コラム

2024-03-28

データ収集の方法から分析までの流れを徹底解説!コツや注意点を理解してビジネスに活用しよう

データ収集はデータ分析のスタート地点であり、ビジネスにおけるマーケティングに不可欠な作業です。本記事ではデータ収集の目的や基本的な流れ、注意点について解説しています。収集したデータを活用して確実な意思決定をしたい方は、ぜひ参考にしてください。

データ収集とは

まず、データ収集とはどのような意味を持ち、何を目的に実行されるのかについて解説します。

データ収集の意味

データ収集とは、何らかの目的のために必要なデータを集めることです。昔からデータ収集の必要性は高く、ビジネスをするうえで日常的に行われてきました。近年はコンピューター技術の進歩によってデータ収集の質やスピードが高まり、より重視されるようになっています。

 

データ収集の活用例の1つが、データドリブンです。勘や経験に頼らず、データに基づいて合理的な意思決定を行うことを意味し、迅速で精度の高い課題解決を実現します。データドリブンでは大量のデータを必要とするため、早い且つ正確なデータ収集が欠かせません。

データ収集の目的

続いて、データ収集を行う目的について深堀りしてみましょう。

現状を把握する

データ収集の1つ目の目的は、ビジネスに関する蓄積されたデータを分析し、正しい現状を認識することです。市場の動向や市場における自社の状況を把握し、マーケティング戦略や改善施策の立案に役立てます。

仮説を立案する

データ収集の2つ目の目的は、仮説を立案することです。仮説を立てる際は、ビジネス上の課題を発見・抽出し、課題が生じている原因について考える必要があります。課題の深掘りをする際に、根拠となるデータが必要になるのです。また、複数の仮説が立てられた場合に、仮説を検証する優先順位をつける基準にもデータを参照します。

仮説を検証する

データ収集の3つ目の目的は、立てた仮説が正しいかどうかを検証することです。マーケティングをするうえで、データを収集・分析し、仮説が正しいかどうかを確かめることは非常に重要です。仮説が誤っていても、検証結果そのものがビジネスにとって有益と考えられます。

データの分類方法

膨大なデータの分類方法を理解することで、収集するべきデータのタイプが把握しやすくなります。

定量データと定性データ

定量データと定性データは、数値化できるかどうかで区分されるデータの種類です。定量データとは、売上金額や来店数などの数値化できるデータを指し、定性データは商品を気に入った理由やサービスの不満点など数値化できないデータのことを指します。


定量データの概要

 ● 特徴:数字で表せる

 ● メリット:客観的で説得力がある、収集・分析しやすい

 ● デメリット:顧客の思考や行動の背景を読み解くのは難しい



定性データの概要

 ● 特徴:数字で表せない

 ● メリット:顧客の思考や意見を把握して、顧客理解を深めるのに役立つ

 ● デメリット:収集・分析に手間がかかる


それぞれメリット・デメリットがあるので、どちらか一方ではなく組み合わせて分析やリサーチに活用しましょう。

プライマリデータとセカンダリデータ

プライマリデータとセカンダリデータは、企業が自ら収集したかどうかに違いがあるデータの種類です。プライマリデータは、自社の売上データなど企業が独自に収集したデータのことを指し、セカンダリデータは政府の統計データなど既に公開されているデータのことを指します。


プライマリデータの概要

 ● 特徴:自社の顧客を分析するために、企業自らが収集する

 ● メリット:必要なデータが収集できる

 ● デメリット:データ収集にコストと時間がかかる



セカンダリデータの概要

 ● 特徴:将来予測や要因分析などを行うために、政府統計や白書などから収集する

 ● メリット:簡単に手に入る

 ● デメリット:欲しい内容に完全一致するデータを見つけるのが難しい


セカンダリデータで足りない情報を収集するためには、アンケートを実施してプライマリデータを取得します。一方、プライマリデータを収集する軸を定めるためにセカンダリデータを参考にするなど、両者は相互補完的な関係です。

ゼロパーティデータ

ゼロパーティデータとは、顧客自らが企業に対して積極的に提供するデータを意味します。例えば、メルマガ配信の希望や商品の購入理由に関するアンケートなどもゼロパーティデータの一種です。

 

