活用を行っております。
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