コラム

2022-08-09

リアル購買⇔デジタル広告 ID連携分析で見える相関傾向
【セミナーレポート】日経クロストレンドFORUM2022

2022年7月20日・21日に開催された「日経クロストレンドフォーラム2022」において、株式会社ロイヤリティ マーケティング(以下、LM)小河 貴裕が『リアル購買⇔デジタル広告 ID連携分析で見える相関傾向』というテーマで講演しました。

日経クロストレンドフォーラム2022に登壇!

登壇者

ロイヤリティ マーケティング
プロダクト統括グループ データイノベーション本部 本部長
小河 貴裕

Web広告企画・営業、ネットサービスやtoB/toC通信事業のマーケティング、商品企画、営業企画等を経て2017年当社入社。
Ponta会員のリアル購買/行動ビッグデータと大手メディアを連携させたシングルソースマーケティングを開発。
現職にて自社&他社のデータおよびメディア活用によるサービス企画を統括。

リアル購買データを用いたLMのマーケディングサービスの構造とは?

Pontaの会員数は2022年7月末時点で1億856万人、提携社数・ブランド数は142社・190ブランドと日常生活やライフステージの変化など様々なシーンでの利用できます。

LMでのマーケティングサービスでは、リアル購買・行動データをはじめとする膨大かつ多様なデータを用いプランニングを行い、ターゲットを抽出してアプローチを行い、リアル店舗での購買も含めた効果測定・分析を行う、独自のマーケティングサイクルを構築しています。

重要なポイントは、第三者の広告主向けにデータ活用できるパーミッションを、会員加入時に既に取得していることです。

一般的にはデジタル広告の結果とリアル購買の結果は分断されており計測が難しいケースが多いですが、LMではこのPDCAを1つのID&DMPでシームレスに実現でき、Ponta 会員 1 億人超のリアル購買データに基づいたデジタル広告配信と、広告効果のリアル購買分析を実現するサービスを提供しています。

今回、「デジタル広告でリアル購買・行動をどれだけ動かせる?」というテーマについて、デジタル広告とリアル購買の相関関係を過去の案件結果を横断的に集計し検証しました。

次項では3つの検証についてご説明いたします。

【検証1】店舗でのリアル購買は本当にデジタル広告の効果?広告接触VS広告非接触で比較!

「店舗で購入したお客様が、実は昨日配信したSNS広告を見て、購入しに来ていましたよ!」
「店舗スタッフがレジでのお客様との会話から動画広告の効果を知りました。」

・・・といった、リアル購買への広告効果はアンケート結果や店舗スタッフのヒアリングからある程度推察することはできても、どのクリエイティブの、どの媒体でのプロモーションがどれだけリアル購買に結びついているのか分からないという経験はないでしょうか?

・・・といった、リアル購買への広告効果はアンケート結果や店舗スタッフのヒアリングからある程度推察することはできても、どのクリエイティブの、どの媒体でのプロモーションがどれだけリアル購買に結びついているのか分からないという経験はないでしょうか?

オンラインでの購買の場合、広告クリックからの購買(=CV)は明らかに広告効果だと判断できます。
しかし、リアル購買の場合、店舗に来店し購買(=CV)する前に接触したデジタル広告の広告効果はユーザーが一連のアクションでないため判断が難しい状態にあります。

そこで、リアル購買をした人はデジタル広告を見て購入に至ったのかどうか、広告接触有無の購買率で比較しました。
分析対象案件はPonta提携社様多数を横断したキャンペーン、また同案件においては、過去購買履歴から「既存」「休眠」「新規」に対象を分けて検証を行いました。

購買率の絶対値は既存>休眠>新規、購買率のリフト率では新規>休眠>既存

結果、全対象セグメントにおいて広告非接触者よりも広告接触者のほうが購買率は高くなりました。
特に広告接触者の購買率が非接触の購買率のリフト値では「新規」が最も高い結果となりました。

購買率の絶対値は既存>休眠>新規
購買率のリフト率では新規>休眠>既存

このような結果が見えることで、デジタル広告におけるセグメント選定の参考になるのではないでしょうか。

【検証3】CPMやCPCなどのデジタル広告の評価指標はリアル購買評価の参考になるか?

