コラム

2021-12-27

Pontaリアル購買⇄メガプラットフォーマー 経済圏間ID連携で実現する高精度分析&ターゲティング【セミナーレポート】

2021年11月2日(火)に開催された「アドテック東京 2021」プレゼンテーションステージに、弊社 小河 貴裕が登壇。『Pontaリアル購買⇔メガプラットフォーマー 経済圏間ID連携で実現する高精度分析&ターゲティング』という内容で、講演しました。

デジタル広告の競争が加速する環境の中、多くの企業でメガプラットフォーマーとの連携がマーケティング戦略の課題となっています。講演では、Pontaの経済圏IDとメガプラットフォーマーとの連携による取り組みと成果について、ご紹介しました。

スピーカー

株式会社ロイヤリティ マーケティング
プロダクト統括グループ データイノベーション本部 本部長
小河 貴裕

雑誌編集、Web広告企画・営業、ネットサービスのマーケティング、toB/toC双方の通信事業のマーケティング、CRM、商品開発、営業企画等を経て2017年当社入社。Ponta会員IDによるリアル購買/行動のビッグデータと、Google/Facebook等の大手プラットフォーマーやテレビ等のメディアデータを1IDで連携させたシングルソースマーケテイングを開発。現在は、自社&他社のデータおよびメディア活用によるサービスの企画・運用を担当 。

会員数1億を超えるPontaの強みとは?

Pontaの提携先は2021年11月時点で約200ブランド25万店舗、ローソンやKDDIをはじめ、コンビニ、スーパー、百貨店、金融機関、飲食店、家電量販店など、その業態は多種多様に渡ります。

Pontaの会員データの特長は、第三者の広告主向けにデータ活用できるパーミッションを会員獲得時に取得していること。つまり「Ponta DMP」には、提携先企業で利用される1億ID超に及ぶ大量のデータが、広告に活用できる形で日々リアルタイムに蓄積されているのです。

Ponta DMPの仕組み

Pontaでは、これらの膨大かつ多様なデータの分析・プランニングを行い、ターゲットを抽出することで、リアル店舗も含めた効果測定を実現しています。「Ponta DMP」の中で分析・プランニング・ターゲティング・広告配信・効果測定までシームレスなマーケティングサイクルを活用できることが、Pontaデータマーケティングの強みです。

Pontaデータマーケティングの強み

オフラインとオンラインの分断による問題とは?

Google・Facebook・Twitterといったデジタル広告を出稿する際の課題のひとつに、オンラインとオフラインのデータが分断されることで、広告の効果測定が難しいということが挙げられます。

デジタル広告のオン&オフラインの理想形は、オンラインで広告を視聴したユーザーがオフラインで購入した場合でも、データがシームレスにつながり、充分な効果測定を行えることです。オフラインで蓄積した購入データをオンラインのマーケティングに有効に活用できれば、新規顧客のターゲティング施策の精度も高まると考えられます。

しかし実際には、オンラインで広告を視聴したユーザーがオフラインで購買したとしても、多くの場合、購買データはオンラインとオフラインそれぞれのシステム内に留まります。結果、各データが連動せずシームレスになっていないことが問題だと言えるでしょう。

オンライン広告とオフライン購買の関連性

実はPontaが集計した実績データを分析すると、効率的なオンライン広告運用がオフラインでの購買行動に必ずしもつながっていないということが分かっています。

購買率と動画広告の再生率の関係

上の図は、動画広告の再生率と実際の購買率の関係をプロットしたものです。ここからは一定の傾向は読み取れず、動画再生率と購買率に相関関係は見られないということが分かります。動画広告を最後まで視聴したり、広告を見て「いいね」したりした場合でも同様に、相関関係はありません。

購買獲得単価と広告表示単価(CPM)の関係

同じく、広告表示単価(CMP)と購買獲得単価を分析した場合にも、正の相関関係は見られず、逆に弱い負の相関がみられるというデータが出ています。つまりCPMが安く抑えられたとしても、購買獲得単価が必ずしも抑えられるわけではないということです。

