コラム

2022-08-23

CDPって本当に必要?ミニマムではじめる顧客データ活用

生活者の多様化が進む現代においては、いかに一人ひとりの顧客をデータに基づいて深く理解できるか?が重要なテーマであり、その手法の1つとして注目されているのが「CDP」です。

CDPはCustomer Data Platformの略称であり、文字どおり顧客データを統合・活用できるプラットフォームを意味します。最近では「ノーコード」や「ローコード」といった、MySQL不要でマーケターでも扱いやすいツールも出てきており、現場で扱う敷居も低くなってきている印象もあります。しかしながらそれと同時に、拙速にCDPを導入することで失敗してしまうケースも増えてきているように思えます。

CDPとは?

CDPについて、もう少し掘り下げて説明しておきましょう。前述のとおりCDPとは、企業が保有する顧客データを収集・統合・分析できるプラットフォームです。顧客の基本属性データ、自社サイトでのアクセスログ、購買データやアンケートデータなど複数のデータを一元的に取り扱い、活用することができます。

データの収集

CDPには、顧客データを収集する機能があります。たとえば、Webサイトに訪れたユーザーのアクセスログや購買履歴などを収集したり、複数のシステムに分散していたデータやオフラインデータを収集したり、幅広いソースからデータを集約できるのがCDPの特長の1つです。

データの統合

複数のシステムなどから収集したあらゆるデータを顧客IDと紐づける(統合する)ことで、より解像度高く顧客像を捉えられるカスタマーデータを作成することができます。顧客ひとり一人の情報を統合的に管理することで、ニーズの把握や最適なアプローチを可能とする「基盤」になります。

データの分析

収集・統合させたデータを分析する機能もCDPでは提供されています。たとえば、商品・サービスに対する関心や顧客の趣味嗜好、ライフスタイルなどの分析が可能です。ターゲットセグメントを作成し、MAやCRMツールと連携することで、各種プロモーション施策まで実行することもできます。

CDP導入で陥る失敗

ここまでの話を聞いていると、そんなに有効なツールなら「いち早くCDPを導入するべきでは?」と思ってしまうかもしれません。もちろん昨今のビジネスにおいて、スピードは大事です。しかしながら、拙速に導入を進めると、膨大なコストをかけたのにも関わらず、充分に活用できずに終わるという取り返しがつかない「無駄」がうまれてしまうリスクもあります。具体的な失敗ケースをいくつかご紹介しましょう。

データ活用の目的があいまい

データ活用はあくまでも「手段」です。顧客の深い理解に立脚した商品企画や、MA連携によるマーケティング成果の向上など、何らかの目的達成のために取り組まれるものです。しかしながら、ベンダー主導による検討で目的設定がおざなりになったり、関連部門からのニーズを吸い上げていく中で目的が肥大化し曖昧になったりと、いつのまにか目的意識が希薄化し、「とりあえず何でもデータを統合できれば、どうにかなる」という乱暴な思考に陥ってしまうと、失敗のリスクは高まります。CDP導入後に「結局、データを使って何をしたいんだっけ?」という状態になるのは、是が非でも避けたいところです。

マーケティング側とシステム側の意識の差

マーケティング側が「目的」を強く意識していても、システム側が「つくりやすさ」や「リスク回避」を優先してしまうと、両者の間に溝ができ、結局役に立たないものができてしまうということもあります。導入方針や要件定義序盤までは、マーケティングメンバーが参画していても、徐々にエンジニア主導に切り替わる過程において、納期や予算などの制約を受けることで、もともと期待していたものから乖離していくというパターンです。マーケターもまだまだCDPの勝手がわからないことも多く、細かな要求まで落としきれない(伝えられない)ことも原因の一端になっているかもしれません。

CDPを現場で使うマーケティング側も、CDPを構築するエンジニア側も、最後までチームプレイで走り切るようなプロジェクト体制が重要だといえます。

運用フェーズでスタックしてしまう

目的達成が期待できるCDPが導入できたとしても、まだまだ安堵はできません。
むしろ、高額なシステム投資に見合う効果を示し続けていくという意味では、ここからが勝負です。
手探りに近い形でトライ&エラーを繰り返し、まずは、小さくても成功体験を積み重ねられるか?がポイントです。そのために、効果検証のスキームをあらかじめ準備できているか?CDPベンダーから充分な(適切な)サポートが受けられるか?も重要になってくるでしょう。
「もしかすると、CDP使い物にならないかも?」と不穏な空気が漂い、早期に運用をあきらめてしまう最悪のシナリオに至らないためにも、あらかじめ運用のイメージを明確化しておく必要があります。

ミニマムスタートではじめる顧客データ活用

CDPツール自体は安価なものも登場していますが、導入にあたっては相応の人的コストはかかるため、決して安い買い物とは言えません。導入後は、投資対効果を示す覚悟をもって運用し続ける必要もありますので、CDP導入やツール選定には、慎重な意思決定が求められるでしょう。
自社にとって本当にデータ活用が有効なのか?具体的はどんなデータが必要なのか?
その問いに明快に答えられない段階では、もしかするとCDP導入は時期尚早かもしれません。

まずはデータ活用の「手ごたえ」を確認しませんか?

Pontaポイントを運営しているロイヤリティ マーケティングでは、Ponta会員の基本属性に加えて行動や購買、価値観属性データを保有しており、それを駆使して企業のデータマーケティングを支援しております。
たとえば、自社の顧客データとPontaデータを連携し、CDPと同等の環境を疑似的に構築することで、データ活用の効果をミニマムで検証するといったアプローチも可能です。また、データの不足があれば、アンケートを通じて新たな顧客データを収集・統合することもできます。
「データ活用の有効性がいまいちわからない」「CDPが気になるが、本格検討に踏み切れない」‥など、データ活用に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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