コラム

2023-08-25

【効果検証の目的とポイント】マーケティング施策を改善する具体的な手法についても解説

マーケティング施策後は結果の検証が必要ですが、具体的にどうしたらいいかわからず、お困りの方も多いのではないでしょうか。本記事では、効果検証の目的やポイント、マーケティング施策を改善する手法について解説していきます。

マーケティングにおける効果検証の目的とは?

例えば社内で「プロモーションの効果は出ているか」と聞かれて、困った経験はないでしょうか。この質問の意味は「施策がビジネスの最終目的につながっているかどうか」ですので、そもそも即答できるものではありません。質問に適切に答えるためには、効果検証が必要となります。

マーケティングにおける効果検証とは?

マーケティングの効果検証とは、マーケティング施策の実施後、狙った目的が達成できたかどうかを検証することです。昨今はWebマーケティングが主流のため、特にデジタルマーケティングに対しての効果検証を意味することが多くなっています。

現代は効果検証を実施しやすい環境

従来のマーケティングではデータの収集や分析が困難でしたが、現代ではコンピュータの高速化により、大量の情報をスピーディーに扱えるようになったことで、効果検証を実施しやすい環境となりました。


効果検証の例

●テレビCMの効果検証:CMを見た何%がHPを訪れたのかを正確に把握するのが難しい

●Web広告の効果検証:表示広告の何%がクリックしてHPを訪問したかがすぐにわかる


 

マーケティング施策の効果検証の目的

マーケティングにおける効果検証の目的とは、結果に結びついた要因を明らかにし、今後同じ施策を実施していくかどうかを決めることです。施策を続けるか別の施策に切り替えるかの判断をできるようにすることが重要ですので、判断ができないなら効果検証をしているとは言えません。

効果検証の対象は施策全体である

効果検証の対象はマーケティング施策全体であり、「レスポンス率がよくなった」「自社のサービスにおける客単価が上がった」といった部分的な数値の改善では不十分です。一部の数値を確認して終わってしまうと、マーケティングの改善にはつながらず、効果検証にはなりません。


効果検証の対象

●【正】広告Aを使ったプロモーションの成果

●【誤】広告Aのクリック率(測定指標の1つであって効果検証の対象として不十分)


 

マーケティング施策を改善するための具体的手法

マーケティングにおける効果検証は、施策を改善するための重要な仕組みにもなっています。では、具体的にどのような手法を通じて施策を改善していくとよいのでしょうか。

マーケティング施策の目的を明確にする

そもそもマーケティング施策の目的が曖昧だと適切な効果検証が実施できませんので、まずは目的を明確にしておきましょう。例えば「製品の認知度を向上させたい」「HPへの新規訪問ユーザーを増やす」などです。

施策の目的をもとにKGIやKPIを設定する

続いて、マーケティング施策の目的に基づいてKGIとKPIを設定していきます。KGI(重要目標達成指標)とは、マーケティング施策の最終的なゴールを数値で表した指標で、KPIはKGIを達成するための中間目標です。


目的・KGI・KPIの違い

●【目的】最終的に目指す状態 例:ECサイトでの売上を伸ばす

●【KGI】最終的なゴールの数値での指標 例:ECサイトで昨年対比140%の売上を実現する

●【KPI】具体的な中間目標 例:KGIを達成するために、ECサイトの訪問者数を500万人にする


 

マーケティング施策に有効な手段を選ぶ

KPIを設定したら、ビジネスで目指すべき姿を踏まえて具体的なマーケティング施策を決めていきます。ポイントは目的に沿った手段を選ぶことです。例えばSNSでの情報発信方法はさまざまで、同じチャネルでも目的や情報を届けたい対象によって、適切な配信方法が変わります。

効果測定の準備を整えて施策を実行する

手段を決めて施策を実行する際は、事前に施策実行後の測定を見据えて準備しておきましょう。例えば新規顧客の獲得を目的に広告を配信する場合、事前に新規顧客と既存顧客を区別する設定が必要です。区別しなければ、広告配信の効果検証のデータとして使用できません。

