コラム

2022-12-12

イエナカデータ×イエソト購買で見える生活者インサイトとは?
【Pontaマーケティングラボ vol.4】

ロイヤリティ マーケティングでは、Ponta IDに紐づくファクトデータを活用し、企業のマーケティングを支援しています。

さらに生活者ニーズを捉えた精度の高いマーケティングで、生活者により良い体験価値を提供するため、データマーケティングのリーディングカンパニーでもある株式会社電通と協業。Ponta会員の購買データと電通の持つさまざまなマーケティングデータとを掛け合わせた分析や、大手プラットフォームでの分析基盤構築に取り組んでいます。

この度、電通の提供する国内初IoT家電データを活用した統合マーケティングソリューション「domus optima」に、Pontaの購買データがIDごとに連携できるようになりました。それにより、ファクトデータを用いて、生活者の家の中での生活スタイルと家の外での購買活動を関連付けられるようになったのです。

この手法を用いて、電通とロイヤリティ マーケティングでは、生活者の家の中での生活スタイルによる買い物の傾向の違いについて分析。家の中での家電の利用データ(=イエナカデータ)と実店舗でのリアル購買データ(=イエソト購買データ)を掛け合わせることで、これまでは明らかになっていなかった生活者のインサイトが浮かび上がってきました。

2022年10月1日(土)~31日(月)に開催された「CEATEC2022」オンラインセッションでは、電通データ・テクノロジーセンターの前川駿氏より、具体的な分析結果についてご説明がありました。今回の「Pontaマーケティングラボ」では、「CEATEC2022」オンラインセッションの内容をもとに、イエナカデータ×イエソト購買データでどのようなことがわかったのかご紹介します。

イエナカデータ×イエソト購買から見えた生活者インサイト

Pontaの購買データとIoT家電の利用データを掛け合わせることで、家の中でどのような生活をするユーザーが、家の外でどのような購買活動を行っているのか、明らかにすることができます。それにより、これまで表に出ることのなかった生活者の無意識的な心理や行動、つまりインサイトを知ることができるのです。

具体的な例として、クーラー利用とアイス購買の関係、自動調理鍋とアルコール飲料の購買の関係の分析結果をご紹介します。

エアコン利用頻度とアイスの購買率の関係

エアコンの冷房機能をよく使う層を「冷房Heavy層(冷房H)」、ある程度使う層を「冷房Middle層(冷房M)」、あまり使わない層を「冷房Low層(冷房L)」、ほとんど使わない層を「冷房Non層(冷房Non)」と定義します。(※暖房についても同様に定義。)

Ponta会員の購買データから、それぞれのユーザーがどれくらいアイスを買っているのかを分析したところ、冷房・暖房の使用頻度とアイスの購買行動には深い関係性があるという結果が出ました。

ここから、暑がりの傾向にある人ほど、アイスをよく食べているということがわかります。

自動調理鍋の大きさとアルコール飲料の購買の関係

下の図は、自動調理鍋の大きさ(容量)とコンビニでのアルコール飲料の購買率を比較したものです。容量が小さい鍋を利用しているのは一人暮らしやカップルの方が多く、容量が大きい鍋は世帯人数の多いファミリー層に使われていると考えられています。

自動調理鍋の容量とアルコール飲料の購買データを掛け合わせて分析すると、自動調理鍋の容量が大きくなるほどアルコールの購買率は下がることがわかりました。つまりファミリー層は、一人暮らしやカップルの方に比べ、コンビニでのお酒の購買が少ないと考えられます。

イエナカデータ×イエソト購買データ×アンケート調査でさらなる深掘り

IoT家電データ・Ponta購買データに加え、アンケート調査を行うことで、生活の裏にある人の意識に着目すると、生活者インサイトをさらに深掘りすることができます。

具体的にどのようなインサイトが浮かび上がるのか、分析結果をご紹介します。

エアコンの利用頻度とソフトドリンクの購買数の関係

下記は、エアコンの利用頻度とソフトドリンクの購買個数の関係を分析したものです。エアコンの冷房機能をよく使う層(冷房H)はソフトドリンクの購買率が高いということがわかります。

それでは、なぜ冷房機能をよく使う人がソフトドリンクを大量に購入するのでしょうか?

アンケート調査の結果、冷房をよく使う層はリモートワークを活用する傾向があるということがわかりました。そこから、自宅で仕事をする際にソフトドリンクをよく飲んでいるという状況が浮かび上がります。また、週4日以上コンビニやスーパーを使う人も多く、結果としてソフトドリンクをよく買っていると推測されます。

下の図は、自動調理鍋の調理メニューの利用状況とアイスの購買率を分析したものです。「菓子」を自動調理鍋でよく作っている人はアイスの購買率が高いという結果が出ています。

では、自動調理鍋でよく「菓子」を作る人は、どんな意識を持っているのでしょうか?

アンケートによる意識調査では、自動調理鍋でよく「菓子」を作っている人は、その他のメニューをよく作る人に比べて、「癒されたい」「不安を取り除きたい」「自分へのご褒美が必要だ」といった意識が高いという結果が出ました。

ここから、ストレス解消をしたい人がお菓子を自動調理鍋で調理したり実店舗で購入したりする姿が浮かび上がります。

イエナカデータ×イエソト購買がユーザーインサイトの発掘につながる!

マーケティングの戦略・計画立案においてユーザーインサイトを知ることは重要な要素の一つです。

IoT家電のイエナカデータとPontaのイエソト購買データを掛け合わせることでユーザーの生活スタイル全体をログデータとして取得でき、ユーザーインサイト発掘の有効な手段だと言えるでしょう。

ロイヤリティ マーケティングでは、購買データを他の様々なデータと掛け合わせて新たな価値を創造する取り組みを推進しています。ご興味のある方はぜひお問合せください。

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