これらのことから、オンライン広告の効果測定指標が、実際の購買につながったかを検証する指標とはなり得ないことが分かります。

オンライン広告のターゲティング・効果検証にはオフラインデータ活用が有効

では、オンライン広告の効果を測定するにはどのような指標を用いるべきなのでしょうか。その答えがオフラインのデータを正しく活用することです。つまり広告で接触したユーザーが実際に購買したのか、購買データを正しく検証すべきだといえます。

特にオフラインでの購買・行動が含まれるプロモーションにおいては、ターゲティング、効果測定ともにオフラインデータを充分に活用するべきだと考えられるのです。

オフラインのデータ活用を阻む壁と、その解決方法

オンライン広告でもオフラインデータを活用することが重要ではあるものの、実際にはさまざまなハードルがあり、国内での実効性の高い実現例は非常に少ないのが現実です。

大きな3つの課題とPontaが提示する解決策について解説します。

データソースのボリューム

広告と連携するためにはオフラインのデータソースの量が非常に重要です。そもそも、マーケティングに使用できるIDに紐づいたデータが蓄積されていなければ、オンラインで活用することはできません。

Pontaでは、約200ブランド25万店舗にのぼる多種多様な企業からデータを取得しており、「いつ、どこで、いくら買った」といったリアルな購買データが豊富に蓄積されています。しかも、メディアとの連携キーがすべてPonta IDに紐づいており、1IDで構成されているというのも重要なポイントです。

データソースとメディアを接続するパイプの太さ

オフラインのデータとメディアをつなぐ際に、突合による減少をどれだけ抑えられるかという点も重要です。例えば、突合においてCookieやモバイル広告IDのみを使用すると、データ保有者が限定されたり、iOSではデータを取得できなかったりすることがあります。結果、最終的にターゲティングの対象者が極端に減少するというケースが多々見受けられるのです。

Ponta DMPとの接続メディア

Ponta DMPでは、上の図のように Pontaが蓄積している1億超のPonta IDと大手プラットフォーマーが、CookieやデバイスIDに依存することなく連携。大量のID突合を実現することで、ターゲティング広告の配信や分析に充分な量のデータアセットを確保しています。

データソースとメディアの接続技術と実現内容

通常 GoogleやFacebookのようなメガプラットフォーマーは、自社で保有するインプレッションデータなどを外部に公開しません。そのため、どのような手段を用いてデータを連携し、アウトプットするかが、オフラインデータ活用の大きな鍵となります。

Pontaでは、例えばメガプラットフォーマー内に分析専用の環境を作り、広告接触データとPonta会員の購買データを掛け合わせた分析を行うなど、多くのメガプラットフォーマーとの間でターゲティング配信と広告接触からの購買測定を実現しています。さらにこのとき、生データはハッシュ化することで、個人情報にも配慮した形でマーケティングデータとして活用できるようにしているのです。

Googleと連携した分析環境

オフラインデータ活用の障壁を解決した接続技術の例として、Googleと連携した分析環境についてご紹介します。

Googleと連携した分析環境

ロイヤリティマーケティングでは、YouTubeとGoogleディスプレイネットワーク(GDN)広告の購買測定手法として、「Google Ads Data Hub」という機能を使用して、GoogleとPontaのID別データ同士を突合・照合して分析・集計しています。これにより、リアル購買の効果が高かったユーザーの媒体セグメントや過去購買などの幅広いデータが、Ponta Big Queryにアウトプットされる仕組みです。

Google Ads Data Hubでは、各データの組合せを広告の配信後でも自由に設計できます。配信前に設定したセグメントで効果の差が表れなかった場合でも、配信後に差が出たセグメントを見つけ出すことが可能です。これは、広告の現場では非常に有効なアプローチになると考えられます。