効果測定をおこなう

マーケティング施策の実施後、実施の前と後で指標がどのように変化したのかを観測しましょう。例えばWebサイトを通じた資料請求の増加を目的とした施策では、コンバージョン数やコンバージョン率から施策の効果を判断できます。

改善策を検証する

一定期間測定した後、どのように効果が出て成果につながっているのかを分析し、成果につながらなかった場合は改善点を洗い出して効果検証していきましょう。サイトへの経路やユーザーが離脱したページといった行動履歴を数値化して分析すると、施策を改善する参考になります。

効果の測定に使う代表的なマーケティング指標

デジタルマーケティングでは、KGIに応じた指標がKPIとして使われています。測定に使う指標にはさまざま種類がありますので、その違いを比較していきます。

クリック単価(CPC)

クリック単価とは、Web広告をクリックした際に発生する1回あたりの費用です。 その広告がどれくらいクリックされたのかが数値でわかり、広告の効果検証に役立ちます。デジタルマーケティングにおけるWeb広告の費用対効果を高めるために重要な指標です。


クリック単価が表す意味

●クリック単価が低い:広告からWebサイトへ導く際のコストが安い

●クリック単価が高い:広告からWebサイトへ導く際のコストが高い


 

ROAS(Return on Advertising Spend)

ROASとは、広告費全体における売上の割合を示す指標で、デジタルマーケティング広告の費用対効果の検証に役立ちます。売上と広告費が同額だとROASが100%になり、100%以下だと売上より広告費が高いことを意味しますので、100%を上回るように調整が必要です。

CPA(Cost Per Acquisition)

CPA(顧客獲得単価)は、1件のコンバージョンを獲得するために、どのくらいのコストをかけたかを表す指標です。ROASもCPAも広告費に関する指標ですが、ROASはかかった広告費に対する売上で、CPAはコンバージョンに対しての費用という違いがあります。

効果検証のレポートは優先順位をつけて見る

デジタルマーケティングの効果検証のレポートには、紹介したようなCPCやCPAなどの指標が記載されています。それを見て、何をどうやって解釈していったらいいのか困った方も多いのではないでしょうか。実は優先順位をつけて見ていくと、レポートの見方が容易になります。

マーケティング担当者が優先すべきは費用対効果の指標

マーケティング担当者の役割は会社の売上を伸ばす活動の実施であり、広告に関しては費用対効果の最適化です。したがって、優先すべきは費用対効果がわかるCPAのような指標となります。その上で直帰率やクリック数などを見ていくと、それぞれの指標の意味が見えてくるのです。

マーケティングにおける効果検証のポイント

マーケティング施策の目的を決めて効果検証を実施し、改善策を次回の施策に盛り込んでも、期待した結果が得られないことがあります。その原因は、効果検証の進め方にあるかもしれません。ここでは、適切かつ円滑に効果検証を進めるためのポイントを紹介していきます。

最終的な目的を明確にして共有する

効果検証を適切に進めるポイントは、最終的な目的を明確にして社内で共有することです。例えば、Webサイトの最終目的をアクセス数増加に設定した場合、たとえアクセス数が伸びても、Web担当者以外にとってはその数値の意味やどれだけ重要なのかがわからない場合があります。


最終目的が「WebサイトのPV増加」の場合

●社内の理解が得られず、施策を提案しても予算が下りない場合がある

●PVが実際に増加しても、それが何につながるのかが不明確


 


最終目的が「売上を伸ばすこと」の場合

●WebサイトでのPV増加は売上を達成するための手段となる

最終目的を社内で共有でき、目的に沿った提案をすることで他部署から理解を得やすい


 

効果検証の評価基準を明確にする

効果検証をスムーズに進めるポイントは、明確な評価基準にすることです。例えば「サイトユーザーを3万人増やす」という設定より「サイトのデザインを改善し、半年以内にユーザーを3万人増やす」とした方が効果検証を進めやすくなります。その際有用なのがSMARTの法則です。