一般的なデジタル広告の結果レポートとして、CTR・CPM・CPC・動画再生率・エンゲージ率などの評価指標が使われています。
これは「広告クリック」や「動画視聴」を基準とした指標ですが、果たして「購買」の指標として参考になるのでしょうか?
クリック単価を抑えられた広告でも、その後購買に寄与しているのかわからないケースも多いかと思います。
そこでデジタル広告の評価指標(CTR・CPM・CPC・動画再生率・エンゲージ率)とリアル購買の評価指標(広告接触者の購買率・購買獲得単価)の相関を見る検証を行いました。

デジタル広告指標はCTRのみリアル購買に多少の相関が発生したが、 他のデジタル広告指標は相関がみられない

相関がある場合、デジタル広告の指標はリアル広告効果の参考になりますが、
相関がない場合、デジタル広告の指標はリアル広告効果の参考にならないといえます。

検証の結果、デジタル広告指標はCTRのみリアル購買に多少の相関がみられましたが、他のデジタル広告指標は相関がみられませんでした。

つまり、デジタル広告指標はあまりリアル購買の参考になりづらいことがわかります。
リアル購買への効果はデジタル広告指標で読み取りづらく、POSデータなどの実購買データとの購買分析も必要になると考えます。

詳しい検証結果は、後日公開のコラムでご紹介いたします。

検証結果まとめ

【検証1】店舗でのリアル購買は本当にデジタル広告の効果?広告接触VS広告非接触で比較!

結果

・広告接触/非接触の差分で広告のリアル購買効果が可視化できる

・過去購買のセグメント(既存、休眠、新規)別に効果を見るとわかりやすい

【検証2】インセンティブの効果?デジタル広告の訴求効果に差がでるのか?

結果

・特に高価格帯のほうが低価格帯よりも購買率の差が大きい

【検証3】CPMやCPCなどのデジタル広告の評価指標はリアル購買評価の参考になるか?<

結果

・デジタル広告指標はCTRのみリアル購買に多少の相関が発生したが、他のデジタル広告指標は相関がみられない

ロイヤリティマーケティングのマーケティングサービスの実現手法とは?

先ほどの検証で用いた案件では、一般的に購買データなどのオフラインデータを大手プラットフォームで活用する際に発生しがちなハードルが存在すると言われています。

障壁1
 広告と連携する場合、ファクトデータのボリュームが足りず活用に至らない。

障壁2
 オフラインデータとメディアとの突合にcookieやモバイル広告IDのみを使うと保有者が限定されたり、
 iOSだと取得できない等によってせっかくオフラインデータ量が多くても、最終的にターゲティング広告の対象者が小さくなりビジネスにならない。

障壁3
 メガプラットフォームはインプレッションデータ等を外に出してくれないケースがほとんどなので、その中でどのように突合して何を実現できるか明確でない。

LMではこれらの障壁を乗り越え、数多くの実績を積み重ねることができています。
デジタル広告とリアル購買の検証について、LMで実現してる手法をご紹介します。

まず、LMでの配信や分析は上記の構造体で実現しています。
上記図の左側がデータ、右側が接続する各種広告メディアです。
これらをPontaDMPでつないでターゲティング配信や、広告接触者の購買効果測定ができ、
これらを組み合わせたPDCAを回すマーケティングを実行しています。

このPonta Adsの以下の特徴から、ハードルとなっていた3つの障壁をクリアしています。

①データソースのボリューム

広告と連携するにもファクトデータのボリュームが非常に重要です。
国内でも多くのケースでこのボリュームがネックになっているのではないでしょうか。
LMのサービスにおいては特性上、多業種の多数企業からデータを取得しています。
このデータに加えて、メディアとの連携キーもすべてPontaIDに紐づく1IDで構成されている点も重要なポイントです。

②データソースとメディアを接続するパイプの太さ

①で説明したオフラインデータとメディアとの突合について、突合手段がcookieやモバイル広告IDのみだと、
突合による減少幅が大きくなり、元々オフラインデータ量が多くても最終的にターゲティング広告の対象者が小さくなるというケースもあります。

LMの場合、cookieやIDFAにほとんど依存せず、様々な会員情報によって各メディアとID突合をしています。
そのため大量のID突合を実現し、ターゲティング配信や購買分析等を実施しても十分なデータ量を確保できるケースが多くなります。

③接続技術と実現内容

LMではターゲティング配信+広告接触者の購買測定を多くのメガプラットフォームのメディアで実現しています。

・実現手法の一例としてプラットフォーマー内に分析専用環境を作り、
広告接触データとLM購買データを掛け合わせた分析を可能にしています。

・クライアント様代理店様から見て、データ活用の使い勝手も障壁になりえると思いますが、
広告主の各メディアの既存広告アカウントで配信できる連携スキームを構築しています。

・データ連携をセキュリティやリーガルを確保し、開発や運用をいかに軽くするかという点も課題ですが、
データはクラウドやTreasureDataをハブに他社環境と接続連携の開発・運用の負荷軽減を行っています。

リアル購買データを基にした配信&分析ならロイヤリティマーケティングにご相談ください!

LMでは1億のIDを超える会員のリアル購買データ等とメディアをつなぐマーケティングを提供しており、実績やノウハウも蓄積しております。

消費者のPonta利用から得る日常生活でのリアル購買データとデジタル広告を接続し、配信・分析するマーケティングサービスPonta Adsで目的に合わせたソリューションを提供いたします。

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※ Ponta 会員規約および個人情報保護法、その他の法令・ガイドラインに則り、個人を特定しないセキュアな環境でデータ分析・利活用を行っております。

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