ファクトデータに基づいたデータマーケティング ケイパビリティ

ロイヤリティ マーケティングのケイパビリティ

ロイヤリティマーケティングでは上の図のように、1億人を超える自社のオフライン中心のファクトデータを、Google、LINE、Facebook、Twitterなどのメガプラットフォーマーや、テレビ・ラジオといった大手メディアと連携しています。

今後も、キメの細かいターゲティング配信や、購買・行動データの分析のさらなる充実により、デジタルマーケティングのケイパビリティを広げていく予定です。

Pontaサービスを活用した、3つの成功事例

実際にPontaのサービスを通じて生まれた成果について、3つの事例をご紹介します。

オーソドックスなターゲティング配信を行った、食品メーカーの広告事例

食品メーカーの購買データを使用した、広告のターゲティング配信と購買測定の事例です。

ここでは、下記の3つの目的でターゲティングを行いました。

1.自社商品における、既存購買者の購買数upと休眠顧客の復活促進

2.自社商品が含まれる同一カテゴリー商品における、競合商品の購買も含めた顕在層の獲得

3.自社商品と同時購入される併売商品における、購買可能性の高い潜在層の獲得

上記3つのターゲットに対して、Pontaと連携するID-POSデータを使ってInstagramで広告を配信し、リアル店舗での購買効果を測定した結果が下の図です。測定指標には ROAS(広告接触者のリアル店舗の購入金額÷広告配信金額)を用い、購買データ無しの配信ユーザーROASを1としたときの各セグメントを相対比較しています。

オーソドックスなターゲティング配信を行った、食品メーカーの広告事例

この事例では、「自社同一商品」に対してだけでなく、「同一カテゴリー商品」や「併売カテゴリー商品」においても、消費者に対して顕著な購買促進効果が得られたことが分かりました。

リアル購買データから類似拡張してターゲティングした、小売業者での広告事例

リアル購買データから類似拡張を行ってターゲティングと購買測定をした、小売業者との取り組みの事例です。

ここでは、2つのセグメントに対して広告を配信しました。

1.対象小売店の半径500メートル以内のPonta提携店の利用者データから、既存利用者データを除いたカテゴリー(商圏にいるものの、対象小売店に訪れていない潜在顧客)

2.対象小売店の既存利用者データをFacebookで類似拡張し、そこから既存利用者を除いたカテゴリー

リアル購買データから類似拡張してターゲティングした、小売業者での広告事例

その結果、ROASはそれぞれ7倍、9倍となるような、大幅な売り上げ増を記録。既存のデータを目的に応じて有効活用することで、新規顧客を獲得した成功事例です。

複合データからターゲティングした、金融サービスの広告事例

金融サービスの契約を目的としたプロモーションの事例です。

Ponta経済圏の購買・行動データと会員登録情報から年収600万以上のターゲットを推定。そこからFacebookで類似拡張を行い、広告を配信した結果が下の図です。過去施策のCPA (広告配信金額÷広告経由の契約数)に対してわずか38%という低コストでの契約獲得を実現しました。

複合データからターゲティングした、金融サービスの広告事例

この事例では、ファクトデータと、ファクトデータをベースにした推定データを複合的に活用してターゲティング配信しています。推定データとはいえ、その精度の元となるのはファクトデータです。PontaDMPに膨大に蓄積されているオフライン購買データの精度が、本施策成功のポイントになりました。

メガプラットフォーマーでの広告配信&分析にPontaデータをご活用ください

メガプラットフォーマーのデジタルデータとオフラインデータの連携は、デジタルマーケティングの大きな課題のひとつです。

これからますますの競争激化が予測されるデジタル広告の領域においては、個人情報関連のルール変更に対応しつつ、良質なデータを取得・蓄積することが欠かせません。オフラインでの行動データを活用していくことは、顧客理解の深化や体験価値向上につながるでしょう。

ロイヤリティ マーケティングでは、これまでにも、Google・Facebook・Twitterといったメガプラットフォーマーにおいて、リアルな購買データを利用した広告配信・効果測定を実施してきました。精度の高いターゲティングに基づいた配信・効果測定をご希望の方は、ぜひご相談ください。

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