コラム
2024-07-25
【例文付き】アンケートの作り方!手順や質問・選択肢を作成するコツも解説
マーケティング活動で重要な役割を担っていますが、正しい作り方を知っていますか?本記事では、アンケートの作り方を例文付きで紹介します。手順はもちろん、質問や選択肢を作成するコツも紹介しますので、最後までご覧ください。
目次
アンケートとは
アンケートとは、知りたい情報を持っているであろう対象者に調査を行い、データ収集することを指します。
マーケティングにおけるアンケートの重要性
マーケティングにおいて、アンケートは重要です。アンケートを実施することで顧客視点の課題を発見できるため、新商品の開発や既存のサービスの見直しなどに役立ちます。
またアンケートで得た顧客の声を取り入れることで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
アンケート作成の基本的な手順
アンケートの基本的な作り方は次の通りです。
作り方の流れ
1.アンケートの目的とターゲットを決定する
2.調査の手法を決める
3.アンケートの実施タイプを決める
4.アンケートの回答形式や回答項目を決める
5.アンケートを作成する
アンケートの目的や手法など、大きな枠組みを決めた上で、形式や項目などの細かいことを決めていくといった流れになります。大まかな流れを把握しておき、実際のアンケート作りに活用しましょう。
アンケートの作り方
それでは、アンケートの作り方について具体的な内容を解説します。
①目的とターゲットを決める
まずは、アンケートのアンケートの目的やターゲットを明確にしましょう。
アンケートの目的やターゲットは、アンケートの結果を左右するといっても過言ではありません。「誰に」「なぜ」聞くのかがわからなければ、調査設計が一向に進まなかったり、的外れな質問になったりする可能性があります。目的やターゲットを決めるときは、下記を意識しましょう。
目的によって質問の仕方が変わる
目的やターゲットが変わると、質問の仕方が変わります。例えば、アンケートの目的を「ターゲットの理解」とする場合は顧客の属性や価値観を聞くアンケートになりますが、「集客での活用」が目的の場合は、顧客が商品を知ったきっかけや普段利用しているSNSを聞くとよいでしょう。
このようにアンケートの目的は作り方に影響を与えるため、作成している間は常に意識することをおすすめします。また、記述の仕方に迷うなど、作り方に関して行き詰まったときもアンケートの目的やターゲットを思い出してみましょう。
目的を明文化してチームで共有する
アンケートの目的とターゲットを決めたら、文章にしてチーム内で共有します。曖昧なままプロジェクトを進めると、調査手法がなかなか決まらなかったり、適切でない調査手法を選択したりする可能性があるためです。
②調査手法を決める
アンケートの目的とターゲットが決まったら、調査方法を検討しましょう。アンケートの主な作り方は、下記の2つに分類できます。
定量調査
定量調査とは、数値化できるアンケートの回答を集計する調査方法です。あらかじめ指定しておいた選択肢から回答を選ぶ形式が一般的で、具体的な調査手法には次のようなものがあります。
定量調査の例
・Web調査:ターゲットにアンケートを配信して回答してもらう
・郵送調査:紙のアンケートを自宅などへ送付し、回答を返送してもらう
・会場調査:会場にターゲットを集め、商品に関する意見を聞く
定性調査
定性調査とは、顧客の意見や感想といった数値化できない評価を集める調査方法です。回答者の反応に合わせて質問を追加したり、掘り下げた内容を聞いたりするなど、状況に応じてアンケートの内容を調整できます。調査手法の例は以下の通りです。
定性調査の例
・グループインタビュー:複数の参加者が集い、座談会形式で意見交換をする
・デプスインタビュー:1対1でじっくりとインタビューを行う
・行動観察調査:ターゲットの生活や購買行動を観察し、気付きを得る
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する弊社は、約230万人の大規模パネルを活用してアンケートの設計や実施、分析をサポートしています。インターネットリサーチやグループインタビュー、会場調査など多様な調査に対応可能です。詳しくは下記をご覧ください。