SMARTの法則

KGIやKPIを設定するときによく使われる手法がSMARTの法則です。SMARTは以下の5つの言葉の頭文字を取ったもので、これを基準として当てはまるように指標を設定していくと、効果検証がスムーズになります。ただし、常に全ての基準を満たす必要はありません。


SMARTの法則

●Specific(明確な):誰が見てもはっきりとわかる指標をチームで共有する

●Measurable(測定可能な):数値で表せる指標にする

●Achievable(達成可能な):非現実的な目標はモチベーション低下につながる

●Realistic(関連がある):KPIとKGIの両方に関連がある内容にする

●Timely(適切な時期に):KPIやKGIは期間を定めて設定する


 

効果測定の基準を揃える

指標によっては異なるデータを組み合わせる場合もありますが、測定基準に違いがあると同じ尺度で比較できません。例えば、定義の違いやインプレッションの測定基準の違いなどです。適切な効果検証を実施するためには、同じ基準で測定された数字の比較がポイントになります。

計画完了後に測定をおこなう

効果検証の重要なポイントは、プロジェクトが全て完了した後に測定を実施することです。効果検証は施策の継続を判断するものですので、頻繁に測定すると何度も計画が変更され、効果を判断しづらくなります。長期プロジェクトであっても、計画完了後に測定を行うことが重要です。

導き出された改善策を共有する

効果検証における目的設定から測定・検証に至るまでの全てのプロセスを社内で共有する必要はありませんが、効果検証を経て導き出された改善策は共有しましょう。改善に向けての取り組みを各立場で考えることで、コスト削減やスピーディーな課題解決につながります。


効果検証で得られた結果を共有するメリット

●マーケティング施策に対し、他部署のメンバーから興味を持ってもらえる

●デジタルマーケティングの場合、社内でWeb広告やWebサイトへの理解が進む

●施策や効果検証そのものを事業の中で戦略的に位置づけ、計画的に運用できる

●マーケティング施策の予算計画を立案しやすくなる

●各部署の要望を整理できる


 

効果測定に利用するシステム

現代のマーケテイングの多くはWebを介したデジタルマーケティングですので、効果検証をスムーズに進めるためには、マーケティングを支援するためのソフトウェアの導入が必要不可欠です。ここでは、効果測定に利用する重要な2つのシステムを紹介します。

MA(Marketing Automation)

MAとは、顧客獲得のためのマーケティング施策を自動化することで、そのために使うソフトウェアがMAツールです。MAにはWeb広告の効果測定機能やアクセス解析など、デジタルマーケティングの効果検証に役立つ機能が搭載されています。


MAでできることの例

●見込み顧客の情報を申し込みフォーム経由で自動登録する

●見込み顧客のサイト内での行動ログを閲覧

●見込み顧客のサイト内での行動ログをリスト化する

●見込み顧客へのメルマガ配信


 

SFA(Sales Force Automation)

SFA(営業支援システム)とは、営業部門の情報を分析するシステムです。営業の行動管理や商談結果の蓄積などの機能があり、営業活動の効率化に役立ちます。MAでは売上や利益を把握できないため、施策によってもたらされた利益を知るにはSFAの活用が必要です。


SFAでできることの例

●営業担当者の行動管理と営業活動のサポート

●売上データを管理する

●営業データを蓄積する

●案件の進捗状況を管理する


 

効果検証の実施にはMAとSFAの連携が重要

MAとSFAは使い方に違いがあり、MAはマーケティング活動における具体的な施策を実施するためのツール、SFAは営業活動におけるデータや進捗を管理するツールです。それぞれ役割が違いますので、効果検証を実施するためには両者の連携が欠かせません。

ロイヤリティ マーケティングなら施策前の効果検証設計からワンストップでご支援

マーケティング施策の効果検証には、さまざまな目的や手法、指標が存在します。ただこれらの情報を用いて、実際に施策から検証を進めていくには相応のリソースと時間が必要です。

 

弊社では、市場動向や施策対象者特有の傾向を考慮した純粋な測定を実施することで、効果的なマーケティング施策の実現を支援しています。効果検証の設計段階からワンストップでサポートいたしますので、どのように検証したらいいのかお困りの方はぜひ一度お問い合わせください。

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