コラム
2022-08-09
デジタル広告⇒リアル購買 本当に広告効果?
【Pontaマーケティングラボ vol.1】
目次
ロイヤリティマーケティングでは、実購買データをはじめとするオフライン中心の膨大なファクトデータの取得と、巨大メディアとの広告配信・分析を可能とする技術を併せ持つPontaのIDデータマーケティング「Ponta Ads」を通じて各企業のマーケティングを支援しています。
「Pontaマーケティングラボ」ではリアル購買・行動データと、メディアを中心とする消費者のコンタクトポイントをID連携により分析・検証した結果をメインに、購買・行動変化を捉えるマーケティングの参考になる情報を不定期でご紹介いたします。
連載1回目は、日経クロストレンドFORUM2022のセミナーでも紹介した「デジタル広告⇒リアル購買 本当に広告効果?」について掘り下げてご説明します。
[検証テーマ] 店舗でのリアル購買は本当にデジタル広告の効果?
「店舗で購入したお客様が、実は昨日配信したSNS広告を見て、購入しに来ていましたよ!」
「店舗スタッフがレジでのお客様との会話からSNS広告の効果を知りました。」
・・・といった、リアル購買への広告効果はアンケート結果や店舗スタッフのヒアリングからある程度推察することはできても、どのクリエイティブの、どの媒体でのプロモーションがどれだけリアル購買に結びついているのか分からないという経験はないでしょうか?
オンラインでの購買の場合、広告クリックからの購買(=CV)は明らかに広告効果だと判断できます。
しかし、リアル購買の場合、店舗に来店し購買(=CV)する前に接触したデジタル広告の広告効果はユーザーが一連のアクションでないため判断が難しい状態にあります。
[検証手法] 広告接触VS広告非接触で比較! 既存/休眠/新規にセグメント分け
Ponta Adsの購買分析を活用
約140社のPonta提携社と約25万店舗以上の対象店舗でのオフライン購買データを対象としており、オフラインを中心に日常生活の幅広い消費シーンを網羅しています。
このような実購買データをはじめとするオフライン中心の膨大なファクトデータを活用した大手プラットフォームで広告を配信し、その広告に接触したユーザーが対象の店舗または商品を購買したかどうかを検証します。
ID連携により広告接触者と購買データをIDごとに紐付け、双方ともにアンケートや推定でなくファクトデータで分析できる点が特徴です。
→詳しくは Ponta Ads をご覧ください
今回の検証テーマに対しても、この手法を活用して広告接触者の購買測定を実施します。
手法
デジタル広告がリアル購買に与える影響を分析するため、広告配信対象者の中からあえて配信しない「広告非接触群」を用意し、広告接触・非接触の差分を効果とみる手法で検証しました。
対象案件
Pontaにて多数の提携社様横断で実施した大規模なキャンペーンを対象に、同キャンペーンへ誘導するデジタル広告(YouTube等)の接触・非接触を対象としました。
購買測定の対象店舗はコンビニ・スーパー・飲食店・家電量販店・書店等で、単価のあまり高くない、リアル店舗での日常消費を分析しています。
対象者
過去購買履歴から顧客を「既存」「休眠」「新規」に分けて効果を比較しました。
広告配信より前の購買タイミングで分類しています。
既存
広告配信から1か月~6か月前の期間に購買履歴のある方。
さらに、購入回数や購入金額から「高ロイヤリティ」「低ロイヤリティ」に分類しています。
休眠
広告配信から6か月~2年前の期間に購買履歴があり、かつ既存期間に購買履歴のない方
新規
既存・休眠の両期間で購買履歴のない方
[検証結果レビュー] 購買率の絶対値は既存>休眠>新規、購買率のリフト率では新規>休眠>既存
オレンジが広告接触者、グレーが非接触者、縦軸は購買率を指しています。
購買率が全般的に高いのは、多数のPonta提携社を横断した分析であり、コンビニやスーパー等の日常使いの店舗も含まれているためです。
結果、全対象セグメントにおいて広告非接触者よりも広告接触者のほうが購買率は高くなりました。
購買率の絶対値は既存>休眠>新規
購買率のリフト率では新規>休眠>既存
既存顧客は広告接触・非接触に関わらずもともと購買率が高く、購買率のリフト率は小さい結果となりました。
一方、新規は購買率の絶対値が低い反面、広告接触・非接触のリフト率では大きな結果が見られました。
本件は対象ユーザーも多く、購買店舗も業種をまたぎ広範囲にわたるため、バイアスの少ない教科書的な結果が出たと捉えます。
ちなみに本検証は「新規 or 既存 へのアプローチでどちらがよい」という結論を出す目的ではありません。マーケティングご担当部門は新規・既存双方ともに検討されていると思います。
広告出稿結果の購買率や購買金額の絶対値のみを見ると当然ながら既存へのアプローチが高い効果に見え、新規への効果が相対的に弱く見えがちです。しかしこの視点も取り入れると、新規への効果もより適切に検証できそうです。
まとめ
・広告接触/非接触の差分で広告のリアル購買効果が可視化できる
・過去購買のセグメント(既存、休眠、新規)別に効果を見るとわかりやすい
デジタル広告も広告接触・非接触で比較することで見えてくるものもありますね。
過去の購買履歴からセグメント配信することで、よりリアル購買に直結する効果的なアプローチも見つかるのではないでしょうか。
「【Pontaマーケティングラボ vol.2】ユーザーインセンティブ有無でデジタル広告の効果はどれくらい差が出る?」の検証結果もあわせてご覧ください。
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消費者のPonta利用から得る日常生活でのリアル購買データとデジタル広告を接続し、配信・分析するマーケティングサービスPonta Adsで目的に合わせたソリューションを提供いたします。
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