③実施タイプを決める
続いて、アンケートの実施タイプを決めます。アンケートの実施タイプとは、使用する媒体のことを指します。集計作業の効率や対象ユーザーの年齢層を踏まえ、実施タイプを選びましょう。
Web上
アンケートをWeb上で行う場合、オンライン上の回答フォームに回答を入力して送信してもらいます。入力や設定の仕方が分かれば実施は簡単で、アンケート実施後の集計作業は紙媒体よりスムーズです。ただし、パソコンなどのデジタルツールの操作に慣れていない人は回答しにくいのがデメリットです。
紙媒体
回答者に用紙を渡して記入してもらったり、インタビューで調査員自らが用紙に記入したりと、紙媒体のアンケートは幅広く活用されています。パソコンスキルに関係なく、誰でも回答できる点がメリットです。一方、集計作業に時間と労力を要する点はデメリットといえます。
④回答形式を決める
「回答を1つ選んでもらう」「自由に記述してもらう」など回答の形式を決めることも、アンケートの作り方において重要なポイントです。
単一回答
単一回答は、アンケートの選択肢の中から1つだけを選ぶ回答形式です。2つの中から1つを選ぶタイプや3つ以上の中から1つを選ぶタイプ、「強く思う/思う/思わない」などの尺度から1つを選ぶタイプなどがあります。
単一回答には回答者の意志が表れるため、回答傾向が割れそうな状況において、明確な答えを探るときに便利です。一方、1つしか選べないと回答者が答えにくくなるというデメリットもありますので、どの質問を単一回答にするかを熟慮しましょう。
複数回答
複数回答は、選択肢の中から複数を選択する形式です。選択できる個数を制限するタイプと、無制限に選べるタイプがあります。
複数回答にすることで多様な意見を把握でき、アンケートのテーマに対する意見に広がりを持たせることも可能です。ただし、質問にマッチした選択肢が十分に揃っている必要があるため、準備に時間がかかり、単一回答に比べると作り方は簡単とはいえません。
順位付け
順位付けは、選択肢に順位をつけて番号を記入する形式です。ターゲットが重視するものを知りたいときに役立ちます。全ての項目に順位付けをする必要はなく、「あてはまるもの上位3つまで」など限定することも可能です。
自由回答
自由回答は、文章や数字を自由に記述できる回答形式です。バイアスのないターゲットの意見を聞きたいときや詳細を知りたいときに役立ちます。集計に手間がかかるため、自由回答にする質問の数は絞るとよいでしょう。
⑤回答項目を決める
アンケートの作り方では、回答項目の設定方法も大切です。例えば「男/女」「高い/普通/安い」などさまざまな設定の仕方があります。アンケートの回答項目は、統計学で用いられる4つの尺度に分類可能です。
名義尺度
名義尺度は、他と区別するための尺度のことです。データを比較するときに同じか異なるものかを区別しておくためのものですので、序列の概念はなく、質問や回答の作り方は難しくありません。例えば性別や血液型、住所などがあります。
例文:あなたの性別を教えてください。
・男性
・女性
・回答したくない
順序尺度
順序尺度は、回答の順序や大小に意味がある尺度のことです。例えば下記のような選択肢が挙げられます。
例文:〇〇を他の人にも紹介したいと思いますか。次の中から1つ選んでください。
・思う
・あまり思わない
・全く思わない
項目の違いが順序関係を表し、比較することが可能です。ただし、「思わない」と「あまり思わない」の距離、「あまり思わない」と「全く思わない」の距離が等しいとは限らないため、データを得点化することはできません。
間隔尺度
間隔尺度は、回答項目同士が等間隔に並ぶ存在であり、得点化できる尺度のことです。順序尺度と似ていますが、下記のように数値で表せるという点が異なります。
例文:味にご満足いただけましたか。
・満足(5点)
・ほぼ満足(4点)
・普通(3点)
・やや不満(2点)
・不満(1点)
比例尺度
比例尺度は、順序や間隔、比率の全てにおいて意味がある最上位の尺度のことです。例えば、体重や値段、年収などを数値で記述する回答の仕方があります。先述した間隔尺度において「0」に意味はありませんが、比例尺度では「0才」や「0円」のように「0」にも意味があります。
例文:現在の年齢は?