ゼロパーティデータは消費者データと呼ばれ、消費者データは他にも3種類が存在します。


消費者データの種類

 ● ゼロパーティデータ:ヒアリングなど顧客の同意を得て顧客自身が差し出すデータ

 ● ファーストパーティデータ:住所など顧客の同意を得て企業が収集するデータ

 ● セカンドパーティデータ:クッキーの情報など関連する他企業が収集するデータ

 ● サードパーティデータ:国の人口統計など第三者機関が収集したデータ


どの消費者データもマーケティングで活用するデータとして収集されていますが、近年特に注目されているのはゼロパーティデータです。

 

背景にあるのは、複数のブラウザにおけるサードパーティクッキーの廃止で、企業はWebログを収集するのが困難な状況です。よって、同意を得て意図的に提供されるゼロパーティデータの重要性が増しているのです。

 

ゼロパーティデータの定義や他の消費者データの意味、活用事例について詳しく知りたい方は、下記のコラムをご覧ください。

ゼロパーティデータとは?マーケティングでの活用事例やデータの収集方法を詳しく解説

データの代表的な収集方法

データの収集方法は、必要とするデータのタイプによって異なります。ここでは4つの代表的な方法を紹介します。

ウェブサイトからダウンロードする

データの収集方法の1つとして挙げられるのが、ウェブサイトで公開されているエクセルやCSVなどのセカンダリデータをダウンロードする方法です。例えば、政府統計のe-statでは人口や消費者動向、生活実態等に関するデータを簡単に取得できます。

 

政府統計の総合窓口

 

手軽にアクセスできる点はもちろん、公的機関が運営するウェブサイトであれば信頼性も担保される点でも優秀な収集方法です。

ウェブAPIを活用する

ウェブAPIを活用するのも、データの収集方法としておすすめです。

 

API(Application Programming Interface)とは、あるプログラムから別のプログラムを利用できるようにする仕組みで、ウェブAPIはその中でもHTTP/HTTPS方式でやりとりをするAPIのことです。

 

例えばECサイトのウェブAPIをBIツールと連携させることで、ECサイトの閲覧データや商品ランキングといった定量データを自動で収集・分析できます。

データ連携ツールを活用する

社内データベースやファイルサーバなどからプライマリデータを収集する場合、データ連携ツールを活用する方法がおすすめです。異なるシステムやデータ形式間でのデータ収集を簡単にし、分析作業の効率化に役立ちます。

マーケティングリサーチを実施する

マーケティングリサーチの実施も、データ収集の方法の一つです。マーケティングリサーチとは、マーケティング上の課題に対して意思決定を下すために行う調査・分析のことです。商品のターゲットの選び方や効果的な広告の出し方など、企業は常に多くの課題を抱えているため、マーケティングリサーチによって合理的な課題解決が期待できます。

 

マーケティングリサーチにはさまざまな手法があり、アンケート調査で定量データを得たり、座談会やグループインタビュー、覆面調査で定性データを取得することなどが挙げられます。

 

なお、共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する弊社は、大規模な単独パネルを保有するPontaの購買データをアンケートやインタビューと掛け合わせ、価値ある情報をお届けするリサーチサービスを提供しています。詳しくは下記をご覧ください。

リサーチについて詳しくはこちら

データ収集を行う前の注意点

データ収集を円滑に行い効果的なマーケティング施策を実現するには、気をつけるべきことを事前に把握しておく必要があります。以下4つの注意点を押さえて、データ収集の準備をしましょう。

セキュリティ対策を徹底する

企業が扱うデータには個人情報や機密情報も含まれており、情報漏洩につながる危険性があります。セキュリティ対策を徹底し、データの扱い方に注意しながら慎重に活用しましょう。

データ収集に必要なコストを把握する

コストを無視したデータ収集は、かえって赤字を生む可能性もあるため注意が必要です。データ収集は現代のマーケティング活動に不可欠ですが、どのような収集方法であってもコストがかかります。

 

例えば、訪問調査では人件費や回答者への報酬が発生し、システムやツールを導入すると利用料が必要です。特に注意したいのが、無料のオープンデータをウェブAPIで何度も収集する場合です。連携ツールのコストやサーバ費用が増えると、最終的に膨大なコストになることがあります。