・(数値を入力)才
【例文付き】アンケートの設問を作るときのコツ
ここからは、設問の作り方のコツを例文とともに紹介していきます。調査する内容に合わせたコツと例文を紹介しますので、行う予定のアンケート内容と近いものを参考にしてください。
なお、実際のアンケートの回答項目や設問内容などについて知りたい方は、弊社の「Pontaリサーチ」による自主調査レポートをご覧ください。
顧客情報に関する調査
アンケートでは、性別・年齢・職業といった基本属性に関する質問を記述します。顧客情報を聞くときの設問の作り方のコツは、本当に必要な質問かどうかをアンケートの内容に合わせて吟味することです。
例えば、住宅展示場のアンケートでは、ターゲットへ直接連絡することを目的として下記のように名前や電話番号など踏み込んだ質問をすることがあります。
一方、商品の認知度を調査するアンケートでは、次のように大まかな居住地や職業を聞くことはあっても、具体的な名前や電話番号までは必要ありません。
例文
・あなたのお住まいの都道府県を教えてください。
・あなたの家族構成を次の中から選んでください。
必要以上に個人情報を聞くことで顧客に不信感を抱かせてしまう可能性もあるため、顧客情報に関する調査は慎重に行いましょう。
商品・サービスの認知に関する調査
商品やサービスの認知度を調査するときは、設問の順番にこだわることが大切です。例えば、石鹸会社が自社製品について聞く場合、いきなり「(商品名)についてどう思うか」と聞くよりも、まずは「知っている石鹸ブランドを教えてください」の方が回答しやすくなります。
例文
・あなたが知っている石鹸ブランドをすべて教えてください。
商品・サービスの購入理由に関する調査
購入理由を調査することで、商品やサービスの魅力、自社の強みなどを理解するのに役立ちます。設問の作り方のコツは、商品やサービスに合った選択項目を用意することです。例えば、食品の場合は味、店舗の場合は接客など、ビジネスの特徴に応じた項目を設定しましょう。
例文:〇〇(ガム)を購入した理由を次の中から選んでください(複数回答可)。
・味が長続きするから
・味が好みだから
・友人・知人におすすめされたから
・いつも買っているから
商品・サービスの満足度調査
満足度調査は、自社の商品やサービスが好意的に受け入れられているかどうかを知るための物差しとなります。設問の作り方のコツは、総合的な満足度と要素別の満足度を区別することです。両方を知ることで、全体の満足度に影響を与えている要素の特定に役立ちます。
例文
・総合:〇〇についての満足度として最も近いものを1つ選んでください。
・要素:〇〇の味についての満足度として最も近いものを1つ選んでください。
ブランドイメージ調査
ブランドイメージ調査では、既にブランドを認知している人に対してどのようなイメージを持っているのかを調べます。アンケートの作り方のコツは、特に着目したいポイントを事前に明確にしておくことです。
例えば、先入観のないイメージを第一に知りたい場合は下記のように自由回答できる質問文の作り方をおすすめします。
例文:あなたは〇〇に対してどのようなイメージをお持ちですか。
・(自由回答)
一方、多くの質問項目があるアンケートの場合、結果を分析しやすいように選択肢から回答を選んでもらう質問文の作り方にするとよいでしょう。
例文:〇〇のイメージに近いものを以下の選択肢から1つずつ選んでください。
・「ナチュラル」強く思う・思う・どちらともいえない・思わない・全く思わない
・「癒やされる」強く思う・思う・どちらともいえない・思わない・全く思わない
また、自社ブランドのイメージと競合他社のイメージを比較したいときは、下記のように自社に関連したブランドを比較する質問文の作り方がおすすめです。
例文:以下の炭酸飲料ブランドのイメージについて、各選択肢からあてはまるものを選んでください。
・ブランドA:爽快・美味しそう・飽きない・親しみが持てる
・ブランドB:爽快・美味しそう・飽きない・親しみが持てる
広告効果測定調査
広告効果測定調査では、広告の効果がどの程度得られたのかを調べます。ネット広告の設問の作り方のコツは、広告を見てどのような行動につながったのかを聞くことです。アクセス数などの定量的要素はツールで調査できるため、アンケートでは定性的な要素を聞くとよいでしょう。
例文
・広告を見てどのような印象を受けましたか。
・広告を見た後にとった行動としてあてはまるものを、次の中からすべて選んでください。
自由回答
自由回答の設問の作り方のコツは、具体的に聞くことと、回答例を入れることです。自由回答は回答者の負担になりやすいため、回答の方向性をイメージしやすいように工夫する必要があります。
例文と回答例
・例文:ご利用いただいた店舗の接客について、気になったことを教えてください。
・回答例:言葉遣い、身だしなみなど
個人情報の扱い
個人情報を記載してもらうアンケートの場合、法令に基づいて回答者に調査用途を説明し、適切に管理する必要があります。ポイントは、総務省のHPで個人情報保護の留意点を確認することです。HPを参考にして、アンケートへ個人情報の扱いに関する文を追加しましょう。
例文
・ご記入いただいた個人情報は、アンケートの回答特典の送付以外に使用しません。
・同意がなければ第三者へ個人情報を提供することはありません。
・個人情報の管理責任者を定め、紛失・漏洩などが生じないよう安全対策を講じます。
・個人情報に関するお問い合わせ 〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
【例文付き】アンケートの回答率を高めるコツ
アンケートをお願いする際、面倒に思われたり途中離脱されたりすることなく、最後まで回答してもらうにはどのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは、アンケートの回答率を高めるコツを例文付きで紹介します。
アンケートの目的や活用方法を示す
アンケートの回答率を高めるには、アンケートの目的や活用方法を冒頭で示しましょう。どのようなアンケートなのかわからなければ、回答者に不信感を抱かせてしまうためです。ただし、詳細に明記する必要はなく、下記のように簡潔な記載で十分といえます。
例文
・サービス向上のために、アンケートへのご協力をお願いいたします。
・本アンケートは、新商品開発のために利用いたします。
アンケート回答者に報酬を用意する
プレゼントなどの報酬は、アンケートに協力してくれる人を増やすための有効な手段です。アンケートの回答は手間や時間がかかるため、何らかの対価があれば回答意欲を高められます。アンケートには報酬の内容を記載しておきましょう。
例文
・回答者全員に、感謝の気持ちとして〇〇を進呈いたします。
アンケート回答の進捗状況がわかるようにする
Web調査において、回答途中に残りの設問数や全体における回答済みの設問の割合を示すと、離脱を防ぐことにつながります。特にWebアンケートでは、紙のアンケートに比べて全質問数を把握しにくいため、進捗状況を伝えることが大切です。
例文
・残り〇問です。
・〇%回答済み
具体的に質問する
アンケートの設問では、曖昧な表現を避け、具体的に聞くことが基本です。抽象的な質問にすると、関心のない顧客は答えづらくなります。具体的に聞くことで回答率アップにつながるでしょう。
例文
・抽象的な聞き方:〇〇についてどう思われますか。
・具体的な聞き方:〇〇のパッケージについてどのような印象を持たれましたか。
アンケートの作り方に関する注意点
最後に、アンケートの作り方に関する注意点を紹介します。アンケート作成初心者が陥りやすい失敗に気をつけましょう。
誘導するような設問を避ける
アンケートの作り方で忘れてはならないのが、欲しい回答へ誘導するような聞き方を避けることです。作成者の意図した通りのデータを集めてしまうと、調査の信頼性が下がり、正確なデータを得られません。
例えば「DXの重要性が高まり、推進する企業が増えてきていますが、DXをどのように考えますか」という質問は、「重要性が高まり」の表現が「重要だと思う」へ誘導しています。
設問数を増やしすぎない
アンケートの作り方で注意したいことの2つめは、設問数を増やしすぎず、必要最低限に抑えることです。質問が多いと煩わしく思われ、アンケートの回答率が下がる可能性があります。5〜10分程度で回答できるように、アンケートの目的と照らし合わせて質問数を絞りましょう。
専門用語を使わない
専門用語を避けて誰でもわかる表現にすることも、アンケートの作り方で注意したいことの1つです。企業は業界のことや自社商品について熟知していますが、顧客側がそうとは限りません。
アンケートの作り方や活用方法にお困りならロイヤリティ マーケティングへ
アンケートは、マーケティング活動に不可欠な調査方法の1つです。さまざまな回答形式や実施タイプがあり、特徴を理解して使い分けることで回答しやすいアンケートに近づきます。自社でアンケートの作成が進まないときは、専門家に相談してみましょう。
弊社はPonta IDに紐づくID-POSデータとアンケート調査を組み合わせて、一歩踏み込んだ示唆の抽出を可能にしています。アンケートの設計段階から実施後の分析までサポートいたしますので、アンケートの作り方や活用方法にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
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