 

データ収集でどのくらいの費用がかかるのかを事前に把握し、費用対効果に見合うかどうかをしっかり検討しておきましょう。

大量のデータを効率よく収集・管理できるよう準備する

データ収集では大量のデータを扱うため、情報収集や管理を効率化する体制を整えておきましょう。例えば、情報収集・整理を自動化するシステムを導入すると、膨大なデータから手間を掛けずに必要なデータを抽出でき、効率よく管理できます。

社内全体でデータを共有できる環境を整える

社内で必要なデータを共有できる仕組みがなければ、企業全体でデータ活用を進めるのは困難です。特に大規模な企業になると、販売・製造・管理など業務ごとにシステムが構築され、同じ会社内であっても他部署の情報を取得することが難しい場合があります。

 

マーケティングを進める際は、社内に散らばるデータを集めて連携を取り合い、効率的なデータ収集につなげましょう。

 

ただし、会社内の全ての情報を共有すると、情報が多すぎて探しにくくなったり、プライバシーの問題が生じる場合があります。データ収集の目的に合わせて、共有すべきデータとそうでないデータの基準など、データ共有に関するルールを決めておきましょう。

データ収集の基本的な流れ

では、実際にデータ収集はどのような手順で行われるのでしょうか。ここからは、データ収集の主な流れを簡単に説明します。

①データ収集の目的を明確にする

まずはデータ収集の目的を明らかにしましょう。新規事業施策の立案や既存ビジネスの課題発見など、目的によって集めるべきデータの内容やリサーチ方法が変わります。

②データの収集元を決める

続いて、目的に応じてどこからデータを収集するのか決定しましょう。先述した「データの代表的な収集方法」を参考に、収集元を検討します。

 

収集元がインターネット上の情報の場合は、注意が必要です。簡単にデータ取得ができる反面、インターネットには信憑性の低いデータや情報が古く、現状とは乖離したデータも存在します。できる限り、一次情報を取りに行くようにしましょう。

③収集したデータを分析する

集めたデータを分析し、マーケティング戦略や経営戦略に反映させましょう。データ分析にはクラスター分析やアソシエーション分析などさまざまな手法があるため、目標を最短で達成できる分析方法を選ぶことが大切です。

④データ収集を習慣にする

現代では次々と新しい情報が発信され、気づかないうちに今までの常識が覆っていることもあります。効果的なマーケティング施策を実施するためには、習慣的にデータを収集・更新し続け、最新のデータに基づいた分析を行いましょう。

データ収集を正確に行うコツ・ポイント

最後に、データ収集を正確に実施するためのコツ・ポイントについてご紹介します。

最新のデータを収集する

正確にデータ収集を行うためのポイントの1つ目は、データの鮮度にこだわることです。たとえ分析に高度な技術を使ったとしても、データが古い内容であれば、分析によって打ち出されるマーケティング施策が時代に合わないものになってしまいます。

目的に沿ってデータを収集する

2つ目のポイントは、目的と合致したデータ収集を行うことです。目的と関連性の低いデータを収集・分析しても、マーケティングでの効果は期待できません。目的達成に沿ったデータを集めて、適切に活用できるようにしましょう。

データ形式を統一する

3つ目のポイントは、データを整理して形式を統一することです。社内で収集されたデータ形式が統一されておらず、重複や誤登録を無視している場合は正しく分析ができません。データ収集の際には、データを整理して適切な形式に整える「データクレンジング」と呼ばれる作業が必要です。データの整理や統一には時間と手間がかかるため、作業を簡単にしたい場合はクレンジングツールを使うのもよいでしょう。

データ収集から分析までの悩みを解決するならロイヤリティ マーケティングへ

データに基づく合理的な意思決定にはデータ分析が不可欠で、分析のスタート地点となるものがデータ収集です。データ収集はビジネスにおいて重要な役割を担っていますが、データの集め方や分析方法は簡単ではありません。

 

弊社は、大規模なPonta会員に対してさまざまなリサーチを実施して価値あるデータを収集し、情報を組み合わせた深いデータ分析を実現します。調査設計段階からマーケティングのプロが対応し、データ収集から分析までをサポートいたしますので、ぜひご相談ください。

 

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